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台風第13号災害、市議会危機対策本部が市長に要望書を提出

 9月22日、いわき市議会危機対策本部は、被災者への生活再建に向けた支援など30項目の要望書を市長に提出しました。
 台風13号による大雨災害に対応するため設置された、いわき市議会危機対策本部は、35名の全議員で構成し全議員が本部員となっています。
 12日以降、交渉会派の代表1名を本部役員する危機対策本部役員会が断続的に開催され、「台風13号による災害への対応について」協議し、本部員が大雨災害による危機等に関する情報を収集、災害地等の被災調査を行い、市民の要望等をまとめ、9月定例会最終日の22日の本会議終了後に市長に対し「令和5年台風第13号に伴う災害に係る要望書」を提出したものです。
 以下に紹介します。


令和5年台風第13号に伴う災害に係る要望書
                    令和5年9月22日
いわき市長  内田 広之 様

              いわき市議会議長  大峯 英之   


本市は、9月8日から9日にかけて発生した令和5年台風第13号に伴う線状降水帯の影響により、記録的な大雨に見舞われました。長時間にわたって降り続いた大雨により、河川が氾濫し、1,700棟を超える住家が床上・床下浸水となるなど、市民の平穏な日常生活に甚大な被害が発生しました。
 本市議会としては、9月11日に「いわき市議会危機対策本部」を設置し、被災地域の状況等について、情報収集や被害調査を行い、本要望をまとめたところです。
被災地域では、関係機関が連携し、復旧に向けた対応に全力を挙げて取り組んでおりますが、被災された市民が一日も早く以前の生活を取り戻すためには、今後より一層、市民に寄り添った対応が不可欠となります。
 よって、市当局においては、関係機関と協力し、被災地域の早急な復旧・復興に向け、全力を挙げて取り組むよう、次の事項について強く要望いたします。

1 被災者への生活再建に向けた支援について
 ⑴ 居住が困難となった方への住宅支援について、公営住宅や賃貸型応急住宅等への入居を早期に実現すること。また、住宅の応急修理制度の周知徹底を行うとともに、損壊家屋等の公費解体についても検討すること。
 ⑵ 支援物資等の支給について、自主防災組織を活用し、迅速かつ円滑な配給を実施するとともに、災害協定を締結している企業に対しては、迅速に支援物資が供給できるよう要請すること。
 ⑶ 清掃や消毒作業等の衛生対策について、散水車を活用した粉塵対策の強化やくみ取り式便槽の被害による悪臭対策を講ずるとともに、感染予防に併せ、被災者の健康状態のチェックや体調管理を継続的に取り組むこと。
 ⑷ 被災地域のトイレについて、使用可能状況に係る実態把握を行うとともに、被災者やボランティアがトイレの利用に不便が生じないよう、トイレカーや仮設トイレが利用できる環境を整備すること。 
 ⑸ 災害廃棄物の仮置場への搬入について、貸与している軽トラック等の利用状況の把握と増車等の検討を行い、さらなる搬出・搬入支援や企業への協力等を積極的に働きかけること。
 ⑹ 被災者の移動支援体制の構築について、車の浸水被害により、買い物や通院等の日常生活に支障をきたしていることから、民間やボランティア等によるカーシェアリングや乗合サービス制度のほか、臨時の公共交通を検討すること。
 ⑺ 高齢者や障がい者等の災害弱者への支援について、ボランティアセンターに泥出し・畳上げ・家財の運び出しなどの依頼が引き続き寄せられていることから、きめ細かい支援を検討すること。
 ⑻ 被災した医療・福祉施設について、生命に関わる重大な状況も考えられることから、早期復旧に向け支援すること。
 ⑼ 防犯体制の構築について、過去の災害時にも空き巣被害等が見られたことから、警察等と連携し、パトロールを強化するとともに、防犯灯を設置すること。

