2019年10月の令和元年東日本台風により甚大な被害を受けた、いわき市平の平窪地区。このほど、その中の中平窪地区の有志が冊子「かすみ草 令和元年東日本台風―未来への教科書―」を発刊しました。
令和元年東日本台風では、記録的な豪雨により、いわき市内の夏井川水系、鮫川水系の各河川が越水・決壊し、平平窪、平赤井、好間町、小川町関場、遠野町滝などで床上・床下浸水が発生、5,000世帯を超える住家が罹災、関連死を含めて14人の尊い命が失われました。道路や橋梁、農業土木施設や林道施設等の損壊、農作物被害など、各方面で甚大な被害が続出し、基幹浄水場である平浄水場の浸水により市内北部の広域断水も発生、一時約45,400戸が断水しました。
今般、被災当時、自ら被災しながらも救援物資等の配布を実施した常勝院岩城寺さんなど中平窪地区の有志が実行委員会をつくり、地域住民の皆さまに情報や写真の提供を呼びかけて、河川の氾濫で被害が拡大した様子や支援活動をまとめ、今後の災害対策に役立てようと『未来への教科書』として、発刊したものです。
写真や地図を交えて、中平窪地区別被害状況、中平窪戸川原の堤防の越水•決壊•陥没箇所、落盤事故のあった日曹赤井炭鉱の殉職された方々の慰霊碑など、A4判14ページに記録しました。
僭越ながら、私も当時、支援に入った一人として、実行委員会さまの求めに応じて、寄稿させていただきました。
実行委員会では、1,500部印刷し、550戸の地元住民や災害ボランティアなどに配布しています。
『かすみ草』発刊によせてーかすみ草実行委員会
令和元年東日本台風から二年四ヶ月。
「中平窪」は甚大な被害であったにもかかわらず、報道等でもほとんど取り上げられなかったため、状況の周知がなされていませんでした。
時が経ち人々の記憶が徐々に失われてしまいそうな今だからこそ、あのとき「中平窪」で何が起こったのか、住民はどういう行動をとったのか、もう一度見つめ直し『未来への教科書』として後世に伝えたいと思い作成いたしました。お蔭様で、やっと自分たちの思いを形にすることが出来ました。 どうぞご覧くださいませ。
* 表紙の写真について
湖のように写っているところは、ふだん田畑が広がるのどかな場所です。
10月13日夕方、2件の住宅から4名の方が自衛隊のヘリと県の防災ヘリによって救出されました。
●冊子を御覧になりたい方は、FBの~かすみ草ページ~にお問い合わせ下さい。