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現場検証と証人調べ不採用、東電刑事裁判控訴審第2回公判

 2月9日、東京電力福島第一原発事故の真相を明らかにし、事故の刑事責任を問う、福島原発刑事裁判の控訴審第2回公判が、東京高等裁判所第10刑事部(細田啓介裁判長)で開かれました。
 東京電力の勝俣恒久元会長ら元経営陣3名が、福島県大熊町の双葉病院の入院患者44人を死亡させたことなどで業務上過失致死傷の罪で強制起訴された刑事裁判の控訴審では、昨年11月の第1回公判で、検察官役の指定弁護士が一審では採用されなかった裁判官による現地検証と新たな証人調べを請求しました。
 福島原発刑事訴訟支援団は、東京高裁の細田啓介裁判長が現場検証と証人調べを決定するよう、現場検証を求める署名を広げ、昨年12月25日郡山で、1月15日東京で「東京高裁に証人調べと現場検証を求める集会」を開き、1月21日高裁への署名提出行動を行い、2月9日第2回公判にのぞみました。
 14時からの第2回公判で、細田啓介裁判長は、検察官役の指定弁護士が請求した裁判官による現地検証と新たな証人調べについて、いずれも「必要性がないため不採用とする」との決定を示しました。この瞬間、傍聴席からは「ああ」というため息が漏れ、検察官役の指定弁護士は「原発の状況や津波の痕跡を認知することは必要不可欠」「審理に大きな禍根を残す」「憲法違反、決定を取り消せ」と異議を申し立てましたが、裁判長は棄却しました。
 一方、指定弁護士側が証拠採用を求めた12点の書証のうち、長期評価の信頼性を認めた損害賠償請求の千葉訴訟の東京高裁判決文など9点と弁護側の証拠申請した事実取調べ請求書など書証4点は採用されました。
 第2回公判には、勝俣被告を除く武黒被告と武藤被告の2人が出廷。次回の第3回公判では、指定弁護士側と弁護側双方が採用された書証の補充弁論を行い、被害者が心情の意見陳述を行う予定です。裁判は次回で結審する流れで、次回の公判は、今年4月21日以降に行われる見込みです。
 この日は、コロナ感染対策を行いながら、傍聴券整理券の配布に多くの方々が並び、11時からは高裁前のアピール行動を約100名で行いました。
 公判後の記者会見で河合弁護団長は、「検証が採用されずに、非常にがっかりしている。事故の責任の所在が誰にあるのかを見極める姿勢が感じられない」「現場を見ずに何をどう判断するのか。残念だ」と語りました。
 その後の報告会は、オンラインで行われ、大河弁護士は「現地検証と新たな証人調べについて、必要性がないというのは、誤った判断だ」「裁判官は、千葉訴訟の住民勝訴判決も採用している。きちんと読んで、しっかり考えて欲しい。長期評価の信頼性を認めることは可能だ」「諦めず有罪判決に向かって頑張っていきたい」と話しました。
 武藤告訴団長は、「採用された証拠もある。がっかりせず、第3回期日、判決までやれることことをやる決意を持った」と語りました。
 東京高裁細田裁判長による、現地検証と新たな証人調べの不採用は、誠に残念な決定ですが、萎れているわけにはまいりません。呆れ果てても諦めない!第3回公判ー結審に向けて、また力を出し合いましょう。

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by kazu1206k | 2022-02-10 15:37 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k