いわき市議会2月定例会は、2月24日から3月1日まで一般質問を行いました。
28日の一般質問で、放射線副読本が取り上げられ、令和3年10月改訂版放射線副読本に差し込まれた復興庁のチラシ「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」などのチラシ資料について、創世会の鈴木さおり議員は「この資料を市としてはどのように扱うのか」と質しました。
内田弘之いわき市長は、「2点の問題があります。1点は、未だアルプス処理水放出の賛否についての合意形成が途上にあるにもかかわらず、海洋放出を前提とした記載になっている。もう1点は、客観的な判断力が成長途上にある、児童生徒を対象にして、教育課程を所管する県、市の教育委員会に事前に何らの協議もなく、各学校に直接送付されている点。これらの点は、私より国の幹部を通じて、復興大臣、経済産業大臣に対し、ご意見を申し上げた」「現段階で当該チラシについて、教育委員会から各学校に対し、使用を控え学校保管とするよう、通知しております」と答弁しました。
以下に、やり取りの一部を紹介します。
◯質問
令和3年10月改訂版放射線副読本に差し込まれた資料についてのいわき市の見解について、この資料を市としてはどのように扱うのか。
●市長答弁
放射線副読本と一緒に各学校に送付されたチラシについては、2点の問題があります。
1点は、未だアルプス処理水放出の賛否についての合意形成が途上にあるにもかかわらず、海洋放出を前提とした記載になっていることです。
もう1点は、客観的な判断力が成長途上にある、児童生徒を対象にして、教育課程を所管する県、市の教育委員会に事前に何らの協議もなく、各学校に直接送付されている点です。
これらの点は、私より、国の幹部を通じて、復興大臣、経済産業大臣に対し、ご意見を申し上げました。
なお、このような経過も踏まえ、現段階で当該チラシについて、教育委員会から各学校に対し、使用を控え学校保管とするよう、通知しております。
◯質問
授業での、汚染水海洋放出問題の扱い方について伺う。
●教育部長答弁
アルプス処理水海洋放出問題の扱い方は、福島第一原子力発電所の事故に関連する課題の一つであり、授業での扱いについては、専門家の統一的な見解が出ていない事や市民の皆様の合意形成が図られていないことから、慎重に取り扱う必要があるものと認識しております。
◯質問
放射線副読本を配布しないことについて伺う。
●教育部長答弁
放射線副読本を配布は、本年度の小中学校第一学年の児童生徒向けに文部科学省から各学校に直接配布されたところです。アルプス処理水の安全性等について、市民の皆様の合意形成が図られていないことなどから、現段階では各学校における使用を控え、学校保管とするよう通知しております。
今後、県教育委員会とも協議を行いながら、授業での活用にあり方について、慎重に判断していきます。
◯質問
放射線副読本を回収することについて伺う。
●市長答弁
放射線副読本は、放射線に関する科学的な知識を身につけ、理解を深めさせるための指導資料の一助として平成23年度から、文部科学省が作成しているものです。
これまでも在校生に対して、継続的に使用してきたところであり、回収については検討しておりませんが、ただ一方で、原発事故当時の様子や事故の深刻さを伝える情報などを含め、記述が十分でない内容もございます。
使用する場合には、福島県教育委員会が作成した指導資料も併用するなど、理解が深まるように取り組んでまいりたいと考えております。