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現場検証と証人調べを!東電刑事裁判控訴審第1回公判開く

 11月2日午後、東京電力福島第一原発事故の真相を明らかにし、事故の責任を問う、福島原発刑事裁判の控訴審第1回公判が、東京高等裁判所第10刑事部の細田啓介裁判長の下で行われました。
 市民の力で強制起訴された、東京電力旧経営陣の勝俣恒久、武黒一郎、武藤栄の3被告人に対して一審の東京地裁・永淵健一裁判長は、業務上過失致死傷罪の法定刑として最大の禁錮5年の求刑に対し、2019年9月、全員無罪の判決を言い渡しました。
 検察官役の指定弁護士は、「原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるから、原判決は破棄されるべき」だとし「基本的な誤りは、津波対策の大前提となる国の津波に対する見解、『長期評価』の信頼性を否定した点にある。万が一にも事故を起こしてはならないという社会通念にも著しく反する」と控訴していました。
 この日は、午前10時から東京高裁が傍聴整理券の交付を開始、313人が30の傍聴席を求めました。10時30分には、福島や全国から参集した被害者、被災者、支援者など300人を超える人々が、東京高裁前でグリーンのリボンを手につないでヒューマン・ディスタンス・チェーンのアクションを実現しました。そして、被害者遺族代理人の河合弘之弁護士はじめ、福島県の被災者や避難者がリレートークを行ない、東京高裁に対し、証人調べや現場検証などを実現することや公正厳正な裁判を実現すること求めました。
 法廷は、東京高裁104号法廷で、午後1時30分に開廷。最初に、検察官役の指定弁護士がすでに提出している控訴趣意書と控訴趣意補充書について陳述し、大津波が予見できた根拠となる「長期評価」は「信頼性・具体性があったと認めるには合理的な疑いが残る」とした一審の判決を「最大かつ基本的な誤り」と指摘。長期評価が作られた経過をより詳細に明らかにするため、新たな証人の出廷も含め3名の証人尋問の申請と現場検証を求めました。続いて、被告弁護側が答弁書を陳述し、4書証の取り調べを請求し「控訴の棄却」を求めました。
 最後に、裁判長は、次回公判までに合議した上で、双方から請求のあった証拠調べと現場検証について決定を下す、としました。
 3被告人は、東京電力の武黒元副社長と武藤元副社長は弁護士とともに出廷しましたが、勝俣元会長は体調不良として欠席し、弁護士のみが出廷しました。
 閉廷後、午後4合30分より、参議院議員会館で裁判報告会が1時間に渡り行われました。被害者遺族代理人の海渡雄一弁護士は「この控訴審の最大の争点は指定弁護士が最後で言ったように裁判所が現地に行くかどうかだと思う」として、一審では採用されなかった裁判官の現地検証を改めて求めました。ユーチューブ中継され、録画も視聴できます。
 次回第二回公判は、2022年2月9日14時からの予定です。
 第二回公判で、東京高裁第10刑事部の細田啓介裁判長が、現場検証と証人調べを決定するよう、現場検証を求める署名を広げましょう。また、第1回公判の報告会を各地で開催して、東電刑事裁判の公正厳正な裁判の実現を求める国民世論を高めましょう。



