1月19日、教育福祉常任委員会の行政視察で、大阪府枚方市伺いました。調査事項は、「枚方版ICT教育モデル(ICTの活用による新しい学校教育の確立)について」。枚方市教育委員会の学校教育室教育研修課から説明を受け、質疑をさせていただきました。
枚方市は、Society5.0時代が到来する中で、国のGICAスクール構想も踏まえて、市内公立小・中学校において、児童・生徒に1人1台のタブレット端末を配備しています。
タブレット端末は、操作が簡単で直感的に使えるiPadで、いつでもどこでも使えるLTEモデル。LTEタブレット端末の特長を生かし、学校と家庭がシームレスにつながることで、国が示す資質・能力の育成を目指し、教育目標の達成に向けて様々な取り組みを推進しています。
また、新型コロナウイルス感染症拡大状況下における「子どもたちの学びを止めない」ための取り組みとして、令和4年1月より、授業のオンライン配信が自宅等でも受けられる「ハイブリッド型授業」を実施。「ハイブリッド型授業」は、全ての授業の一律配信ではなく、授業のオンライン配信と課題配信を組み合わせた形態で実施しています。
「デジタル・シティズンシップ教育」
1人1台のiPad貸与により、デジタルは鉛筆や筆箱のような文具と同じようなものとなり、家庭でも学校でもデジタル機器が不可欠になる環境で、子どもたちが、デジタル機器の良いところと危険なところを理解し、主体的に活用することができるようになるために「デジタル・シティズンシップ教育」が大切になっています。
「枚方版ICT教育モデル」では、「オンライン及びICTの利活用を前提」とし、その環境で安全かつ責任を持って「行動するための理由と方法」を主体的に学び、仕組みを理解するだけでなく「情報技術に関連する人的、文化的社会的諸問題を理解し、法的・倫理的にふるまう」ための「能力とスキル」を育成する教育と位置付けています。
具体的な学びの進め方として、ICT機器の正しい使い方については「児童・生徒の試行錯誤、議論に任せる」「教員は一人ひとりの進捗状況を巡回し把握する」 「児童・生徒の気づきを大切にする」「学習者が意見表明、説明することを呼びかける」「児童・生徒の本音を引き出す、本音に共感する」「 個別・多様な捉え方があることを理解する」などを提示しており、実践事例として、枚方中学校の「デジタル・シティズンシップ教育」を紹介しています。
枚方中学校では、令和2年度に校内体制整備として、情報担当者が中心となり、8月に有志で校内ワーキングチームを発足させ、時間割内で週1回ICT会議を開催し使用上のルール策定しましたが、生徒からは学年間でルールが違うことの戸惑いや教職員からも学年によって指導内容を変えることに戸惑いの声が上がりました。
令和3年度には、生徒による「ICT委員会」が発足して、2グループに分かれて、「ルールづくり」「活用方法使い方」を考え、生徒たちが利用上の約束事を検討して、全校生徒にiPadを使ったアンケートを実施。アンケートの結果を外部の専門家と共有し意見を求めICT委員会で約束事を策定し、職員会議で教職員に作った約束事をプレゼンし、学校のルールとして承認を受けたということでした。