令和4年11月22日
いわき市長 内田 広之 様
いわき市議会創世会
会長 佐藤 和良
市長はじめ市当局におかれましては、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故から11年経過及び3年前の令和元年東日本台風等の被害からの災害復旧・復興及び新型コロナウイルス感染症対策など、これまで経験したことのない災害に対応するなど、皆様のご奮闘に対し心より敬意と感謝を申し上げます。
さて、いわき市においては、少子高齢化に伴う人口減少の解決が大きな課題となっています。また、ウクライナ侵攻や円高等による燃料費及び物価高の一方で賃金は上がらず、市民及び中小零細事業者は苦境にさらされています。一刻も早い各種支援等の充実を図ることが喫緊の課題となっています。
私たち創世会は、市民の皆様をはじめ各種団体等からの要望を受け、令和5年度予算編成にあたり重点項目を取りまとめました。
つきまして、内田市長をはじめ各執行部におかれましては、私たち創世会の要望書に対して深いご理解を頂き、令和5年度予算編成に反映していただきますよう要望いたします。
1 新型コロナ感染症対策について
(1)新型コロナワクチン接種費用の無料化を継続すること。
(2)保健師など保健所職員の拡充を図ること。
(3)市内経済の活性化のために中小零細企業への支援の体制を強化すること。
(4)新型コロナ感染拡大時において、小中学校の児童生徒の感染拡大防止に向けた消毒作業やトイレ清掃などの作業については専門業者に委託すること。
(5)高齢者施設においてコロナ感染した場合、1人最大で30万円の補助制度が適用されていますが、障がい者施設入所者は適用除外となっていますので、市独自の療養支援補助制度等の創設を図ること。
2 物価高騰に対する支援について
(1)中小事業者へのガソリン代や燃油高騰に対して事業所等へ燃油等の緊急助成を図ること。
(2)消費税廃止を国に要請すること。
3 災害に強いまちづくりの構築について
(1)平浄水場について、水害におけるバックアップ体制の確立を速やかに実施すること。
(2)河川管理について、夏井川水系、藤原川水系、鮫川水系、それぞれの河川の現状を踏まえ、河道掘削、堆砂除去、堤防嵩上げなどの整備推進を引き続き実施すること。
(3)要支援者の避難行動に対する支援を強化すること。
(4)福祉避難所となった指定事業所に対して、折りたたみベットなど備品配置を進め、受け入れ態勢について万全に期すこと。
(5)防災避難計画に基づく防災訓練を実施するにあたっては、障がい者も参加できる態勢を確立すること。
4 復興創生に向けて
(1)トリチウム等汚染水の海洋放出に反対すること。
(2)事業及び営業、自主避難など30キロ圏外の原子力災害に伴う充分な損害賠償を引き続き東京電力に求めること。
(3)放射線量を下げるため、子どもの生活の場をはじめ地域のフォローアップ除染を東京電力と国の責任で行わせること。
(4)原発事故による健康被害を防止するため、福島県内外における健康診断の充実・拡充と医療費の減免について「原発事故子ども・被災者支援法」第13条第2項・第3項の具体化のための立法措置を国に強く求めること。
(5)幼稚園・保育園・学校及び子どもが利用する公園や道路等の歩行サーベイによる放射線量の定期的測定及び土壌調査など詳細のモニタリングを義務付けし、ホットスポットがあった場合には速やかに除染をすること。
(6)東京電力福島第一原発及び第二原発の廃炉まで、「リアルタイム線量測定システム」の継続配置を国に引き続き求めること。
(7)除染基準を超える場所の除染は、天地返しでは無く土壌の除去を行うこと。また、天地返しで埋設する場合には、除染内容や場所等の詳細な記録を長期的に保存すること。
