9月17日午後、いわきアリオスで、『アリオスコミュニティ特別企画 いわき市文化協会顧問 田村学さんとお話しする会』が開かれました。主催は、アリオスコミュニティといわき芸術文化交流館アリオス。
いわき市市政功労賞、福島県文化功労賞を受賞されている田村学さんは、劇団いわき小劇場といわき市文化協会を軸にして、社会教育、生涯学習、演劇、文化協会など、多くの事業に長いあいだ携わってこられました。
お話しする会では、まず、田村学さんから、演劇運動と文化運動に入ったきっかけや劇団いわき小劇場といわき市文化協会での活動、その基本的な理念や運動の実際について、話していただきました。
田村さんは、「文化、芸術は、『憧れ』を持たせるもの。憧れを持ってワクワクするもの。憧れは、『何々したい』ということ、やる気を起こさせるもの。だから、文化は必要なんです」と、創立55年の劇団いわき小劇場の全公演に携わってきた歴史を紐解き、劇団の理念や方向を話し合い「自分たちで理解できる。いわきの文化の発展」を理念としてきたことや、財政や稽古場や倉庫、団員不足などの困難に直面しながらも、使命感を持って健康に気を付け家族と職場の理解を得て、ここまで積み重ねてきたことを話されました。
いわき市文化協会との関わりでは、1966年にいわき市がスタートし、翌年1967年にいわき市が各地区の文化団体に呼びかけて「いわき市文化団体連絡会」を結成、2005年に「いわき市文化協会」と名称を変えたことなどの歴史を振り返り、1997年に平地区文化協会が結成されて会長に就任し、2001年に「いわき市文化団体連絡会」事務局長、2009年から2021年まで「いわき市文化協会」の会長を務められ、ジャンルを超えた文化団体の皆さんと知り合えたことが大きな収穫であったと話されました。また、「いわき市文化協会」の特徴として、県内他市町村の事務局は教育委員会内に設置されていますが、いわき市のみ実質的に会長宅が事務局となっていることが、イベントや行政への要望を自ら実施できるとも語り、他にはないと強調されました。一方で、構成団体が2008年には553団体18,000人だったものが、2023年には333団体9,000人と15年で半減している実態も話されました。
質問の時間では、これまで印象に残った演目や役者さんの話、文化行政への提言として縦割りを廃して行政としての統一的な組織が欲しいと語り、アリオスの役割では、専門性を発揮している職員の皆さんへの応援と身分保証も大切であり、市民が共に創るスタンスが重要と強調して、多岐に渡って縦横に話が弾みました。
*市民主導でいわきアリオスやいわき市の文化の未来を考えていく「アリオスコミュニティ」。
私たちはアリオスの理念を共有し、年齢・性別・国籍問わず、さまざまな立場の方が参加する月イチ情報交換会を開催し、市民主導による文化事業の振興や後進の育成の必要性についても考えています。
そして、自分たちが暮らしの中で出合うさまざまなできごとについて、個人として感じるところから考え、対話し、交流する場を継続しています。