11月26日午後、福島市で、「海といのちを守る福島ネットワーク」設立記者会見が行われました。
呼びかけ人の中島孝(生業訴訟原告団長)さん、武藤類子(原発事故被害者団体連絡会共同代表)さんのほか、織田千代(これ以上海を汚すな!市民会議共同代表)さん、小渕真理(アウシュヴィッツ平和博物館館長)さん、佐藤彌右衛門(会津電力株式会社顧問)さん、佐藤和良(福島原発刑事訴訟支援団団長)などがオンラインで出席しました。
「海といのちを守る福島ネットワーク」は、東電福島第一原発事故による汚染水について、政府が海洋放出するとの方針を決めたのに対して、放出の影響や環境に対する負荷、漁業その他の事業に対する被害、さらには公共の物である海洋になぜ放出できるのかなど、様々な観点からの反対の声があげられ、賛成とも反対ともいえない、わからないという声も少なからず聞かれる状況をふまえ、「海といのちを守る」ために海洋放出に反対するという一点だけでつながることを企図し、設立されたものです。
福島県内各界の方が呼びかけ人となり、「県が海洋放出に反対するとの立場を明確にすること」「県内の各自治体から反対の声をあげていくこと」などを目的に活動に取り組んでいく予定です。
●海といのちを守る福島ネットワーク呼びかけ文
2021年11月26日
問いかけ
「海」と「いのち」が脅かされていることを知っていますか?
1 目的
「海」と「いのち」を守る
それが私たちの目的です。
福島第一原発事故で、国と東京電力は、福島の人々を深く傷つけました。
その原発事故から発生した汚染水を2年後の2023年に海に放出すると国は発表しました。最も費用がかからないとされる海洋放出が現実的な選択肢とされています。
しかし、汚染水を海洋放出した場合、環境や人にどのような影響があるのか良く分かっていません。そのような汚染水を海に流してしまって本当に大丈夫なのでしょうか。海と人々の命に危険がないとは言い切れません。
この活動は、汚染水の海洋放出を止めることで、「海」と「いのち」を守ることを目的としています。
2 取リ組み方
(1)自分事として取り組む
福島第一原発事故を経験した私たちが、原発事故で発生した汚染水の海洋放出に関心を持たずにいるということで良いのでしょうか。
汚染水の海洋放出は、まだ止めることができます。
私たち自身の命や健康に関わることである以上、他の誰かにゆだねず、一人一人が自分事として取り組む必要があります。
(2)立場などは関係ない
海は誰のものでもなく、みんなのものです。
命は誰にとっても大事なものです。
海や命を守るために、それぞれの立場、主義、主張は関係ありません。
みんなの海と命を守ろうとする目的に共感いただけるなら、一緒に行動を起こしましょう。
(3)事故の責任を明確にする
国と東京電力には、福島第一原発事故の責任が問われています。
その事故当事者である国と東京電力が、今度は事故で発生した汚染水を自分たちで管理せず、公共の海に放出することなど到底許されません。
しかも、海洋放出の方針は、事故の責任を曖昧にしたままで、地元の声にも耳を傾けずに国が一方的に決めました。
私たちは、公共の海への一方的な負担の押し付けを見過ごさず、福島第一原発事故の責任を明確にしなければなりません。
3 何をするか
汚染水の海洋放出撤回に向けた全方向での働きかけを行います。
1 政府、東京電力への抗議活動
2 福島県を中心とした各自治体の首長、議会、議員などへの要望書の提出及
び海洋放出に対する賛否の明示の要請
3 漁協、生協、農協、事業者その他民間団体への協力要請
4 タウンミーティングなどの実施
5 私たちの意見の表明と発信
6 目的に共感して頂ける人を集め、より大きな動きにしていくこと
以 上
海といのちを守る福島ネットワーク 呼びかけ人(50音順)
1、織田 千代 これ以上海を汚すな!市民会議共同代表 ファーバーアーティスト
2、小野 覚久 いわき市出身 足利短期大学准教授
3、小渕 真理 認定NPO法人 アウシュヴィッツ平和博物館館長
4、佐藤 和良 福島原発刑事訴訟支援団団長 これ以上海を汚すな!市民会議共同代表
5、佐藤 彌右衛門 会津電力株式会社顧問 会津エナジー株式会社代表取締役
6、里見 喜生 いわき湯本温泉古滝屋社長 原子力災害考証館当主
7、柴崎 直明 福島大学共生システム理工学類教授
8、中島 孝 生業訴訟原告団長 スーパーマーケット経営
9、野中 俊吉 コープふくしま ふくしま県本部本部長
10、原田 雄一 二本松市在住 元浪江町商工会会長
11、福井 公伸 ライブハウス KORIYAMA CLUB #9(シャープナイン)経営
12、武藤 類子 原発事故被害者団体連絡会共同代表