福島第一原発事故の刑事責任を問う唯一の裁判、福島原発刑事訴訟の控訴審は、去る6月6日に結審し、判決言い渡しが来年1月18日に指定されましたが、福島刑事訴訟支援団は「一審判決を破棄し公正な判決を求める署名」運動を進め、弁護団ともに、結審後も、弁論の再開をめざして、粘り強い闘いを続けています。
7月13日、東電株主代表訴訟において、東京地裁民事8部(朝倉佳秀裁判長)は、被告勝俣、清水、武黒及び武藤に対して、連帯して13兆3,210億円の損害賠償の支払いを命ずる判決を下しました。原発過酷事故の危険性がゆえに万が一にも事故を起こさないようにしなければならないと。刑事裁判と同じ証拠に基づいて、その責任を認めたのです。
東電株主代表訴訟の地裁判決は、東電刑事裁判の東京地裁永淵裁判長の不当な無罪判決を覆すものです。東京高裁は、弁論を再開して審理を尽くす必要があります。
判決を受けて、弁護団は被害者参加代理人として、7月28日、東京高裁刑事10部に対し、東電株主代表訴訟の画期的判決を証拠採用して証拠調べを行い、審議を尽くしてほしいと「続行期日の指定を求める」上申書を、署名を添えて提出し、弁論の再開を求めました。
福島刑事訴訟支援団は、弁護団と共に、一審判決の破棄をめざし、東京高裁での弁論再開を強く求め、9月20日、「月いち ランチタイム・スタンディング」を東京高裁前でスタートさせ、12月まで毎月1回、東京高裁前でのアクションを続けています。
さらに、10月7日、弁護団は被害者参加代理人として、「年内に弁論再開を求める」上申書を提出しました。これは、東電株主代表訴訟の判決書のほか、株主代表訴訟で証言された証人の尋問調書や、被告の尋問調書、裁判官らが福島第一原発を視察した現地進行協議の報告書(原告代理人作成)などの証拠を詳細に検討して証拠採用し、本年中に弁論を再開して、指定弁護士による詳細な要旨告知、弁論を実施することを求めた上申書です。
また、検察官役の指定弁護士も、弁論再開の申立てについて、東電株主代表訴訟の判決を添付した事実取り調べ請求書を提出したといいます。
何としても、来年1月18日の判決前に、年内の弁論再開を勝ち取りましょう!
11月20日(日)には、「東京高裁は弁論再開を!1審判決破棄!公正判決を求める集会」を東京都内の研究社英語センタービルで開催します。どうか、多数の皆さんの参加をお願いいたします。
高裁は弁論再開を!一審判決を破棄し、公正な判決を求める集会
日時 11月20日(日曜日) 13:00~15:00
場所 研究社英語センタービルの大会議室
東京都新宿区神楽坂1丁目2 JR・地下鉄「飯田橋駅」西口から徒歩4分
プログラム
13:00 開会 団長あいさつ
弁護団あいさつ
弁護士トーク 海渡&大河
13:50 リレーメッセージ
東電株主代表訴訟:木村結さん
新潟避難者訴訟:大賀あや子さん
生業訴訟:馬奈木厳太郎さん
子ども脱ひばく裁判:水戸喜世子さん
東海第二原発差止訴訟:大石光伸さん
14:40 ビデオメッセージ
311子ども甲状腺がん裁判原告団
ノーマ・フィールドさん
宮本ゆきさん
ボアグリオ治子さん
山内尚子さん
閉会のあいさつ
15:00 閉会