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「流域治水を考える」市政を考える研修会開く

 3月25日午後、いわき市文化センターで、いわきを変えるゾ市民の会の主催による、市政を考える研修会が開かれました。
 研修会のテーマ「夏井川流域治水を考える」。講師は、夏井川流域住民による川づくり連絡会代表世話人の橋本孝一(福島高専名誉教授)さん。
 橋本さんは、「1、2019年10月の東日本台風災害を振り返る」「2、『流域治水』とは」「夏井川流域NW主催の『小川地区懇談会』を通じて考えたこと」などについて、話されました。
 「1、2019年10月の東日本台風災害を振り返る」では、2019年10月の東日本台風当時の雨量や水位、被害の状況などを説明、ハザードマップによる災害対応の考え方として「体験的災害」と「歴史的災害」があること、教訓(平窪自然塾の報告書をこのほど発刊)として、河川の維持管理と住民の係り方〜自助、共助、近助を指摘しました。
 「2、『流域治水』とは」では、河道の整備(河道内の土砂・樹木伐採、堤防強化)だけでなく、流域全体で保水力を大きくする(田んぼダム・溜池、ダムの運用、遊水池、森林整備、住宅•ビル等での雨水貯留)ことの重要性から、「流域治水協議会」が立ち上げられたことを説明。その上で、地域住民と行政がその特性を踏まえて「あらゆる関係者が参加する」ことが必要と指摘。防災拠点としての「夏井川防災ステーション」の活用、河川の維持管理を合理的に進めるために住民参加の意義を強調して、行政と住民のパートナーシップのもと、住民参加(草刈り、畑やスポーツレジャーなどで高水敷の利活用)を日常的にし、ボランティア組織を活用して参加の輪を広げること、更に新堤防への階段設置や生態系への配慮などを提案しました。
 「3、夏井川流域NW主催の「小川地区懇談会」を通じて考えたこと」では、まず、平成元年と令和元年の過去2回の大きな水害被害の深刻さに触れ、今後、多くの風力発電施設の設置と堤防拡幅・桜並木の撤去への対応が必要としました。そして、大型再生エネルギー施設(陸上風力•太陽光)建設に関して、「集中立地」の問題点として、大規模な自然環境の改変により、雨・土砂流出率の増大、地下水脈への影響、低周波による健康障害、生息生物環境の変化、景観の変化など、建設地域の自然環境と生活の生業と鼎立することを指摘して、流域治水の観点から、森林部の保水力確保策を検討すべきと提言しました。
 「4、おわりに」として、エネルギーの地産地消に向けて、創エネ(全ての屋根にソーラーパネルを、その助成制度)と省エネ(断熱材と節電の工夫)を指摘、「自らの地域は、自らで守り育てる気概」を求めました。

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by kazu1206k | 2023-03-28 20:43 | 防災 | Comments(0)