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全漁連「海洋放出に断固反対」、政府の当面の対策で

 8月24日、政府は、「ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚等会議」を開き、「東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の処分に伴う当面の対策の取りまとめ(案)」を決めました
 これは、東京電力福島第一原発事故による汚染水の海洋放出処分に伴う風評対策などの中間取りまとめとして当面の対策をまとめたもの。加工、小売など農林水産物の流通過程での公正取引の指導、国際機関と連携した海外への情報発信強化、風評被害を前提に漁業者の冷凍可能な水産物の一時的買い取り・保管、冷凍できない魚介類の販路拡大支援などに活用する基金を創設する。また、賠償方針として、国が基準を明示、適切な賠償の実施に向けて東電を指導するというもので、今後、関係団体などから意見を聞き、年内に行動計画を策定するとされています。
 この関係閣僚等会議は、5月以降これまで、福島県をはじめ宮城、茨城、東京でワーキンググループを計6回開催して、46団体と意見交換したと既成事実化を進めていますが、その中でも海洋放出への不満と不安が数多く出されたとことを、またもや無視しています。
 これは、海洋放出はじめにありきで、汚染水の処分だけを先に進め、廃炉を優先し復興を犠牲にするもの。二次被害を発生させることから、漁業者はじめ原発事故被災者にさらなる負担と苦悩を強いるもので到底認められません。福島県漁連や全漁連はもとより、福島県内農林水産業・消費者4協同組合組織はじめ、福島県内22自治体議会も改めて、海洋放出方針の撤回・再検討を求める政府への意見書を採択するなど、海洋放出方針への反発は根強いものがあります。
 この関係閣僚等会議における当面の対策を取りまとめに対し、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)は、「全国の漁業者は、ALPS処理水の海洋放出に断固反対であることをあらためて表明するとともに、我々の申し入れに対し、国が明確に回答することを引き続き求めるものである。」と「関係閣僚等会議におけるALPS処理水の処分に伴う当面の対策の取りまとめにかかる会長声明」(下記に掲載)発表しました。
 わたくしは、引き続き、福島第一原発事故及び汚染水発生の原点に立ち返り、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」とする福島県漁業協同組合連合会等との文書約束の反故について、政府は関係者に謝罪し、理解と合意なき海洋放出方針を撤回することを求めるものです。
 また、福島第一原発の廃止措置の完了形態を明確にするとともに、IAEAの指摘通り、汚染水の発生を止める地下水の止水を実現して、汚染水の陸上保管を継続すること。廃炉を優先して復興を犠牲にしないために、現在の敷地利用計画を見直し、被災者や国民が求めるトリチウム分離技術の実用化を図ること。さらに、福島県内はもとより全国各自治体で説明・公聴会を開催して、国民的議論、国民的理解と合意の形成を図ることを政府に求めるものです。

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by kazu1206k | 2021-08-25 16:41 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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