2 円滑な災害対応と情報伝達の強化について
 ⑴ 支所等の窓口での手続について、混雑時に対応する職員の増員を速やかに実施し、被災者が煩雑な手続で多くの時間を費やすことのないよう、手法を簡略化して対応すること。
 ⑵ 各種申請に必要となる罹災証明書について、発行業務を円滑に行うため、住宅被害等の認定調査等を実施する人員を十分に確保できる体制づくりを行うこと。
 ⑶ 被災地域の利用者が増えることが予想されるコールセンターについて、体制の強化に努めるとともに、罹災証明書等の手続で窓口に来られない人などへのフォローや各種相談等について、適切に対応すること。
 ⑷ スマートフォンやSNSが利用できない被災者について、FMいわきを活用した災害情報の発信、車での巡回広報、回覧板など、様々な媒体を利用し、必要な情報を確実に届けること。また、媒体から情報を得られない被災者についても、速やかに必要な情報を確実に届けること。
 ⑸ 平時の災害対策について、特に河川改修については、工事内容の全体像と改修によってどのような効果が期待されるかということを、視覚的に分かりやすく伝えること。

3 ボランティア活動の充実・強化について
 ボランティアの派遣要望について、被災者情報の把握に努めるとともに、年齢や家族構成などから優先度を勘案し、適切に派遣すること。また、人員が不足していることから、ボランティアによる支援体制の拡大及び強化に努めるとともに、募集について広く周知すること。

4 被災した児童・生徒及び学校への対応について
 被災した児童・生徒も多いことから、学用品の支給、貸与及び給食費無償化などの支援や被災した学校の早急な再開を目指すとともに、児童・生徒の安全・安心な教育環境が提供できるように取り組むこと。

5 被災事業者への事業継続に向けた支援について
 被災後、事業を再開できない事業者が見受けられることから、被災事業者や被災農家に対し、制度資金の拡充や融資借換支援など、事業継続へ向けた伴走型支援を行うこと。

6 災害箇所の早期復旧及び今後の災害対策強化等について
 ⑴ 被災した公共インフラ施設、河川、各種道路、法面崩落及び農地、農業用施設等について、被害状況の全容把握及び課題を把握した上で早期復旧に努めること。
 ⑵ 今回被災した河川、道路、土砂崩れ等について、市は、県と協力し、二次災害が起きないよう早急に応急復旧に取り組むこと。
 ⑶ 今回被災した地域における内水氾濫の被害軽減について、計画を進めている地下貯水槽の早期完成と被害多発地域への排水ポンプの設置を進めるとともに、内水氾濫が頻発する江筋等の農業水路や排水路等の詳細を検証し、再発防止対策を進めること。

 ⑷ 内郷地区の対策強化について、金坂排水路整備の早期完成、金坂川のかさ上げ工事の早期着手と完成を目指すとともに、越水した新川、宮川及び決壊した藤原川の原因究明と再発防止策を講ずること。
 ⑸ 好間地区の対策強化について、砂防河川の井田木沢の早期復旧及び工事中の金子沢・渋井川周辺の浸水の原因究明と再発防止策を講ずること。
 ⑹ 未整備浸水想定区域図について、県に対し、早期整備を求めるとともに、市として、浸水ハザードマップの見直しを行うこと。
 ⑺ 地域全体の排水機能の強化について、雨水貯留施設等の整備を早期に実施すること。
 ⑻ 線状降水帯による災害対策の検討・強化について、被害が大きかったエリアの浸水のメカニズムを科学的に明らかにし、今回被害が少なかったエリアに関しても線状降水帯が発生した場合、どのような被害があり得るか分析をするとともに、そのエビデンスを踏まえ、河川改修だけではなく、内水の排水機能確保や田んぼダムなど流域全体の治水のあり方(流域治水)を明確にし、早期に対策を進めること。
 ⑼ 避難所の確保について、避難所自体が浸水した地区があることから、降雨量が多い場合でも、浸水の心配がない施設を指定すること。

7 国等への要望関係について
 ⑴ 河川・道路はじめ被害を受けた公共土木施設や農地等について、被害が広範囲にわたり、一刻も早い国における財政措置が必要であることから、早期の激甚災害指定が受けられるよう国へ働きかけること。
 ⑵ 民地の損壊などへの対応について、補修費の自己負担を減らすための補助金等の救済措置を国に求めること。

8 災害業務従事者への対応について
  災害対応に従事している職員の勤務体制、勤務時間の適正化及びメンタルケアを丁寧に行うこと。

9 被災者等からの要望への対応について
  被災者等からの要望事項については、同じ事案が様々な形で報告されることが予想されることから、市関係部局及び市議会が十分に情報を共有した上で対応すること。

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by kazu1206k | 2023-09-23 07:26 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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