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格納容器の水位・圧力が低下、地震で損傷拡大

 2月13日23時7分発生の福島県沖地震(M7.3、最大震度6強)の東京電力福島第一原子力発電所等への影響について、当初、原子力規制委員会の緊急情報では「特段の異常なし」とされましたが、19日になって東京電力から1・3号機ともに原子炉格納容器水位が低下傾向にあると公表されました。
 1号機では、格納容器の底部から1m90cmほどだった水位が、40から70cm低下。3号機では格納容器底部から6m30cmほどだった水位が、およそ30cm低下したとされ、水位低下は1号機で遅くとも15日、3号機で遅くとも17日から開始、どちらも1日数センチの低下が続いていると報道されました。東京電力は、今回の地震の影響で10年前の原発事故による損傷部分が広がり、建屋内に漏れ出る水の量が増えた可能性があるとし、水位低下が続く場合、原子炉への注水量を増やすとしています。公表時点で、格納容器内原子炉底部の温度計の値が上昇していないため、溶融核燃料の冷却に問題はないとしています。
 さらに、21日に、1号機で、原子炉格納容器の圧力低下が判明しました。これも13日の地震の影響で10年前の原発事故による損傷部分が水位低下で露出し、そこから気体が漏出して圧力低下した可能性がとしています。福島第一原発では、水素爆発の危険性を下げるために格納容器に窒素を常時入れて圧力を高めていますが、東京電力は、1号機の圧力が通常の1.2キロパスカルから0.9キロパスカルまで低下しているのが確認されたとしています。
 東京電力と原子力規制庁は、引き続き格納容器等の水位や温度など関連パラメータのデータ監視を継続するいいますが、22日には、東京電力が3号機に去年設置した地震計2つが故障し地震データが記録できなかったことが発覚。故障を把握しながら修理もしないという東京電力の安全管理のとんでもない実態がまたも明らかになりました。
 東京電力は、柏崎刈羽原発での中央制御室へのID不正入室事件や福島第二原発でのID紛失事件など核防護管理上、重大な逸脱が頻発しており、これを放置してきた管理体制と経営責任がまたも問われています。原子力事業者として著しく適格性に欠けると言わなければなりません。
 2月13日23時7分発生の福島県沖地震(M7.3、最大震度6強)は、福島第一原子力発電所地点に近い大熊町野上で震度5強でした。震度5強程度で、原子炉格納容器の破損が拡大しているのであり、原子炉格納容器の水位低下、圧力低下が発生しているのです。10年前の東北地方太平洋沖地震の余震が続いてる以上、震度7以上の地震に襲われたらどうなるのか。重大な警告と受け取るべき事態です。
 「監視を継続する」だけでなく、「直ちに対策を取るべき段階」です。

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by kazu1206k | 2021-02-22 22:02 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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