曇天の7月19日。いわき放射能市民測定室たらちねの海洋調査に同行しました。
調査は、第一原発の沖合1.5km地点の4ヶ所で、トリチウム測定用に表層の海水を採取するもの。
この日、チャータした長栄丸は、双葉郡富岡町仏浜の富岡港を午前10時に出航して、福島第一原発の沖合1.5Km地点の4カ所のサンプリング地点で、測定のための試料を採取し、午前11時には帰港しました。今回は表層水のみで所要時間約1時間ほどでしたが、通常は魚や深層水などの試料採取も行うため3〜4時間の所要時間とのことです。
天候は、途中から小雨が降ったものの、海は、波も穏やかでした。
サンプリング地点では、たらちねの3名のスタッフの皆さんが、機敏に行動し、海水採取用布バケツを使って、手際よく試料を採取して、2Lペットボトルに移し替えていました。船長との息もぴったりで4地点を移動し、作業が進行していきました。
海上では、船長のはからいで、富岡町の小良ケ浜灯台近くの、廃港になった旧小良ケ浜漁港跡も、海上から見せて頂きました。陸上から見たあの「日本一小さな漁港」、旧小良ケ浜漁港を想い起こし、なつかしい限りでした。
第一原発の沖合1.5kmの海上からは、汚染水海洋放出設備の事前工事が終わったとされる、第一原発5・6号機前の放出立坑のあたりや沖合1Kmの放出地点あたりに赤い標識ブイも見ることができました。
たらちねの海洋調査は、政府と東電がトリチウムをはじめとする放出水の放射性核種の内容を明らかにしない中で、放出前の状況をデータとして記録し残す貴重な仕事です。
今、多くの人が、政府と東電による汚染水の海洋放出強行の企てに憤り、汚染水の海洋放出を止めるために、つながりつつあります。
たらちねの海洋調査に多くの人が、調査への同行などで協力していただければ思うところしきりでした。たらちねでは、魚の組織結合型トリチウムの測定をする、液体シンチレーション測定器を購入するためのご寄付を募っています。
***たらちねへのご寄付・インターネットから***
●7月19日のたらちね海洋調査の内容
・第一原発沖1.5km地点(A地点、B地点、C地点、D地点=下図参照)4ヶ所で、海水を採取する。
1. 海水採取・表層の海水(トリチウム測定用)を採取する。 水質チェッカー計で、水質調査を行う。4地点を同じく採取するので、合計8Lの採取となる。
・採取地点のGPSについては、船長に確認し記録をとる。
A:第一原発/1.5km沖・南陸近く A地点の表層 トリチウム用=2L
B:第一原発/1.5km沖・東陸近く B地点の表層 トリチウム用=2L
C:第一原発/1.5km沖・北陸近く C地点の表層 トリチウム用=2L
D:第一原発/1.5km沖・北陸近く D地点の表層 トリチウム用=2L