4月5日、東京高裁に意見書提出し集会、東電刑事裁判

　福島原発告訴団と福島原発刑事訴訟支援団から、4月5日の『東京高裁への意見書提出行動＆東京集会～東京高裁は被害者の声を聞け！長期評価の信頼性を認め有罪判決を！』のご案内です。

　昨年11月2日、市民の力で強制起訴された、東京電力旧経営陣の勝俣恒久、武黒一郎、武藤栄の3被告人の東電刑事裁判・控訴審第1回公判が、東京高等裁判所第10刑事部（細田啓介裁判長）で開かれました。

　第1回公判では、検察官役の指定弁護士が、大津波が予見できた根拠となる「長期評価」を否定した一審の判決を「最大かつ基本的な誤り」と指摘。「原子炉の安全についての『社会通念』を誤って捉えている」「事故を避ける方法を、運転停止のみに限定した」「福島第一原発の現場検証をしなかった」など4点を説明しました。

　また、長期評価の策定に関わった濱田信生・元気象庁地震火山部長ら3名の証人尋問の申請と一審の東京地裁では採用されなかった現場検証を求めました。

　しかし、本年2月の第2回公判では、東京高裁は現場検証と新たな証人調べの不採用とし、これに対して、検察官役の指定弁護士は「大きな禍根を残す」と厳しく批判しました。

　一方で、東京高裁・細田裁判長は、指定弁護士が証拠採用を求めた書証のうち、長期評価の信頼性を認めた損害賠償請求の千葉訴訟の東京高裁判決文などは採用しました。東京高裁・細田裁判長は、採用した千葉避難者訴訟の住民勝訴判決から長期評価の信頼性を認めるべきです。

　21年2月、千葉避難者訴訟について東京高裁(第22民事部　白井幸夫裁判長)は、東電と国の責任を認める判決を言い渡しました。この判決の推本の長期評価の信頼性と国の責任に関する判示部分は、刑事裁判の帰趨に大きく影響するものです。判決は、長期評価が法に基づき設置された国の機関である地震本部の地震調査委員会として公表されたものであることを正確に認定しています。このことから「推本の長期評価が、津波対策を基礎づける信頼性を有しているという前提に立ち、一審の誤った無罪判決を破棄し、被告人らに対する有罪判決を下すべきである」と海渡雄一弁護士は指摘しています。

　第3回公判は、6月6日に開かれ、指定弁護士側と弁護側の双方が書証の補充弁論を行い、被害者が心情意見陳述を行い、結審する見込みです。

　私たちは、細田裁判長に対して、証拠採用した千葉避難者訴訟東京高裁判決が認めた長期評価の信頼性と原発事故の過酷な被害の事実認定を読み込み、公正な判断を求めます。

　支援団は弁護団と共に「東京高裁は被害者の声を聞け！長期評価の信頼性を認め有罪判決を！」と、東京高裁に意見書を提出し、集会を開催します。

　2011年3月11日19時3分に、政府が発出した原子力緊急事態宣言は未だ解除されていません。

この裁判をとおして、この国の有り様を問い、命を大切にする社会へ向けて、みなさまと一緒に歩んでいきたいと思います。

　正念場です。ぜひ、当日の参集をお願いいたします。

●4月5日（火）

　12:30〜 東京高裁前で、アピール行動　

　13:00〜 意見書提出

　13:30〜 記者会見　　司法記者クラブ

　14:30〜 院内集会　　参議院議員会館 Bー104 　(14:00　通行証配布開始)　　　　

　　　　　　　　　弁護団より、意見書の説明と質疑応答

　15:30　 閉会

■福島原発刑事訴訟支援団■■

福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1　　080-5739-7279

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