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海洋放出の準備工事をやめよ!東電交渉

 5月12日午後、いわき市で、脱原発福島ネットワークなどによる再開第66回東電交渉が開かれました。
 冒頭、3月16日に提出した「理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書」への回答書(下記に内容掲載)が東京電力より手交されました。
 今回は、これに対する質疑の前に、「21.8.25東電文書『検討状況』、海洋放出計画について再質問への回答」「21.11.17ALPS処理水の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)の説明と『軽微な影響』の根拠について」「これまでの質問事項の回答」など、東電の説明を聞いて、質疑を行いました。
 「理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書」への回答書と、これ以前の回答に対する質疑のやりとりの概要は、以下の通りです。


1、理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書への東京電力の回答(2022年5月12日付)

① 海洋放出設備工事の6月着工について、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」とする文書約束を守り、理解と合意のない汚染水海洋放出の設備工事の着工は中止すること。
[回答]
 当社としては、2015年の漁業関係者の皆さまとの約束を遵守するとの方針に変わりはありません。
 今後も引き続き、漁業関係者を含む関係者の皆さまに、処理水の海洋放出に係るご説明を尽くし、ご意見を賜りながら、安全確保を大前提とした処理水の海洋放出に向けて、(新たな風評を最大限抑止すべく)より良い設備や運営方法を目指していきます。
 なお、当社は、2021年4月に決定した政府の基本方針を踏まえ、2021年8月に安全確保に向けた設備設計や運用等の状況を示すとともに、関係する皆さまのご意見をお伺いする取組を重ねてきました。その後、必要な基本設計が具体的にまとまってきたことから、2021年12月、実施計画の変更許可について原子力規制委員会に申請し、現在はその審査をいただいているところです。

② 放出水の情報公開について、トリチウムと放射性炭素のほか放出する全ての放射性核種と毒性化学物質を測定し、種類、濃度、総量、期間など放出水の全ての情報公開を行うこと。
[回答]
 分析結果がまとまり次第、正確かつタイムリーに処理水ポータルサイト等のホームページに公表を予定しています。詳細については今後検討してまいります。

③希釈放出設備等の健全性、安全性について、地震・津波など自然現象や誤操作による設備の損傷や機能喪失で汚染水の環境放出や漏洩が起きた場合の安全対策を明らかにすること。
[回答]
 当該設備は、2021年9月8日の原子力規制委員会で示された耐震設計の考え方を踏まえ、その安全機能が喪失した場合における公衆への放射線影響を評価した結果、その実効線量は1μSv未満であることから、耐震Cクラスと位置付けられています。そのため、地震の規模野心度によっては損傷を免れないと考えていますが、その場合においても、放出を速やかに停止させる他、タンク出口での電動弁を閉止させる運用を計画しています。
 (更にタンク出口電動弁には電源遮断等で自動閉する弁を採用)
 また、設備全体の運転停止期間を最小限に留めるべく、早期に復旧できるように設計を行なっています。
 不具合の発生時における設備の設計の妥当性評価を実施しており、それぞれの起因事象に対して、機器の単一故障等を想定しても意図しないALPS処理水の放出はごく微量と評価しています。

④海洋処分の説明会の開催について、県民・市民を対象に処分に関する説明会を開催すること。
[回答]
 2020年2月に「多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会」で取りまとめられた報告書を受け、2020年3月に「検討素案」を公表以降、これまで福島県の皆さまへ、訪問、福島第一原子力発電所の視察を兼ねた座談会、県民会議*など様々な機会をとらえてご説明し、ご意見、ご要望等を伺ってきたところです。
 今後も引き続き、あらゆる機会を通じて、地元の皆さまはじめ、関係者の皆さま、広く社会の皆さまへ当社の方針や取組等をしっかりと説明してまいります。
 *福島県原子力発電所の廃炉に関する安全確保県民会議

汚染水対策について、地下水の止水、トリチウム分離技術の実用化、大型タンク長期保管案やモルタル固化保管案等の検討など、汚染水についての抜本対策を早急に確立すること。
[回答]
 汚染源を「取り除く」、汚染源に水を「近づけない」、汚染源を「漏らさない」の3つの基本方針に沿って、地下水を安定的に制御するための、重層的な汚染水対策を進めています。
 ○地下水の止水
  長期的な汚染水対策につきましては、各種ご意見を参考に検討しております。
  なお、現在、建屋の配管等の貫通部周辺への止水対策を検討しております。
 トリチウム分離技術の実用化
  ALPS処理水に対して実用化のレベルに達しているトリチウムの分離技術は、現時点においては確認されていません。トリチウム分離技術の実用化の可能性について、幅広い調査の実施や提案を受付け、第三者を交えた新たなスキームにより、現実的に実用可能な技術が確認できた場合には、積極的に検証を進め、取り入れていきます。
 大型タンク長期保管案
  タンクに長期間保管し続けることは、リスクの増加につながるものと考えております。2019年8月のALPS小委員会においてお示ししている通り、大容量タンク等の活用について検討致しましたが、大容量タンク等の活用には、敷地利用効率が現在設置しているタンクと変わらない一方で、設置期間が長期化することや、地中や洋上に設置するものについては漏洩した場合の検知や回収が困難といった課題があります。現状の溶接タンクは限られた敷地面積や敷地形状に対して、ハチの巣状にタンクを配置するなど、工夫した上で、タンクを建設しております。
 モルタル固化保管案
  2020年2月10日に取りまとめられた小委員会報告書において、タンク保管の継続については「敷地の中で行っていくほかない」、「現行計画以上のタンク増設の余地は限定的」、処分方法については「地層注入、水素放出、地下埋設については、規制的、技術的、時間的な観点から現実的な選択肢としては課題が多く、技術的には、実績のアルス蒸気放出及び海洋放出が現実的な選択肢」と整理されています。
以上

