5月15日午後、キャンパスプラザ京都で「脱原発をめざす講演の集い」が福島原発告訴団関西支部と「はんげんぱつ新聞」の共催で開催されました。
「福島原発事故の責任を問う~大詰めの東電刑事裁判~」と題して、日本公害史上最大の事故である、福島第一原発事故の責任を誰一人とっていない現実、事故の真相を究明し刑事責任を問う東電刑事裁判の経過と意義、そして東京高裁での現在の局面と課題について、話させていただきました。
前段に、汚染水の海洋放出をめぐる現状について報告。海洋放出の設備工事の認可について、原子力規制委員会で審査会合が終わる中、東電の一方的な準備工事が強行されていること。そもそもの政府決定が漁業者との約束を破って、廃炉のために復興を犠牲にする欺瞞、しかし漁業者はじめ反対は根強く、認可をするな!工事中止を!と呼びかけました。
福島原発事故の責任を問う東電刑事裁判は、現在、福島原発刑事訴訟支援団による緊急署名「一審判決を破棄し公正な判決を求める」が行われており、2021年11月から始まった、東京高裁での控訴審で検察官役の指定弁護士が証人調べや現場検証を申請したのに対し、東京高裁・細田啓介裁判長がこれを棄却。6月6日の第3回公判で結審するとされているため、6月中には民事の損害賠償訴訟で国の国家賠償責任について最高裁の判断が出され、7月13日に東電株主代表訴訟の東京地裁判決があることから、審理を尽くし公正な判断をと、5月11日には、審理継続の上申書が被害者参加代理人弁護士から提出されたことなど、緊迫した状況を報告致しました。
休憩を挟んで、「はんげんぱつ新聞」編集長の交代・引き継ぎのセレモニーがあり、30年以上編集長を続けられた西尾漠さんから新編集長末田一秀さんにバトンタッチ、それぞれがご挨拶されました。 その後、新編集長に就任した末田一秀さんが、関電の黒いヤミ献金のカラクリも含め「行き詰る原子力政策」と題して講演しました。
会場には、わざわざ大阪から会場まで署名用紙を何枚も届くれた方も何人かおりました。ありがたい限りです。参加者の皆さん、主催者の福島原発告訴団関西支部と「はんげんぱつ新聞」のご協力に感謝し、京都、大阪はじめ関西の心あるみなさまの引き続きのご支援をお願い致します。