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原子力災害考証館furusato、古滝屋にオープン

 3月17日、いわき湯本温泉古滝屋さんの9階にオープンした、「原子力災害考証館furusato」に伺いました。
 考証館の発起人であり同運営委員会代表、考証館館長の古滝屋当主・里見喜生さんにご案内していただきました。
 これまで、里見さんは、震災で自らの旅館が被災する中、救援物資受け渡しの拠点として、またボランティアさんの宿泊所として旅館を提供したり、NPO法人を立ち上げたりしながら、被災地のスタディツアーの企画・ガイド活動などを通じて、福島県浜通りの住民と福島県外の人々との交流を図ってきました。
 里見さんたちは、2011年3月11日の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故による被害について、「何が被害を深刻化させたのか。私たちは何を失い、何に気づき、何を取り戻さねばならないのか。命の営みにとって本当に大切なものは何か。それを二度と失わないようにするために、どのような社会にしていけばよいのか。そうした一つひとつの問いに、向き合える場所をつくりたい」という思いで、「原子力災害」を「考証」する展示ルームを設けることにした、といいます。
 国は、福島県双葉郡に「東日本大震災・原子力災害伝承館」を開設しましたが、里見さんたちは、水俣病の民間アーカイブ施設「水俣病歴史考証館」や成田闘争のアーカイブ施設「空と大地の歴史館」などをヒントに構想し、原子力災害考証館では、原子力災害の被害・原因・解決のための取組を体系的に整理し、草の根の人びとが取り組んできた軌跡(測定、対話、伝承、裁判等)や、原子力政策が有する課題などを幅広く扱い、一人ひとりが向き合い、これからどんな生き方や社会を目指していくのかを考え、行動する場にして行きたいとしています。
 現在、最初の企画展、大熊町の木村紀夫さん「One Last Hug 命を探す」と浪江町の三原由紀子さん「ふるさとは赤」が開かれています。展示室の中央に、東京電力福島第1原発がある大熊町の沿岸部で亡くなった木村紀夫さんの娘さん、木村汐凪ゆうなちゃんの写真、遺品のランドセルや帽子、靴などが展示されています。津波で被災の後、避難指示によって捜索を阻まれ、遺骨の一部が見つかったのは震災から5年半後でした。紀夫さんは、汐凪ちゃんら家族3人を津波と原発事故で失いました。かけがえのない遺品の数々に向き合うことで、来館者が自分の身近なことに置き換えて考えられる展示をめざしています。壁には、当時の捜索活動を撮影した特大サイズの写真も掲げました。
 資料は、原発事故後の浪江町の街並みを写したパノラマ写真、原発事故に関連する雑誌や裁判の資料、新聞の紙面なども紹介。被害に遭った人々の記録、被災を詠んだ歌集や放射能汚染に苦しむ農家を追った写真集、浪江町の写真の下には、市民グループが測定した放射線量マップも。
 今後も情報を更新し、3カ月に1度は企画展示を替えていく方針とお聞きしました。
 開館は午前10時~午後4時。不定休。入館無料。問い合わせは、電話0246-43-2191へ。


「原子力災害考証館」設立趣旨

2011年3月11日の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故。
原子力災害による未曽有の被害は、社会の根底的な価値観さえ揺るがすものでした。
先祖代々守り続けてきた大地。
どこにも負けないくらい豊かな海。
暮らしに根付いた文化。日々の暮らし。
そうしたものへの、ささやかな信頼と誇り。
様々な、形あるもの、ないものが壊され、失われました。
何が被害を深刻化させたのか。
私たちは何を失い、何に気づき、何を取り戻さねばならないのか。
命の営みにとって本当に大切なものは何か。
それを二度と失わないようにするために、どのような社会にしていけばよいのか。
そうした一つひとつの問いに、向き合える場所をつくりたい――
そのような思いから、いわき湯本の旅館『古滝屋』の9階の一室に、
「原子力災害」を「考証」する展示ルームを設けることにいたしました。
構想のヒントになったのは日本四大公害水俣病の
民間のアーカイブ施設である「水俣病歴史考証館」や、
成田闘争のアーカイブ施設である「空と大地の歴史館」など。
どちらも、「賛成/反対」という立場を超えて学び考える事のできる貴重な施設です。
未曽有の被害をもたらした原子力災害についても、被害の全容と構造的背景、
被害の克服に向けた様々な取組を記録する施設が必要だと考えました。
震災から10年の節目に、国は、福島県双葉郡に「東日本大震災・原子力災害伝承館」を建設し、
震災の風化を防ぐための情報発信を行うとともに防災・減災に役立てるとしています。
一方、原子力災害考証館では、
災害の被害・原因・解決のための取組を体系的に整理しながら、
草の根の人びとが取り組んできた軌跡(測定、対話、伝承、裁判、人材育成 等)や、
原子力政策が有する課題、などを幅広く扱う予定です。
一人ひとりが、問いに向き合い、答えを見出していく
そして、これからどんな生き方や社会を目指していくのかを考え、行動する
「原子力災害考証館」を、そんな場にして行きたいと考えています。

館長メッセージ

理不尽な現実や、苦しみ、大きな悩みと向き合う中で、
自分を支えてくれたのは、紛れもない「歴史の重み」そのものでした。
人は、目の前の何かを失ったとしても、引き継ぐべきものがあれば、
現実に立ち向かってゆけるものなのだということを
この10年間、ずっと感じてまいりました。
歴史は過去のために記されるものではなく、
未来への指針を考えるために残すものなのだと思います。
今起きていることに目を背けず、きちんと考証し、未来へつないでいくことが願いです。
東京電力福島第一原子力発電所から南に50km。
多くの地域の人たちと歴史を積み重ねてきました古滝屋の一室に、手作りの資料館を作ります。
原子力災害考証館という名は、水俣病歴史考証館の想いに感銘を受け、参考にしました。
原子力災害は、福島県民だけの問題ではありません。
国民ひとりひとりが向き合うべき問題です。
この地で一緒に考えていただけると嬉しいです。
みなさま、よろしくお願いいたします。

館長 里見喜生


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by kazu1206k | 2021-03-21 22:13 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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