海の日アクション2022 汚染水を海に流すな！海といのちを守るパレード

　7月18日午後、真夏日。海の日アクション2022は、いわき市小名浜港のアクアマリンパークで、福島県内外の100名を超す市民が、汚染水を海に流すな！海といのちを守ろう！と声をあげ、パレードを行いました。

　午後13時20分、いわき雑魚塾のフォークがアクアマリパークに響き、織田千代さんの主催者挨拶を挟んで、子どもたちも参加したフラダンス教室ハーラウ・ラウラーナニのフラが海を想うアトラクションを行う。

　漁業者の思いを、小名浜機船底曳網漁業協同組合専務の柳井孝之さんが「そもそも、われわれは『関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない』という確約をもらっており、しかも文書でもらっているんです。それなのに政府が処理水の海洋放出決定を発表するのはあまりにも無謀。」「東電、国に対しては不信感を拭いされない」「そもそも、処理水、大丈夫なのか。『他の原発でもトリチウムを流している』と言うが、他の原発は正常に動いており、ほぼトリチウムだけ。なかには取れない放射性物質もあります」「海に流すというのは受け入れがたいし、消費者にとってもそこの海産物は足踏みしてしまう人もいる。福島産の水産物の流通がどうなるのか。非常に懸念している。仲買業者も減ってきている、商売をやっていかれるのか。福島の水産物は震災前の水揚げと比べると、2割弱くらい。商売としてやっていかれる状況にない。取り扱う業者も減った中で、水揚げを増やしたときに買ってもらえるのか。風評が必ず起こると言われる中で、将来の漁業が成り立つのか。立地自治体の方々全てが賛成の意見なのか非常に疑問。原発の問題に関しては多くの意見を聴きながら物事を決めるべきだ。まだまだ考える余地がある。結論を出すのは早い。国と東電は再検討すべき」と、福島の漁業の現状の厳しさを訴え、ALPS処理水の海洋放出決定は暴挙であり、受け入れられないと喝破しました。

　いわき市久之浜で被災し天理市に避難した彫刻家の安藤栄作さんは、「被爆したのは、大地や森ばかりか、俺たちの心も被曝した。そこの意識が抜け落ちていて、国も東電も分かっていない。除染して数値が下がったのだから住めるだろう、帰ってこいと言うが、そうではない。被曝したのは心や意識が被曝した。そこが解決しないとずっとこのまま続く。僕らが解決して欲しいのは意識、心のほう。その解決を国も東電も取り組んで欲しい。そこが抜け落ちたまま数値だけ見せて全部解決したみたいなマジックを言うな。放射能汚染水の海洋放出投棄をそういうところで見ている。原発事故の特異性だ。一緒に声をあげよう」と、自分達は原発事故により心を被曝させられたとし汚染水を海洋投棄してはならないと思いを述べました。

　市民のリレートークは、会津から片岡輝美さん、三春から武藤類子さん　南相馬から佐藤智子さんと桜井勝延元市長、いわきから鈴木薫さん、県外から片山薫小金井市議、満田夏花FoEジャパン事務局長がそれそれスピーチ。

　「いきとしいけるもの全てが、汚染水の海洋放出に反対していると思う。臆することなく、私たちがひるまなければ、止めることができる。反対を続けていきましょう！」と佐藤和良が 閉会挨拶して、パレードに出発。

　バナー横断幕や大漁旗を先頭に、思い思いのプラカードや三線などの鳴り物入りで、いわきララミュウからイオンモール前を経て、アクアマリンまでの楽しいパレードを行いました。「汚染水を流すな！」「漁業を守れ！」「海を汚すな！」「こどもを守れ！」「原発いらない！」「未来を守れ！」のコールに沿道の人が手を振って応えていました。

　アクションには、自治体議員で作る福島原発震災情報連絡センターの、新潟、佐倉、小金井などの議員や、県内の自治体議員も参加して超党派の交流が行われていました。

　海の日アクション2022は、汚染水を海に流すな！海といのちを守ろう！という波紋の広がりを感じさせる場となりました。参加した人も、心を寄せる多くの人も、さらに大きく、全国津々浦々へ、全世界へと繋がっていきます。