9月21日午後、いわき市平で、脱原発福島ネットワークなどが東京電力との「再開第68回東電交渉」を行いました。
今回の内容は、
1、理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書への東京電力の回答(2022年5月12日付)とそれに対する再質疑への回答と質疑
2、「21.12.21ALPS処理水希釈放出設備の全体概要」の海洋放出拡散シミュレーションについて再質疑への回答と質疑
3、その他 ・これまで質問事項への未回答事項他への回答と質疑
以下に、やりとりの概要を紹介します。
■ 内容:
1、理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書への東京電力の回答(2022年5月12日付)とそれに対する再質疑への回答
③希釈放出設備等の健全性、安全性について、地震・津波など自然現象や誤操作による設備の損傷や機能喪失で汚染水の環境放出や漏洩が起きた場合の安全対策を明らかにすること。
○質問ー希釈設備の損傷対策、地震動で自動停止する、放出の速やかな停止、電源遮断で自動閉か?
◆回答: 緊急遮断弁は、人の手を介すことなく『閉』とする機能。海抜11.5mに弁1があり電動で10秒、海抜2.5mに弁2がありAO。震度5弱以上の地震は手動停止。
○質問ー配管のポリエチレン管、炭素鋼、SUSなどの経年劣化対策は?
◆回答: 耐震クラス分類はCクラスに沿った設計。処理水移送配管は、SUS316。海水移送配管は炭素鋼、もしくはSUS329J49。非金属材料は耐食性を有するポリエチレン(合成ゴム)を採用。点検長期計画を作成し、点検計画に基づき、点検を実施していく。
○質問ー点検長期計画はいつ作成するのか。
◆回答:当社が作成して規制委員会に点検結果を報告する。使用前検査で合格した後、長期計画をつくる。詳細は、次回回答。
④海洋処分の説明会の開催について、県民・市民を対象に処分に関する説明会を開催すること。
○質問ー「あらゆる機会」というが、本当の声を聞いているのか、言っている事がしらじらしい、信頼度ゼロだ。あらためて説明会を開催するよう求める、上部と相談して再回答を求める。
◆回答: 当社は、政府の基本方針を踏まえた対応。ALPS処理水の性状、トリチウムについて、工事の進捗、海域モニタリング、海洋生物の飼育状況などを、新聞広告、特設サイトなど様々なチャネルを通じて広く国内外に情報発信を進め、ALPS処理水を含む廃炉、汚染水、処理水対策について、多くの方に理解を深めていただくよう努めていく。
○質問ー一方向で県民市民の声を聞かないのか。双方向で話す場が必要では。改めて回答を求める。
◆回答: 次回回答。
⑤汚染水対策について、地下水の止水、トリチウム分離技術の実用化、大型タンク長期保管案やモルタル固化保管案等の検討など、汚染水についての抜本対策を早急に確立すること。
○質問ートリチウム年間22兆ベクレルという放出量は、ALPS処理水のみか、サブドレンやその他の放出量を含めているのか?
◆回答:年間22兆ベクレルの放出限度は、処理水だけでなく、サブドレン、地下水バイパスも含み、そのトリチウム放出量は年間0.2兆ベクレル。
○質問ー実際の放出量は、公表されるのか。すべての核種の放出量と総量管理が必要だ。資料の公開は?
◆回答:K4タンクの情報公開はする。放出計画を立てる。その際に公表する。
○質問ー放出計画は、いつ策定されるのか?
◆回答:放出までにつくる。毎年度実績を確認して、次年度へ見直していく。
○質問ー海洋生物の飼育は、生物学者など入っているのか?
◆回答:入っていない。
○質問ー最近発生したのものから流すというのは、立地町長に説明しているのか?
◆回答:わからないが、添付資料の中には入っている。
2、「21.12.21ALPS処理水希釈放出設備の全体概要」の海洋放出拡散シミュレーションについて
・本当に原発周辺2〜3km、南・北・東30kmにとどまるのか。日本近海の重要な4海流の現実を無視した暴論。
○質問ー海流の条件を無視したシミュレーションではないか?
◆回答: トリチウムは連続放出していることから、放出直後、この時1ベクレル/m3。発電所近傍の2〜3kmを説明したもの。トリチウムは福島沖にとどまらず、拡散によりより遠くまで行く。シミュレーションの計算領域境界まで到達する。
○質問ー生物濃縮は年々増えていくのではないか?
◆回答: 当社は国際基準や国際慣行を遵守する観点から、複数論文や最新知見によるIAEA、ICRP勧告に基づきトリチウムの濃度計数は1と評価。生物蓄積等されるという主張は、国際基準に反映されていないと認識している。
3、その他
・これまで質問事項への未回答ほか
○質問ークロスフィルターの白濁、その後どうなっているのか?
◆回答: 5月26日付「クロスフローフィルター不具合事象の調査結果について」
○質問ー再回答求める。
○質問ー東電社員アンケートで3分の1が「やりがいを感じない」と回答したことへのコメントは?
◆回答: 個々の回答者の状況によるもの。一概には言えない。
○質問ー東電社員、年間何人辞めたか?
◆回答: 次回回答。
○質問ー第102回特定原子力施設監視・評価検討会でスラリー、HIC、被曝管理など問題視、果たして2次処理できるのか?
◆回答: 次回回答。
○質問ー「トリチウム汚染水は何をもたらすのか」、ティム・ディアー=ジョーンズ論文へのコメントは?
○質問ー1F1圧力容器ぺデスタル等の状況説明を?
◆回答: 現状、倒壊する可能性はない。調査は継続する。
○質問ー440ガル、震度6以上でも倒壊しないという根拠は?
◆回答: 次回回答。
以上