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「動乱の中の猪狩家~戦国時代の岩城氏家臣~」をみる

 12月18日、いわき市勿来関文学歴史館に伺い、現在開催中の、令和4年度第3回企画展「動乱の中の猪狩家~戦国時代の岩城氏家臣~」を観覧、学ばせていただきました。
 今回の企画展は、戦国時代、いわき市周辺を治めた岩城氏の家臣で、双葉郡楢葉町を拠点とした猪狩家がテーマ。2017年、猪狩家に伝来した戦国時代から江戸時代初期にかけての古文書がまとまって発見されたことから、初公開の貴重な古文書を中心にして、猪狩家といわき市周辺の時代の歴史を紹介しています。
 猪狩家が鎌倉時代に好嶋庄の地頭としての記録が残る岩城氏の家臣となったのは14世紀はじめ頃とされますが、猪狩家の動向が明らかになるのは、1474年、陸奥国岩城郡・岩崎郡(いわき市)を治める岩城氏が楢葉郡(双葉郡楢葉町など)を治めていた楢葉氏を滅ぼした戰により楢葉郡を与えられたことに始まります。猪狩家は楢葉城(双葉郡楢葉町)を居城としますが、1534年相馬氏の攻撃で落城後、一時は高倉城(双葉郡広野町)に移り、1570年楢葉城を奪還して、その後は伊達氏との外交を担当したとされます。
 戦国時代の東北地方のうち南奥は、岩城氏のような中小規模の勢力が乱立、同盟・婚姻関係を背景に、勢力争いが激しかった中で、戦国時代前期の岩城氏は岩城郡・岩崎郡から北の楢葉郡、南の常陸国多賀郡(茨城県北茨城市など)の一部まで版図を広げ、戦国時代中期の岩城重隆(生年不詳~1569年)の代に最盛期を迎えます。その時、猪狩家に送られた軍事動員に関する書状や1600年に伊達政宗が関ケ原合戦の直前、上杉氏の征伐に向かう際に岩城領を通過したことへの礼状など、初めて日の目を見る貴重な古文書が並びました.
 これらの古文書を交えながら、いわき市周辺の歴史をひも解いていく展示です。
 貴重な展示を拝見しながら、私も中学から高校1年の頃、楢葉郷土史研究会という有志で、楢葉城の測量などを行い小冊子を刊行したこと、その際の楢葉城の概要図が後日、福島県史に掲載されたことなどを思い起こしました。

●いわき市勿来関文学歴史館 令和4年度第3回企画展
「動乱の中の猪狩家~戦国時代の岩城氏家臣~」
11月19日(土)~2023年2月14日(火)まで、一般330円、中高生・大学生220円、小学生170円。
来年1月1、18日は休館日。開館時間は午前9時から午後5時(入館は同4時半まで)。

≪会期中のイベント≫
■講演会「戦国大名の外交関係―岩城氏と伊達氏を中心に―」※要事前申込
日時:2月4日(土)14:00~15:30
会場:体験学習施設 吹風殿
講師:菅野正道氏(元仙台市博物館学芸普及室長)
定員:50名(先着順)

■ギャラリートーク
学芸員が展示内容について解説します
日時:12月11日(日)、2023年1月15日(日)、2月12日(日) 14:00~14:30

 いわき市勿来関文学歴史館
〒979-0146 福島県いわき市勿来町 関田長沢6-1
0246-65-6166

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by kazu1206k | 2022-12-29 21:48 | 文化 | Comments(0)

佐藤かずよし


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