1月7日午後、いわき市で脱原発福島ネットワークの2023総会が開催されました。
総会は、世話人あいさつに続いて、①2022年の活動報告と総括について、下記の課題毎の報告が、それぞれの担当、団体から行われました。
・「東電交渉、事故収束と被曝労働」・「汚染水、刑事裁判」・「ひだんれんの活動」・「健康被害、甲状腺がん」・「たらちねの活動」・「廃棄物問題」・「避難の権利」
脱原発福島ネットワークの2022年の活動報告では、1月の再開64回交渉から11月の69回交渉まで6回の東電交渉を行い、要請書の提出に基づき、理解と合意のない汚染水の海洋放出設備工事の6月着工中止や海洋放出に係る放射線影響評価報告書と海洋放出拡散シミュレーションの問題、1号炉の原子炉圧力容器を支えるペデスタルの損傷などをめぐって回答と質疑が重ねられたことが報告され、ネットワーキングニュース「アサツユ」の月1回発行・配布を継続し、「これ以上海を汚さないで!市民会議」に参加して、トリチウム等汚染水の海洋放出反対の活動を進めたことが報告されました。
1、2022年の活動報告
①東電交渉―再開64〜69回交渉・6回開催。要請書提出―回答、質疑、交渉。
・1.19再開第64回:汚染水、海底ボーリング調査、海洋モニタリングなど質疑。
・3.16再開第65回:「理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工中止などを求める要請書」を提出。
❶「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」とする文書約束を守り、理解と合意のない汚染水海洋放出の設備工事の着工は中止すること。
❷トリチウムと放射性炭素のほか放出する全ての放射性核種と毒性化学物質を測定し、種類、濃度、総量、期間など放出水の全ての情報公開を行うこと。
❸希釈放出設備等の健全性、安全性、地震・津波など自然現象や誤操作による設備の損傷や機能喪失で汚染水の環境放出や漏洩が起きた場合の安全対策を明らかにすること。
❹ 県民・市民を対象に処分に関する説明会を開催すること。
❺地下水の止水、トリチウム分離技術の実用化、大型タンク長期保管案やモルタル固化保管案等の検討など、汚染水の抜本対策を早急に確立すること。
・5. 12再開第66回:21.8.25東電文書『検討状況』、海洋放出計画について再質問への回答、21.11.17ALPS処理水の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)の説明と『軽微な影響』の根拠について、これまでの質問事項の回答など質疑。
・7.14再開第67回:3月16日提出の「6月着工の中止などを求める要請書」への東京電力の回答と質疑。「21.12.21ALPS処理水希釈放出設備の全体概要」の海洋放出拡散シミュレーション、その他の質疑。
・9.21再開第68回:「6月着工の中止などを求める要請書」への東京電力の回答(2022年5月12日付)とそれに対する再質疑への回答と質疑、「21.12.21ALPS処理水希釈放出設備の全体概要」の海洋放出拡散シミュレーションの再質疑への回答と質疑、これまで質問事項への未回答事項他への回答と質疑。
・11.16再開第69回:「福島第一原発1号炉の原子炉圧力容器を支えるペデスタルの損傷について早期の詳細調査と緊急安全対策を求める要請書」を提出。
❶ペデスタルの損傷状況について、早期の詳細調査を行い公表すること。
❷専門家は、「この状態では震度6強の地震に耐えられず、原子炉が倒れる可能性がある」と指摘しているが、これを踏まえ、原子炉倒壊の危険性を評価し全ての情報を公開すること。
❸市民の安全を確保するため、緊急安全対策を早急に確立すること。
②トリチウム等汚染水の海洋放出反対は、「これ以上海を汚さないで!市民会議」に参加して、下記のキャンペーンやアクションなどの取り組みました。
・毎月13日「原発汚染水の海洋放出反対13日一斉スタンディング」
・1.22『処理水』ってホントに安全?!汚染水は海に流してはいけないー天野光講演会
・2. 1内堀福島県知事宛の「福島第一原発汚染水の希釈放出設備等の実施計画変更に関する事前了解について」要請書を提出。
・4.13ALPS処理汚染水、海洋放出決定から一年 オンライン共同記者会見。声明公表。
・5.13海洋放出6月着工中止を求めるアクション!規制庁、東京電力本社へ申し入れ行動。
・5.25着工中止を求めるアクション!福島県庁、東電福島復興本社への申入行動。記者会見。
・6.21「内堀知事、みんなの海をまもって!」福島県庁前スタンディング。
・7.18海の日アクション2022 汚染水を海に流すな!海といのちを守るパレード
・8. 3福島県と大熊町・双葉町のの事前了解で抗議声明、記者会見。
・10.24汚染水海洋放出阻止を求める『関係者の声』ハガキ作戦」開始
・10.29汚染水対策を考えるシンポジウム〜このまま海に流すの?!「ALPS処理水」
・12.17放射能で海を汚すな!国際フォーラム 環太平洋に生きる人々の声(オンライン)
2、2023年の活動計画
2023年の活動計画では、2023年の活動の柱として「東電交渉の継続→トリチウム等汚染水、被曝労働者の待遇改善、ペデスタル損傷問題ほか」「汚染水海洋放出中止→これ以上海を汚さないで!市民会議による毎月13日スタンディング・海の日アクションほか」「アサツユへの投稿と拡大→リレーエッセーの年間執筆者12人」などを、協議しました。
●脱原発福島ネットワーク
1988年の創設以来、福島第二原発3号機の再循環ポンプ破損事故と再稼動反対・廃炉要求、福島第一原発7、8号機の増設反対や軽水炉でプルトニウムを燃やすプルサーマル計画に反対する「ストップ・プルサーマルキャンペーン」の結成および県民署名運動の展開、原子力発電所の地震対策や津波対策、老朽化対策、度重なる事故やトラブルなどの原因追求、東京電力と毎月交渉する活動や監視活動を30年間続けてきました。2011年の福島原発震災以降、東電告発プロジェクトと被曝者援護法プロジェクトにより福島原発告訴団などを推進し、東電元3幹部の刑事起訴、禁固5年の求刑に至りました。