2、21.8.25東電文書「検討状況」についての再質問と回答
 
①測定・確認用設備について
 質問ー各核種の総放出量は?
 回答: 建屋内に存在するトリチウム量がどの程度か、今後、ALPS処理水にどの程度移行するか評価できないため、放出するトリチウムの総量について一概に回答することはできかねます。
 質問ー他の核種の総放出量は?
 回答:その都度、サンプルタンクで攪拌循環して測定し、公開する。公表64核種。
 質問ー他の主な核種を示すべきではないか?
 回答:4月28日の原子力規制委員会への補正書で7核種は公表。

②取水放出設備について
 質問ー海底トンネルの放出口工事、ケーソンを降ろして工事をどうするか?
 回答:3月10日規制委員会審査会合の資料提示し説明。
 質問ー事前工事に不信を感じる
 東電:国の方針重く受け止め計画通り準備している。
 質問ー 海底ボーリング調査は土木学会の技術指針で200mごとでは?
 東電:土木学会の指針は、都市土木工事での埋設物が非常に多く、支障物が多いトンネル工事を背景に一般的にはということで記載されたものであり、今回のような均質な地層が連続する場合や支障物がない場合はその限りではない。

③海域モニタリングについて
 質問ー常磐もののホッキ貝など貝類は調査対象に増やすべきだ?
 回答:これまで魚類と海藻類のモニタリングを行なっていることから、それらを対象にトリチウムなどの分析を追加。なお、IAEA文献によれば、魚と貝類のトリチウム濃度係数は1で変化なし。

④海洋生物の飼育試験、脳神経など生物学的試験?
 質問ー第3者機関に試験をしてもらうべき。
 東電:今回の試験は科学的に何かを実証する試験とはとらえていない。当社は試験を通じて、これまでの科学的知見に照らしてその状況を視覚的にわかりやすく、透明性高く発信していく。そのために第3者機関の協力環境を高める。

3、21.11.17ALPS処理水の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)の説明と「軽微な影響」の根拠についての再質問と回答

ICRPの係数について
 質問ー国際基準に基づき評価というが、ICRPの係数はトリチウムで千分の一ほど低いのでは?
 東電: IAEA、ICRPでは世界中で公表された複数の放射線障害論文を精査し、信頼性の高いデータから勧告を取りまとめており、非常に信頼性が高いものと判断している。
 
②海洋拡散シュミレーションについて
 質問ー海洋拡散のシュミレーション結果は、何年間放出したものか?
 東電:2014〜2020年、それぞれの1年、気象、海洋データでIC評価、大きな変化生じない。
 質問ー低濃度の再現データに問題があるのではないか?
 東電:指摘の通り濃度が低い領域では、実測値がシュミレーション濃度より高いが、この領域では環境中のトリチウム濃度より数桁低い。本調査では、影響は与えない。
 質問ー海洋拡散のシュミレーションの問題点ー脱原発情報No244の2〜4頁についてコメントを?
 東電:次回、回答

③トリチウム以外の放出核種の生物濃縮について
 質問ートリチウム以外の放出核種の生物濃縮の評価は?
 東電:生物濃縮に限らず、環境中のあらゆる濃縮し切った状況を仮定して保守的に評価している。
 質問ー放出する主核種の測定調査は?
 東電:64核種以外の核種は、有意に含まれているとは考えていないが、再確認している。秋を目標にやっている。

4、これまで質問事項への回答

①ヒックの耐用年数は?
 東電:ヒックが万一落下した場合、ベータ線の積算吸収量5千kgrayを超えたヒックについては、新ヒックに内容物を移し替えている。ベータ線の積算吸収量5千kgrayは、万一落下した場合、構造健全が確認されており、保管施設に静置している場合が、通常運搬で健全性を失うものではない。

②ヒック、遠隔作業で人の作業はないのか?
 東電:1時間あたり7msv被曝。

③ロボットの回収機の汚染状況、12機の総額は?
 東電:養生して構内保管。最終的には今後検討。契約金額はIRID。

④スラリーの化学的性状、含有核種
 東電:炭酸塩沈殿物ー炭酸カルシウムと水酸化マグネシウム、ストロンチウム
   鉄強沈殿物ー水酸化鉄、マンガン54、コバルト60、アルファ核種。

*次回、7月14日(木)。

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by kazu1206k | 2022-05-18 22:44 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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