(8)平成25年度から行ってきた市民団体による放射線量・土壌汚染濃度調査のデータについて、原発事故により本市が被った実害の記録として長期的に保管すること。
(9)目には見えない放射能汚染の影響から市民の健康を守るための情報源として、市民団体による調査結果を広く市民に伝えること。
(10)県民健康調査における学校での甲状腺エコー検査については縮小せず、体制維持を求めること。また、進学・就職等で県外に移転した対象者に対し、検査を受けやすい体制を福島県に求めること。
(11)第2期復興創生期間に対して十分な財源を確保すること。
5 医療・福祉の充実について
(1)いわき市医療センターにおいて透析患者などの心臓病・血管障害等の合併症の治療を早期対応できるよう、医療スタッフの確保を図ること。
(2)各種の予防接種費用に対する一部負担を拡充すること。
(3)地元中小企業への市独自の障がい者雇用助成金の創設、障がい者を多数雇用した企業への減税・助成等を拡充し障がい者雇用促進を図ること。
(4)いわき市チャレンジ雇用後、市職員として採用を検討するなど、いわき 市職員の障がい者雇用をさらに促進すること。
(5)就労継続支援A型B型における行政事業への参入拡大を検討すること。
(6)障がい者雇用の充実のため、いわき市独自の送迎サービスやデマンド交通などを実施し、通勤のための交通手段の援助を行うこと。
(7)発達障がい者の早期からの療育・支援が出来るシステムを充実すること。
(8)障がい者の計画相談事業所が継続できるように財政支援について国に対する働きかけを強化すること。また、財政支援が十分でない場合は市独自の支援をおこなうこと。
(9)20歳以上の者が利用する障がい者施設に対してスタッフの加配や増員への支援を強化すること。
(10)DV被害者緊急一時保護者の生活費及び自立のための補助金の支給を検討すること。
(11)一時保護のシェルター入所時の経費などを市が負担する、また一時保護に関わるスタッフの人件費等活動費を増額するなどDV被害者支援を充実すること。
(12)フードバンクや子ども食堂などを運営している団体への財政支援を拡充すること。
(13)公民館の活用や民間団体との連携などで子どもの居場所を作るなど子どもの貧困対策を充実させること。
(14)介護人材育成にむけ、学校における介護制度理解に向けた授業の拡充を図ること。
(15)農福連携事業の推進を図ること。
6 教育の充実について
(1)被災に係る児童・生徒への就学援助について、令和5年度以降も引き続き行うように国に求めること。
(2)学習困難児童・生徒のための学習支援員・生活支援員を必要とする小中学校に配置すること。また、支援員の賃金引き上げなど待遇改善を行うこと。
(3)1学級30人以下の少人数学級を計画的に中学校3年生まで実施できるよう、国に要望すること。
(4)子どもと向き合う時間を十分に確保できるように、教職員の多忙化解消に向けて取り組みを強化すること。
(5)小中学校の施設(校舎・体育館等)の営繕調査に基づいた施設の改善を促進すること。
(6)学校給食費の無料化の実現、教材費・制服・運動着などを購入する際の支援や教材などを学校で購入するなどのリサイクル事業の検討など保護者の負担軽減を図ること。
(7)自主「夜間中学校」の運営支援を行うとともに、公立夜間中学校の設立を検討すること。
(8)CAPなどの人権教育をさらに充実して、子どものいじめや虐待防止などの取り組みの強化を図ること。
(9)市内の小中学校の規模の把握を踏まえ、今後の統廃合に対する地域住民の意見反映の場を設置し事業計画策定及び予算化を図ること。
(10)音楽室や家庭科等の特別教室へのエアコンの設置を図ること。
(11)トイレの洋式化の促進を図ること。
7 生活環境の整備・充実について
(1)鳥獣被害対策として、侵入防止対策、個体数の調整、周辺環境の整備、捕獲報償金の予算確保など総合的な対策を強化すること。
