2019年の令和元年東日本台風により、遠野町滝地区でも、鮫川の氾濫、決壊による浸水被害が発生しました。
鮫川の高柴ダムの上流域にある、同地区は、鮫川が大きく蛇行した地形のため、同地区の十三枚橋上流部や中井付近などで越水し、上川原、新川原、川原、中井地区の住家などに床上浸水などの被害が発生しました。
地区内の有料老人ホームに高齢者7人と職員1人が取り残され、竜神峡の紅葉祭りなどで利用されてきた「とおの湧水公園」も水没。水田は濁流でおし流され、冠水して汚泥が堆積。上川原で床上浸水の被害農家は濁流で新米50袋が水没するなどの被害を受けました。
過去にも1986年の「8.5水害」などで浸水被害を経験している同地区で、現場を調査しながら話を伺い、座談会などで何人もの被災者の方々から切実な訴えをお聞きしました。
それを受けて、2019年の市議会12月定例会、2020年2月定例会、同年7月定例会などで度々取り上げ、本市並びに河川管理者である福島県に対して、河川の河道掘削、堆砂除去、立木伐採、堤防嵩上げ、堤体補修などの河川改修工事と田畑等の災害復旧を計画的に進めるよう要望してきました。
現在、河川管理者である福島県は、遠野町滝地内の復旧について、新川原の決壊箇所は、粘り強い構造とする堤体補強として、川表及び川裏の護岸工を進めており、越水箇所の堆砂除去は、上川原の500メートルを2020年度末で完了、新河原の480メートルを2021年10月に着手するとしています。堤体の嵩上げについては、本年度から山崎から上川原の151メートルの築堤護岸工に着手し、来年度以降も継続実施するとしています。
住民の皆様の安全安心の確保に向けて、引き続き、計画的な河川改修事業、河道掘削、堤防機能強化などの治水対策を求めてまいります。