人気ブログランキング | 話題のタグを見る

GX脱炭素電源法案を廃案に!ひだんれんと避難者の会が緊急声明

 5月29日、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)と「避難の権利」を求める全国避難者の会がそれぞれGX脱炭素電源法案について緊急声明を公表、共同で記者会見を開きました。
 会見では、「『GX 脱炭素電源法案』を可決させてはならない」(ひだんれん)「国の安全を脅かすGX脱炭素電源法案は廃案し原発事故被害と<今ここにある危機>を直視する真剣な議論を」(全国避難者の会)との声明を読み上げ、各地の避難者が、「原発のどこがグリーンか。原発は住民の犠牲の上に成り立つ人権侵害のシステムだ。この法案は許しがたい」「全国には避難者として数えられていない人が大勢いて、その大変さ、喪失感を思うと、私たち避難者の存在が無視されていると憤りを覚える」「とんでもない誤りの法案だ。今も大勢が全国に避難し、充分な補償も支援も受けられないままでいることを無視した政策転換だ。この法案を成立させてはならない」「原子力基本法に国の責務として原子力産業を手厚く保護することを書き込んでいるが、原発事故の際の対応と責任については書き入れないことに驚く」「今まで60年間やってきた地域振興策を推進することは、更に地域の分断を加速させる」と、法案の問題点と法案強行への怒りの声を伝えたものです。
 二つの声明は、会見後、参議院経済産業委員会の理事と委員宛にFAXで送られました。

◆ひだんれん緊急声明
「GX 脱炭素電源法案」を可決させてはならない

2023年5月29日
原発事故被害者団体連絡会

 「原発事故はまだ終わっていないのに、被害をもう忘れてしまったのか!」これは、福島原発事故で被害を受けたすべての被害者に共通の思いです。
 今、国会で採決されようとしている「GX 脱炭素電源法案」は、グリーントランスフォーメーションの名のもとに、実は国を挙げた原子力発電への大々的な回帰を打ち出すものです。
 しかし、2011年3月11日に起きた福島原発事故は、12年経った今も収束すらしていません。「原子力緊急事態宣言」は解除されず、帰還困難区域が7つの町と村にあります。家や生業、地域社会や美しい自然との暮らしを奪われた避難者が、その数も正確に把握されないままに数万人はいると言われています。被害者が望む事故の賠償はされず、責任は問われないままです。放射性物質は今も広範囲に残り、人々の復興はまだまだ道半ばです。
 今回の法案には、「福島原発事故を真摯に反省し」という文言が見られますが、反省や教訓が活かされるどころかそれらを蔑ろにし、踏みにじるものです。
 私たち原発事故の被害者は、誰よりも原発事故の被害の甚大さ、悲惨さを知っています。もう二度と同じ事故を繰り返してほしくはありません。公聴会は福島県では一度も開かれませんでした。被害者の声を真摯に聴いて政策に反映するべきです。

 これらの法案は、依存を減らすはずの原子力を国の責務で恒久的に利用することになっています。また、脱炭素対策に寄与しないばかりか、事故後せっかく分離した規制と推進がまた癒着してしまいます。そもそも「束ね法案」として、一つ一つの法案について熟議せずにまとめて決めてしまおうとすることは、極めて不透明で民主主義に反します。
 老朽原発の運転期間の実質延長はあまりにも危険で言語道断です。古くなればなるほど劣化して危険が増すことは、誰にでもわかることです。複雑で放射能に汚染された原子炉のすべてを点検できるはずもありません。それを動かし続けようとすることは、再び事故を招くようなものです。そのような愚かな道へ進むべきではありません。特に地震大国の日本では、一刻も早く原子力への依存を無くし、省エネと再生エネルギーへの転換こそ推進すべきです。
 私たち原発事故被害者は、GX 脱炭素電源法案に断固反対します。

<連絡先>
ひだんれん・原発事故被害者団体連絡会
福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1
Email:hidanren@gmail.com
Tel :080-2805-9004

◆「避難の権利」を求める全国避難者の会緊急声明

◆記者会見の動画はこちらです。

GX脱炭素電源法案を廃案に!ひだんれんと避難者の会が緊急声明_e0068696_09243355.jpg













by kazu1206k | 2023-05-29 22:13 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k