(2)公共施設における化学物質過敏症対策を図ること。
(3)公共交通機関の整備やタクシー利用代金の補助を拡充するなど高齢者等の移動手段確保に努めること。
(4)防犯灯、街路灯の増設を図ること。特に、通学路においては特段の配慮を行うこと。
(5)公園の遊具の補修及び環境整備を速やかに実施すること。
(6)飼い犬・飼い猫の不妊去勢手術費一部助成と所有者のいない猫の不妊去勢手術費一部助成の予算額を増額すること。
(7)(仮称)いわき市動物愛護センターの早期建設を図ること。
(8)江名港周辺に公衆トイレを早期に設置すること。
(9)小名浜栄町にある小野晋平翁公徳碑の維持管理をいわき市が行うこと。
(10)安心安全な商店街づくりのために防犯カメラを設置及び維持管理費用の補助を創設すること。
8 社会基盤の再生・強化について
(1)小名浜地区をはじめとする老朽化した支所等の改築にあたっては、住民意識調査を実施し、支所機能と地域活性化を図る総合施設の事業計画を策定し、協議の場を設定し順次整備すること。
(2)道路改修補修・雑草の除草等の土木、公園、市施設の維持補修費を増額すること。
(3)JR勿来駅・内郷駅構内跨線橋エレベーターを設置するようJRへ働きかけること。
(4)国道・県道・市道の渋滞解消と通学路の安全確保を図ること。
(5)2050年のカーボンニュートラルに向け、森林整備の促進と技術者の育成とともに、国土調査の促進を図ること。
(6)デジタル社会へ向けて、様々取り組む中で年齢・地理的条件・経済的状況等による格差が生じないようにすること。
9 経済・産業の再生・創造について
(1)就職支援、起業・承継支援、居住支援、各種生活情報提供などワンストップで実施するUIJターン受け入れ環境の整備をすること。
(2)常磐地区市街地再生整備基本計画を部署横断で強力に推進すること。
(3)公共工事やサービス業務に従事する賃金下限額など労働条件を確保する、賃金確保条例(公契約条例)を制定し、労働者の生活を安定的なものにすること。
(4)小規模修繕契約希望者登録制度において登録業者を増やす取り組みを行うとともに、入札参加有資格者以外の受注機会の拡充と上限額の引き上げを検討すること。
(5)住宅リフォーム助成制度を拡充すること。
(6)漁業経営改善普及事業補助金の支給継続、本市の水揚げ量の増加のため廻船誘致対策事業補助金を増額すること。
(7)漁業再開支援業務を継続すること。
(8)市内の漁業・水産業が完全に復興するまで、「ふくしま産業復興投資促進特区」としての、期間の延長で「固定資産税の課税免除」の継続を図ること。
(9)いわき市の山林の下刈り、枝打ち、除伐、間伐等、花粉症対策及びいわき市産木材利用の促進など総合的な林業の拡充を図ること。
(10)Jクレジット制度の推進を図ること。
(11)いわき市において森林環境税・贈与税に基づき森林整備の促進を図ること。
(12)商店街の振興に向け、商工業活性化補助金などの補助率を引き上げること。
(13)旧小名浜魚市場敷地に仲買業者等の共同利用施設(小名浜荷捌き・加工流通施設・船舶給水管理所等)の整備への支援を継続すること。
10 文化・スポーツ・観光の充実について
(1)(仮称)いわき地域総合博物館構想を構築すること。
(2)ジオパーク認定の取り組みを行うこと。
(3)大震災に耐えた貴重な自然遺産であるいわきの鳴き砂の保存とともに復興創生に期するために、「いわき震災伝承みらい館」の一角に鳴き砂に関連資料等を常時展示するコーナーを確保すること。
(4)幼児・児童・生徒の教育的効果の高い「砂場」を活用した取り組みを強化すること。
(5)照明設備のあるテニスコートを整備すること。
(6)公認パークゴルフ場の創設を図ること。
(7)山の日制定に伴う山の観光の促進を図ること。