●福島原発刑事訴訟支援団 団長メッセージ

東京高裁前にお集まりのみなさま。
 とうとう、今日という日が来ました。いよいよ福島原発刑事訴訟の第1回公判が開かれます。
2年前の2019年9月19日、東京地裁の永淵裁判長が、津波対策を怠って、福島原発事故を引き起こし、多くの犠牲者を出した3人の刑事被告人に対して、全員無罪という不当判決を下して以来、私たちは、東京高裁での控訴審が始まるのを心待ちにしていました。
 福島原発事故の被害者・被災者を踏みにじる、東京地裁の不当判決は、被害当事者はもとより、多くの国民が納得も承服もできない、許すことのできない判決です。わたくしは、あの悔しさ、あの屈辱を忘れることができません。
 福島原発事故の真相を明らかにし、事故の責任を問う、福島原発刑事裁判は、幾多の困難を乗り越えてきました。
 控訴審では、「『長期評価』の信頼性を否定し、万が一にも事故を起こしてはならないという社会通念にも著しく反する」地裁判決の事実誤認を覆すために、何としても、証人調べや現場検証を実現しなくてはなりません。
 2012年6月の福島地検への集団告訴から始まった福島原発事故の責任を問う闘い、全国の仲間も鬼籍に入られた方が多くいます。この秋、いつも私たちの先頭に立ってきた、人見やよいさんや長谷川健一さんが旅立たれました。ほんとうに残念でたまりません。
 今、私たちは、改めて無念の死を遂げた被害者、その遺族、そして被災者の10年を心に刻み、決して諦めず、前進します。
 本日、東京高裁に駆けつけることは、叶いませんでしたが、心は皆さまとともにあります。ともに手をつなぎ、証人調べや現場検証を実現して、東電刑事裁判・控訴審の勝利を掴み取りましょう。心からお願い申し上げます。

 2021年11月2日      福島原発刑事訴訟支援団 団長 佐藤和良


●第1回公判後の海渡雄一弁護士のメッセージ

昨日は東電刑事裁判の控訴審の第1回でした。
300人を超える市民が集まり、裁判所に改めて検証の実施と証人尋問の実施を求めました。
テレビ録画には今日の裁判所前の状況も映し出されています。
本当に久しぶりにたくさんの友人の皆さんと再会することができました。
全国から、今日の期日に駆け付けてくださった皆さんに心から感謝します。
そして、今日の日をともに迎えることができなかった、人見やよいさんと長谷川健一さんの遺影を告訴団の仲間が裁判所前に持ってきてくれていました。
人見さんは一審の裁判には全部の公判に出席し、法廷のスケッチなども提供してくれました。
私の編著である『東電刑事裁判 福島原発事故の責任を誰がとるのか』にも、火を吐くような一審永渕判決に対する批判の言葉を寄せてくれました。
長谷川さんは私も弁護団の共同代表をつとめた飯舘村ADR申し立ての申立人代表でした。あんなに元気な村のリーダーが、甲状腺上皮癌という極めてまれにしか起きないガンであっという間に亡くなられました。長谷川さんは村民と牛たちのために、村に最後まで居残りました。たくさん被曝をされていたと思います。事故との関連をどうしても疑ってしまいます。
お二人の冥福を改めて祈ります。
東京地裁商事部による現地調査が実現したのが10月29日でした。
その4日後に開催された東電刑事裁判でも、あらためて現地検証の実施と新たな証人3名の採用が求められました。
裁判所は時間をかけて記録を検討したうえで、証拠調べの必要性を吟味するとして、期日の続行を決めました。
地裁が現地まで行っているのに、高裁が行かなくてよいのか、推本の長期評価の信頼性を否定した永渕判決に根拠があるのか、事故を防止するための津波対策を取ることはできたのか、しっかりと記録を読み、考えてほしいと思います。そして、検証の実施と追加の証人尋問の実施を決断してほしいと思います。
次回期日は来年2月9日の午後2時から。
次回には裁判所の重大な決定が下されます。
今日を倍する皆さんの傍聴参加をお願いします。
この2つの裁判の結果、そして最高裁に係属中の4件の事故について国の責任を認めるかどうかが問われる、生業、千葉、前橋、愛媛の損害賠償事件の上告審の結果は、福島原発事故を日本の歴史にどのように刻むかをめぐる、決定的に字有用な裁判です。
今後もどうかご注目下さい。
東電刑事裁判と東電株代訴訟に関するご講演の依頼があれば、期日さえ合えば、どこにでも足を運びます。ズーム講演会も大歓迎です。


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by kazu1206k | 2021-11-03 19:20 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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