人気ブログランキング | 話題のタグを見る

事前工事の強行に抗議、県民説明会の開催を!東電交渉

 7月14日午後、いわき市で、脱原発福島ネットワークなどによる再開第67回東電交渉が開かれました。
 今回は、3月16日に提出した「理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書」への東京電力の回答に対する質疑が行われました。
 また、「21.12.21ALPS処理水希釈放出設備の全体概要」の海洋放出拡散シミュレーションについて、その他について、質疑を行いました。
 「理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書」への回答などへの質疑のやりとりの概要は、以下の通りです。


1、理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書への東京電力の回答(2022年5月12日付)とそれに対する質疑

① 海洋放出設備工事の6月着工について、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」とする文書約束を守り、理解と合意のない汚染水海洋放出の設備工事の着工は中止すること。
[回答]
 当社としては、2015年の漁業関係者の皆さまとの約束を遵守するとの方針に変わりはありません。
 今後も引き続き、漁業関係者を含む関係者の皆さまに、処理水の海洋放出に係るご説明を尽くし、ご意見を賜りながら、安全確保を大前提とした処理水の海洋放出に向けて、(新たな風評を最大限抑止すべく)より良い設備や運営方法を目指していきます。
 なお、当社は、2021年4月に決定した政府の基本方針を踏まえ、2021年8月に安全確保に向けた設備設計や運用等の状況を示すとともに、関係する皆さまのご意見をお伺いする取組を重ねてきました。その後、必要な基本設計が具体的にまとまってきたことから、2021年12月、実施計画の変更許可について原子力規制委員会に申請し、現在はその審査をいただいているところです。
[質疑]
*規制委員会による工事認可を得ないにもかかわらず、許可のいらない工事として、放出設備工事として一体である、放水立坑や放水口の事前工事を強行していることに市民は怒っており、あらためて抗議しました!
 質問ー関係者の理解とは何か?
 回答: さまざまな人がいるので、一概に申し上げられないが、不安や懸念を解消していくこと。
 質問ー漁業者は理解しているのか?
 回答:反対という言葉をもらっている。工事は認可はないが、環境整備をしている。

② 放出水の情報公開について、トリチウムと放射性炭素のほか放出する全ての放射性核種と毒性化学物質を測定し、種類、濃度、総量、期間など放出水の全ての情報公開を行うこと。
[回答]
 分析結果がまとまり次第、正確かつタイムリーに処理水ポータルサイト等のホームページに公表を予定しています。詳細については今後検討してまいります。
[質疑]
 質問ー分析結果はいつまとまるのか?
 回答:K4タンク群で測定する。いつとは言えない。現時点では準備できていない。
 質問ー詳細の検討状況は?
 回答:今後なので、現状ではない。
 質問ー化学物質は?
 回答:A7〜8タンク群の測定結果は公表している。
 質問ー62回交渉で、2次処理性能確認試験に基づき説明しているが、40ℓのサンプルでいいのか、根拠の説明が必要では?
 回答:40ℓで代表させて考えた。2次処理で告示濃度比1以下になることを考えた。

③希釈放出設備等の健全性、安全性について、地震・津波など自然現象や誤操作による設備の損傷や機能喪失で汚染水の環境放出や漏洩が起きた場合の安全対策を明らかにすること。
[回答]
 当該設備は、2021年9月8日の原子力規制委員会で示された耐震設計の考え方を踏まえ、その安全機能が喪失した場合における公衆への放射線影響を評価した結果、その実効線量は1μSv未満であることから、耐震Cクラスと位置付けられています。そのため、地震の規模野心度によっては損傷を免れないと考えていますが、その場合においても、放出を速やかに停止させる他、タンク出口での電動弁を閉止させる運用を計画しています。
 (更にタンク出口電動弁には電源遮断等で自動閉する弁を採用)
 また、設備全体の運転停止期間を最小限に留めるべく、早期に復旧できるように設計を行なっています。
 不具合の発生時における設備の設計の妥当性評価を実施しており、それぞれの起因事象に対して、機器の単一故障等を想定しても意図しないALPS処理水の放出はごく微量と評価しています。
[質疑]
 質問ー希釈設備の損傷対策、地震動で自動停止する、放出の速やかな停止、電源遮断で自動閉か?
 回答:確認して次回回答。
 質問ー配管のポリエチレン管、炭素鋼、SUSなどの経年劣化対策は?
 回答:確認して次回回答。

④海洋処分の説明会の開催について、県民・市民を対象に処分に関する説明会を開催すること。
[回答]
 2020年2月に「多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会」で取りまとめられた報告書を受け、2020年3月に「検討素案」を公表以降、これまで福島県の皆さまへ、訪問、福島第一原子力発電所の視察を兼ねた座談会、県民会議*など様々な機会をとらえてご説明し、ご意見、ご要望等を伺ってきたところです。
 今後も引き続き、あらゆる機会を通じて、地元の皆さまはじめ、関係者の皆さま、広く社会の皆さまへ当社の方針や取組等をしっかりと説明してまいります。
 *福島県原子力発電所の廃炉に関する安全確保県民会議
[質疑]
 質問ー「あらゆる機会」というが、本当の声を聞いているのか、言っている事がしらじらしい、信頼度ゼロだ。あらためて説明会を開催するよう求める、上部と相談して再回答を求める。
 回答:次回回答。

