7月17日午後、いわき市小名浜港のアクアマリンパークで、海の日アクション2023 汚染水を海に流すな!海といのちのパレードが行われました。いわき市内はもとより福島県内はじめ全国各地から約250人以上の方が参加しました。
炎天下の中、午後13時20分、みや誠承太鼓のみなさんによる若く力強い和太鼓がアクアマリパークに響きわたり、海を想うアトラクションがスタート。いわき雑魚塾のみなさんのフォークソングが原発事故と海、漁民を歌い上げ、これ以上海を汚すな!市民会議の共同代表織田千代さんとさようなら原発1000万人アクション実行委員会の滝秀樹さんが主催者挨拶を行いました。
織田千代さんは、「国も東電も『基準値以下に薄めて流すから問題ない』と言っています。薄めないと流せないもので、処理が完全にできていない『汚染水』だということです。どんなものが、いつまで流されるのか分かりません。間違いなく次の世代、その先までも汚染された海を手渡すことになってしまいます。『廃炉のため、復興のため海洋放出は避けて通れない』として、国と東電は流す流すと言っています。いったいなぜ、そんなに急ぐのでしょうか?そんな復興が本当の復興でしょうか?『関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない』という文書約束があります。約束をどうかしっかり守って、海洋放出をストップして欲しいです」と訴えました。
小名浜機船底曳網漁業協同組合理事の柳内孝之さんと東京大学名誉教授の鈴木譲さんがゲストトーク。
柳井孝之さんは、事故後、原発から汚染水が海に流出し、福島の漁業は操業自粛をせざるを得なかったが、「わずかでも流通させなければ、福島の漁業は終わる」と翌年から試験操業を始め、3年前から本格操業の移行期に入り沿岸漁業の水揚げ量は事故前の2割にとどまるが「着実に増加してきている」と話し、「国と東電は、『関係者の理解なしに、いかなる処分も行わない』と文書で約束しています。その約束を破ろうとしていることに不信感を抱いています。ALPS処理水の処分方法を決定する過程は結論ありきで、一方的に押しつけてきています。地方議会や首長、農林漁業者、観光業者などが海洋放出に反対や慎重姿勢を示しています。しかし、政府は聴く耳を持っていないようです」「IAEA(国際原子力機関)は海洋放出計画を『国際的な安全基準に合致している』と報告しました。しかし、タンクに保管されている水はほとんどが安全基準を超えています。原子炉建屋を通った水は多種の放射性物質が含まれており、浄化したとしても処分は慎重に検討すべきだと私たちは以前から主張しています。この先30年以上、何のトラブルもなく確実に放射性物質を除去できるのいでしょうか。廃炉は何年後に終わるのでしょうか。不確実な点が多すぎます」「海洋放出するべきではありません」「漁業者は復興の妨げをやめてと懇願している。処分の仕方を、もう一度検討してほしい」と訴えました
魚類免疫学・遺伝育種学が専門の鈴木譲さんは、水産資源保護法第4条で「水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつその他水産動植物に有害な水質の汚濁に関する制限又は禁止」を明記していることから、「海洋放出は水産資源保護法違反だ」として「水産生物に悪影響を及ぼす汚染物質を垂れ流す東電の行為は犯罪行為です。政府や東電幹部など海洋放出の責任者は刑事訴追されるべきです。実際に、工場から廃液を垂れ流したことで実刑になったケースもあります。放出されてしまってからも調査を継続して、敵の悪事の決定的な証拠をつかみたいと思います。力を結集して中止に追い込みましょう!」と鋭く指摘しました。
市民のリレートークは、会津若松市の片岡輝美さん、郡山市の坂口美日さん、いわき市の藤田操さん、大熊町から避難中の馬場由佳子さん、いわき市の小名浜地区労、いわき交運共闘など7団体共闘の代表として小名浜地区労議長の田久祐一郎さん、みやぎ生協労組福島地区書記長の稲村和吉さん、原発反対刈羽村を守る会・柏崎原発反対同盟の武本和幸さん、新潟県津南町町議の小木曽茂子さん、浜岡原発を考える静岡ネットワークの沖基幸さん、福島原発震災情報連絡センターの静岡市議松谷清さん、Foe JAPAN事務局長の満田夏花さんがそれそれスピーチを行い、ました。
新潟県刈羽村の武本和幸さんは「東電は常に嘘をつく。そして国はそれを擁護する。この繰り返しが今日の結果だと思います」と話し、津南町町議の小木曽茂子さんは、6月議会で「福島原発事故による汚染水放出計画の再考を求める意見書」を可決したことを報告し海洋放出反対を訴えました。
「いったい誰の同意を得て流すのか。誰も同意などしていません。数十億円もの予算で電通などを使って『安全PR』を展開して、世論調査で少しずつ(賛成の)数字をあげるという汚い手を使っています。流されてしまえば、われわれ被害者が加害者にされてしまう。こんなことはあってはならない。何としてでも海洋放出を止めましょう。あきらめずに行動し続けましょう」と佐藤和良が 閉会挨拶して、パレードに出発。
日音協の送り出し演奏を受けて、バナー横断幕や大漁旗を先頭に、思い思いのプラカードや三線などの鳴り物入りで、いわきララミュウからイオンモール前を経て、アクアマリンまでの楽しいパレードを行いました。「約束を守れ!」「汚染水を流すな!」「漁業を守れ!」「海を汚すな!」「こどもを守れ!」「原発いらない!」「未来を守れ!」のコールに沿道の人が手を振って応えていました。
海の日アクション2023には、昨年の倍以上の市民が参加、汚染水を海に流すな!海といのちを守ろう!という声が深く大きく広がっていることを感じさせました。日本全国はじめ、近隣諸国、太平洋諸島フォーラム、全世界の人々が繋がって、これ以上海を汚すな!と政府と東電の夏の海洋放出を止めていきましょう!