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日弁連、霊感商法等の悪質商法及び宗教問題による被害顕在化から1年を迎えて会長談話

 日本弁護士連合会は、いわゆる「旧統一教会」問題をはじめ、霊感商法等の悪質商法及び宗教問題による被害の顕在化から1年を迎えるに当たっての会長談話を公表しました。以下、紹介します。

霊感商法等の悪質商法及び宗教問題による被害の顕在化から1年を迎えるに当たっての会長談話

いわゆる「旧統一教会」問題をはじめ、霊感商法等の悪質商法及び宗教問題による被害の深刻さが改めて顕在化してから、およそ1年が過ぎようとしている。

これらの問題は、約1年前に、安倍晋三元内閣総理大臣が銃撃された事件を契機に、大きな社会的関心を集めることとなったが、その被害救済や防止のためには、なお数々の課題が残されている。私たちは、この深刻な社会問題を再び風化させてはならない。

この1年の間に、国は、「旧統一協会」問題関係省庁連絡会議の開催や、消費者庁が主催した霊感商法等の悪質商法への対策検討会での有識者による検討と提言を行うなどし、当連合会もそれに積極的に連携と協力をしてきた。また、日本司法支援センター(法テラス)の市民向け相談・情報提供窓口(霊感商法等対応ダイヤル)との関係では、当連合会も、2022年9月5日から本年2月28日まで、全国の弁護士会等の協力を得てフリーダイヤル等による無料法律相談受付を行ってきた。寄せられた約1500件もの相談から事例を収集しarrow_blue_1.gif分析する中で、旧統一教会による高額な財産的被害をはじめとする深刻な被害実態を改めて目の当たりにした。

具体的な被害救済を求めて、2022年11月には、当連合会がその体制構築を支援する全国統一教会被害対策弁護団が結成された。現在、全国から約350名の弁護士が参加し、旧統一教会に対する集団交渉等の申し入れを行うなど、その活動はこれからが正念場といえる。当連合会として、全国の弁護士及び弁護士会と共に、引き続き同弁護団の活動を支援するとともに、積極的に連携をしていく。

また、既に6回を数える文部科学省による旧統一教会への宗教法人法に基づく質問権行使、解散命令請求の行方も注視している。

2022年12月10日の臨時国会においては「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」等が成立し、同法律は本年1月に一部を除き施行され、6月から全面施行された。寄附及び寄附を集める団体について一定の規制を設けるなど、今後の被害の救済及び防止に向けた姿勢を示したものといえ、消費者庁の発表によれば、本年4月から5月までの2か月間で48件の違反が疑われる事例の情報が寄せられているとのことである。しかしながら、取消しができる寄附行為等が限定的であることや、寄附の勧誘を行う際の配慮義務、債権者代位権の行使に関する特例の要件など、同法律等ではまだ不十分との指摘もあり、改善に向けて検討すべき課題も数多く、成立時には施行2年後の見直し規定が置かれている。

当連合会は、人権擁護を使命とする法律家団体として、現存する被害実態や被害の救済に関わる今後の情勢に鑑みながら、同法律等において見直すべき検討課題に取り組んでいく。あわせて、宗教活動を契機とした家族の問題、心の悩み、とりわけ宗教二世を含む子どもが抱える問題等や、信教の自由と団体の責任などについて、あらゆる観点から検討した上で、より実効的な被害の救済及び防止に向けた具体的な提言と活動を引き続き行っていく所存である。


2023年(令和5年)7月6日
日本弁護士連合会
会長 小林 元治












by kazu1206k | 2023-07-11 22:02 | 時評 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k