汚染水対策について、地下水の止水、トリチウム分離技術の実用化、大型タンク長期保管案やモルタル固化保管案等の検討など、汚染水についての抜本対策を早急に確立すること。
[回答]
 汚染源を「取り除く」、汚染源に水を「近づけない」、汚染源を「漏らさない」の3つの基本方針に沿って、地下水を安定的に制御するための、重層的な汚染水対策を進めています。
 ○地下水の止水
  長期的な汚染水対策につきましては、各種ご意見を参考に検討しております。
  なお、現在、建屋の配管等の貫通部周辺への止水対策を検討しております。
 トリチウム分離技術の実用化
  ALPS処理水に対して実用化のレベルに達しているトリチウムの分離技術は、現時点においては確認されていません。トリチウム分離技術の実用化の可能性について、幅広い調査の実施や提案を受付け、第三者を交えた新たなスキームにより、現実的に実用可能な技術が確認できた場合には、積極的に検証を進め、取り入れていきます。
 大型タンク長期保管案
  タンクに長期間保管し続けることは、リスクの増加につながるものと考えております。2019年8月のALPS小委員会においてお示ししている通り、大容量タンク等の活用について検討致しましたが、大容量タンク等の活用には、敷地利用効率が現在設置しているタンクと変わらない一方で、設置期間が長期化することや、地中や洋上に設置するものについては漏洩した場合の検知や回収が困難といった課題があります。現状の溶接タンクは限られた敷地面積や敷地形状に対して、ハチの巣状にタンクを配置するなど、工夫した上で、タンクを建設しております。
 モルタル固化保管案
  2020年2月10日に取りまとめられた小委員会報告書において、タンク保管の継続については「敷地の中で行っていくほかない」、「現行計画以上のタンク増設の余地は限定的」、処分方法については「地層注入、水素放出、地下埋設については、規制的、技術的、時間的な観点から現実的な選択肢としては課題が多く、技術的には、実績のアルス蒸気放出及び海洋放出が現実的な選択肢」と整理されています。
[質疑]
 質問ー地下水の止水、検討状況は?
 回答:建屋周辺の貫通部周辺の止水対策を検討している。3号機タービン建屋海側など。
 質問ートリチウム年間22兆ベクレルという放出量は、ALPS処理水のみか、サブドレンやその他の放出量を含めているのか
 回答:次回回答。
 質問ートリチウム分離技術の実用化、検討状況はどこまで行っているのか
 回答:第3次募集まで行った。2次評価まで行ったものは、第1回公募で11件、第2回公募で2件の13件。これについて、フィジリティスタディ、検証に入っている。
 質問ーお金を使って技術を確立する姿勢はあるのか
 回答:現時点で実用化するものがないので。
 質問ーどのような条件なら実用化できるのか
 回答:処理前、処理後の必要条件は示している。

2、「21.12.21ALPS処理水希釈放出設備の全体概要」の海洋放出拡散シミュレーションについて

・本当に原発周辺2〜3km、南・北・東30kmにとどまるのか。日本近海の重要な4海流の現実を無視した暴論ー脱原発情報No244の2〜4頁についてコメントを?
[回答]
 ご指摘の通り、福島沖の海流は南の黒潮と北の親潮が交わるため、流れが非常に複雑、2〜3日おきに南北流の向きが一変している。今回示している図は、1年間の平均値を示しているもの。これを日毎の分布でみると、日毎の濃度分布はかなり変化します。その様子は、当社HPで動画を公開しているのでご覧ください。
[質疑]
 質問ー原発周辺2〜3km範囲にとどまるというのはおかしい。
 回答:濃度の範囲はとどまる。
 質問ー海流の条件を無視したシミュレーションではないか。生物濃縮は年々増えていくのではないか。
 回答:

3、その他

・これまで質問事項への未回答ほか
 質問ークロスフィルターの白濁、その後どうなっているのか
 回答:次回回答。
 質問ー東電社員アンケートで3分の1が「やりがいを感じない」と回答したことへのコメントは
 回答:次回回答。
 質問ー「トリチウム汚染水は何をもたらすのか」、ティム・ディアー=ジョーンズ論文へのコメントは
 回答:次回回答。
 質問ー1F1圧力容器ぺデスタル、水位低の状況説明を
 回答:次回回答。

 *次回:9月21日(水)13時

以上

事前工事の強行に抗議、県民説明会の開催を!東電交渉_e0068696_17261390.jpg
















by kazu1206k | 2022-07-14 22:41 | 脱原発 | Comments(0)