いわき市は、このほど、「磐城平城文献等調査報告書」を発行しました。
「磐城平城文献等調査報告書」は、いわき市の「歴史を振り返る上でシンボル的な場である磐城平城を、地域の『たから』として、未来へ継承し、市民の皆様がふるさとの歴史に関心を持つとともに、その歴史を理解し大切にする意識の醸成を図ることを目的に、磐城平城の歴史的価値を検証し、その内容を取りまとめた報告書」です。
報告書は、いわき市が平成30年から令和3年度にかけて「磐城平城文献等調査会議」を設置し、文献等の調査を実施して同会議での協議・検討を経て、いわき市教育文化事業団が編集した成果です。
調査は、歴史・地図・城郭・埋蔵文化財の各部門で行い、まとめられました。歴史部門では、磐城平城に関わる17点の文献資料を掲載。地図部門では、59点の絵図・地図等を資料化。城郭部門では、磐城平城の縄張りの分析、本丸御殿・櫓・城門について報告。埋蔵文化財部門では、平城の既往の全発掘調査成果を報告しています。
報告書の調査のまとめでは、本質的な価値として、「磐城平城は江戸時代の城郭とその城下町からなる。いわき地方の政治支配の拠点であるだけでなく、地域社会の経済・文化の中心地としてその実態を具体的に示していることが最も重要な価値である」としています。
その上で、令和2年度に実施された(仮称)磐城平城・城跡公園整備事業に伴う発掘調査で本丸御殿跡が発掘され、いわき市が磐城平城の史跡指定に向けた検討を進めており、報告書が「磐城平城を地域の『たから』として、将来世代に引き継いでいくための資料となることを願う」としています。
磐城平城の歴史を学び、理解するための資料として、いわき市は市民の皆さまにご活用を呼びかけています。
●内容は、以下の通りです。
第1章 調査の経緯
1 調査の契機と目的 2 調査の計画と経過
第2章 領主の変遷と主な出来事
1 鳥居氏時代 2 内藤氏時代 3 井上氏時代 4 安藤氏時代
第3章 磐城平城の歴史
1 戦国大名岩城氏の支配と没落 2 本丸御殿の使われ方 3 磐城平城と戊辰戦争
第4章 明治時代以降の磐城平城
1 明治維新における城跡の処分 2 城跡の利活用に向ける視線の行方
第5章 城下町の暮らしと文化財
1 平城下の賑わい 2 紺屋町の賑わい 3 城下町の祭りや行事 4 城下周辺の文化財と旧跡
第6章 磐城平城の絵図と土地利用
1 城絵図の概要 2 城絵図の解説 3 明治時代以降の土地利用
第7章 磐城平城の縄張りと建築
1 縄張りと構造 2 城郭建築
第8章 発掘調査の成果
1 調査の概要 2 調査の成果
第9章 まとめ
史資料編
※下記のいわき市ホームページにPDFデータを掲載しているほか、今後市内図書館で貸出を予定しています。
※販売及び一般配布はしておりません。
下記からPDF版をダウンロードできます。なお、画像等の無断転載は禁止されています。