日本弁護士連合会は、6月18日付で「原子力に依存しない2050年脱炭素の実現に向けての意見書」を取りまとめ、21日付で内閣総理大臣、環境大臣、経済産業大臣および資源エネルギー庁長官宛てに提出しました。
意見書の趣旨は、下記の通りです。
1 世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも1.5℃高い水準までに抑えるために、国は、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロとすること、それに向けて2030年までに1990年の水準から50%以上削減すること、及びこれらを確実に達成するために5年ごとに削減目標を見直すことを、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に明記すべきである。
2 国は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするための具体的な施策として、エネルギー需給に関して、以下の取組を行うべきである。
(1) エネルギー効率を高め、一層の省エネルギーを推進すること。
(2) 電力供給における再生可能エネルギーの割合を2050年までに100%とすることを目指し、2030年までには50%以上とする導入目標を「地球温暖化対策の推進に関する法律」に明記した上、再生可能エネルギーの利用拡大のために、電力システムの改革を進めるとともに、乱開発を抑制しつつ地域における取組を推進するための制度を整備すること。
(3) 建設中のものを含む石炭火力発電所の新増設を中止し、既存の石炭火力発電所を2030年までに段階的に廃止すること。また、天然ガス火力発電所の新増設も中止すること。
3 国は、2050年脱炭素の実現に当たっても、原子力発電に依存すべきでなく、原子力発電所の再稼働及び新増設を行わないことはもとより、既存のものについてもできる限り速やかに廃止すべきである。
4 国は、地球温暖化対策及びエネルギー政策の決定過程に広く市民の意見を反映させるべきである。
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