菅内閣は、東京電力福島第1原発事故によるトリチウム等汚染水の処分方法を海洋放出とする方針を固め、13日にも廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議を開き、正式決定する見通しです。
海洋放出する方針では、2年後をめどに福島第一原発の敷地から放出する準備を進め、トリチウム濃度は規制基準の40分の1まで希釈。その他の核種は、規制基準を下回るまで2次処理。放出前後のモニタリングの強化。風評被害対策、それでも生じる被害には、丁寧な賠償を実施と報じられています。
海洋放出方針の決定は、福島県漁連はじめ全漁連など漁民の反対の声を切り捨て、第一次産業はもとより福島県民多数の声を無視する暴挙です。決して許されるものではありません。
菅首相は7日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長や福島県漁連の野崎会長ら漁業関係者と官邸で面会し、「近日中に判断する」と表明していましたが、岸会長は「絶対反対の考えはいささかも変わらない」と改めて海洋放出反対の考えを明言し、「絶対反対」の姿勢を崩していません。
汚染水対策を所管する梶山弘志経済産業相は、9日午前の記者会見で海洋放出に当たって「風評被害は当然起こる。対策に万全を期す」としています。
東京電力は当初、2022年秋ごろに、計画済みタンク容量(約137万トン)が満杯になる見通しを示していましたが、タンクのリプレース等で空き地ができ増設が可能になっていることから、満杯になるのは1年程度延期になる可能性が高い。
貯蔵汚染水の7割以上には、トリチウム以外にもストロンチウムなど9核種の放射性物質が国の排出基準を超えて残っており、東京電力は処分に向けて再浄化のため、二次処理をする方針でいます。
海洋放出するには、原子力規制委員会による放出設備の審査及び放出設備の建設などに2年程度かかるとされており、処分方針を決定しても、漁業者はじめ国民への情報公開と説明がまず必要であり、漁業者の同意はじめ国民的合意が不可欠であることに変わりはない。すぐに放出できると考えるのは大間違いです。
また、国の小委員会の委員を務めた水産研究・教育機構水産資源研究所放射能調査グループの森田貴己主幹研究員は、報道機関に対して「福島県の漁業は本格操業への移行期間にようやく入ったところだ。漁業者は今も風評被害が続いているからこそ反対しているわけで、復興を進めてからでないとこの決断は受け入れられない。敷地の拡張をしてもいいからタンクを置くスペースを作って処理水の保管を続け、風評被害の払拭や復興を進めていくべきで、その後に処分という順番でもいいのではないか」と強調。国内外の原発でトリチウムを含む水を放出しているという政府などの説明について「海外で流しているというのは正常に管理されている原発であって、今回は事故炉から出た処理水であり、もともとの由来が違うものを同じように扱うのは乱暴な話だ。東京電力への信頼感も損なわれているなかで、本当に安全な水なのかというところに多くの人が疑問を抱いてしまう。安全というのは科学の面から提供できるものだが安心は政府が提供すべきものだ」と述べています。
このように無謀な政府の海洋放出方針の決定に対し、みんなで、ふるさとの海を守れ!漁業を守れ!子どもたちを守れ!という緊急スタンディングを行います。
市民一人一人が問われる問題、汚染水の海洋放出方針決定を許すわけにはいきません。
是非ご参加ください。
日時:4月11日(日)午後1時〜2時
場所:いわき市小名浜辰巳町、アクアマリンふくしま入口交差点付近
呼びかけ:これ以上海を汚すな!市民会議