35番、創世会の佐藤和良です。
コロナ禍の中、ウクライナ戦争や世界経済の縮小が続き、食料やエネルギーの価格が高騰して賃金が追いつかない大変厳しい情勢にあって、市民の家計と暮らしは深刻な打撃を受けています。
この状況に対し、わたくしは、「いのちを守る」という原点に立って、誰もが安心して暮らせる、いわきの再生に向け、市民のみなさんと手をつなぎ、子どもたちの未来のために活動して参ります。
2年5ヶ月ぶりとなりますが、通告順に従い一般質問を行います。
大きな第一点、市長の選挙公約の現状と今後の取り組みについて、です。
昨年9月の市長選挙の投票率は47.68%、内田市長の得票率は全有権者の17%でした。内田市政が1年を経過しましたので、市長の選挙公約は現状どうなっているのか、公約実現のために市長は今後どのような取り組みを行なっていくのか、伺って参ります。
1点目は、令和3年9月5日執行いわき市長選挙公報の公約の現状と見通しについて、です。
①まず、「人材の力」のうち「教育予算倍増」について、教育予算の現状を踏まえて、倍増の内容や時期など、教育予算倍増の見通しはどうか、お尋ねします。
—答弁(市長)
市長選挙の際に申し上げました教育予算についてのご質問でございますが、まず、言葉の定義から申し上げますと、ここでいう教育予算の教育の対象としまして、教育基本法にいう教育の定義を広く想定しております。つまり、現在、教育委員会が所管する義務教育だけではなくて、それ以外の本市の市政課題に資するような人材の教育をも含んで考えております。
例えば、市長部局が行っている医療人材や産業人材を育成するための、小中学生や高校生への教育課程外への教育、また、防災を担う高校生・大学生への研修プログラムなども含むものであります。また、地域づくりを担うNPO人材等の教育も含むものであります。
もちろん、現在の教育委員会の予算の充実を目指しながらではありますが、今申したような部局横断的な予算も組み合わせながら、幅広い教育予算を確保できるよう目指していきます。
教育予算倍増というフレーズですが、全庁を挙げて、こうした教育予算の確保に取り組むのだという私の強い意志の表明であります。まずは、来年度予算に向けて、こうした人づくりのための十分な予算の確保に努めてまいります。
②次に、「人材の力」のうち「学力日本一を実現」について、本年度、学力向上チームが設置されましたが、何をもって学力日本一が実現されたとするのか、その基準や実現の時期など、学力日本一実現の見通しはどうか、お尋ねします。
—答弁(市長)
「学力日本一」は、非常に高い目標であります。
この目標は、すぐに実現することは困難でありますが、各学校現場と教育委員会とが一体となって、組織的に、授業改善や指導の充実などに向かって動き出せるように、敢えて高めに、設定しております。
学校ごとに学校カルテを作成しつつ、教育委員会の職員が、現場を訪問し、現在、指導改善に当たっております。
いわき市は学校数が多いので、様々な学校の実態や課題が学校カルテで浮き彫りになってきております。それらが見える化されたのは、とても良いことだと考えます。
現状において、学校現場では、こうした取組みを前向きに捉えてくださり、日々熱心に頑張ってくれています。
児童生徒、教師も、一人一人がしっかり頑張ってくださっており、評価しています。
こうした動きを作れたこの1年でした。
学力日本一は、高みの目標であり、見通しをすぐにお示しするのは難しい状況ですが、議員におかれましては、まずは、こうした学校現場の現在の頑張りを温かく見守ってくださることをお願い申し上げます。
③次に、「人材の力」のうち「給食費値下げ」について、時期や金額など給食費値下げの見通しはどうか、お尋ねします。
—答弁(市長)
本市の学校給食費は、保護者の負担軽減を図る観点から、食材の購入費のみを負担いただいているところです。
加えて、経済的理由によりお困りの世帯等には、生活保護や、就学援助制度による支援を行っており、実質的に給食費は無料としています。
一方、こうした支援制度に該当する水準を上回る世帯の中でも、多子世帯の経済的負担は大きいことから、多子世帯における負担軽減を図るため、令和5年度の実施に向けた具体的な検討を進めているところです。
●再質問:そうしますと、給食費値下げは、令和5年度に具体的に実施されるということでよろしいですか。
—答弁(市長)
現在、令和5年度の予算編成に向けて、今申し上げました多子世帯の経済的負担の軽減という観点で検討を目下進めているところです。
④次に、「いのちと暮らしを守る」のうち「医師不足解消」について、市内26病院にアンケートを行い分析中と聞きましたが、勤務医、開業医ともに、どの程度の医師不足の解消を見込んでいるのか、お尋ねします。
—答弁(保険福祉部長)
本市の医師不足の解消については、現在、市内病院に対し、診療科ごとの医師の現員数や必要数、患者数、現状での医師確保の方法などについて調査を行うとともに、主要病院に対しては、ヒアリングも実施しながら、現状分析を行っております。
今後、これらをもとに、確保すべき医師数の数値目標案や、医師確保のための施策案などについて立案し、今年度中に、市医療構想会議で協議する予定です。
●再質問:その会議で協議するということで、具体的にはどの程度の解消を見込んでいるのかについてはどうですか。
—答弁(保険福祉部長)
具体的な数についてのお質しと存じますが、その点も含めまして、現在検討を行っているところでございます。
●是非とも踏み込んで具体化できるよう検討をお願いいたします。
2点目は、公約実現に向けた今後の取り組みについて、です。
⑤今後の取り組みについて、「産業の力」のうち「再生エネルギ−100%工業団地の誘致」などは具体的な誘致計画も策定できない現状ですが、公約全体の進行管理も含めて、今後3年間、市長は公約実現に向けて具体的にどう取り組んでいくのか、お尋ねします。
—答弁(市長)
私は、市長選におきまして、市民の皆様からのお声も踏まえながら、人材の力・産業の力、そして、いのちと暮らしを守る、の3つの視点から、本市のまちづくりに必要な施策を取りまとめ、いわき再起動としてお示しいたしました。これらの公約の実現に向けましては、市民の皆様の暮らしを取り巻く社会経済状況を見極めますとともに、国や県等の動向も注視し、必要に応じて積極的な働きかけ等を行いながら取り組んでいるところです。今後におきましても、引き続き状況把握に努めながら、公約で掲げた施策の実現に向けまして、全力で取り組んでいきます。
●再質問:市長は、発信力は、前職よりだいぶ目覚ましいものがあるというふうに市民も理解なさっているんじゃないかと思いますけれど、具体的に今後3年間、進行管理をどうやっていくのかという点では、一歩踏み込んで言うとどういうことになりますか。
—答弁(市長)
進行管理に関しましても、併せて発信していきたいと思っております。昨年度の今のタイミングで予算編成に関わった時には、実質2か月とか3か月で、私編成したわけですが、今年、年度を通して首長をさせていただきまして、そういったことを踏まえて、次年度に向けて予算編成を進めておりまして、その際に、そういった公約がどれだけ進んでいるのかを1個1個示していくのが重要でございますので、そういった進行管理・PDCAサイクルも含めて、しっかりと市民の皆様にお示ししていく所存でございます。
●ぜひとも市民が期待した公約が真に実現されることを期待して、次に移ります。