市長提出の、令和5年台風13号等の災害対応に要する経費、事業費総額74億5,945万7千円の「令和5年度いわき市一般会計補正予算(第5号)」、いわき市石炭・化石館竪坑櫓解体工事の「工事請負契約について」、「令和5年台風13号による被災者に対する市民税等の減免に関する条例の制定について」「令和5年台風13号による被災者に対する国民健康保険税の減免に関する条例の制定について」の「専決処分の承認を求めることについて」合計4件、並びに9月定例会から継続審査中の「令和4年度いわき市歳入歳出決算の認定について」21件の議案を可決しました。
私は、「令和5年度いわき市一般会計補正予算(第5号)」のうち、災害復旧に関する国庫負担金及び国庫補助金について、ふるさと納税基金積立金・ふるさと納税推進事業費について、「工事請負契約」のいわき市石炭・化石館竪坑櫓解体工事について、専決処分の承認を求めることなどについて、議案の質疑を行いました。ちなみに、議案等に対する質疑は、意見を述べることはできないルールです。
35番、創世会の佐藤和良です。ただいまより、質疑を行います。
大きな第一点は、議案第1号 令和5年度いわき市一般会計補正予算(第5号)について、であります。
一つは、歳入15款1項4目国庫支出金の国庫負担金の災害復旧費国庫負担金、歳入15款2項3目国庫支出金の国庫補助金の衛生費国庫補助金、歳入15款2項9目国庫支出金の国庫補助金の災害復旧費国庫補助金について、です。
1点目、災害復旧に関する国庫負担金及び国庫補助金に関する国の交付率について、現状はどのようなものか、お尋ねします。
—答弁(財政部長)
15款1項4目災害復旧費国庫負担金の交付率につきましては、公共土木施設、学校施設のいずれも66.7 %となっております。
また、2項3目衛生費国庫補助金につきましては50 %、同項9目災害復旧費国庫補助金につきましては70 %となっております。
2点目、国に要望している激甚災害の指定があれば、交付率はどのようになるか、お尋ねします。
—答弁(財政部長)
激甚災害に指定された場合、15款1項4目災害復旧費国庫負担金につきましては、災害査定に基づく地方負担額及び当該自治体の財政力に応じて、嵩上げ率が決定される仕組みとなっております。
また、2項3目衛生費国庫補助金につきましては、交付率に変更はありませんが、同項9目災害復旧費国庫補助金につきましては、5%が嵩上げされ、75%の交付率となります。
3点目、激甚災害の指定に関して、本市は今後どう取り組むのか、お尋ねします。
—答弁(危機管理部長)
市といたしましては、激甚災害の指定に向けて、これまで、農地や農業用施設、公共土木施設などの被害状況の把握と、被害額の積み上げを進めてきたところです。
また、去る10月11日には、市長と市議会議長が共同で、県知事に対し、激甚災害の指定や財政支援の拡充等について、国に強く求めていただくよう要望したところです。
これを受け県は、10月20日に、内閣府防災担当大臣に対し、激甚災害としての指定等を盛り込んだ要望書を提出しています。
今後も、本市が激甚災害の指定、又はこれと同等の支援が受けられるよう、引き続き被害状況の把握に努めるとともに、県や他の自治体とも連携しながら、機会を捉え、国に対して働きかけていきます。
二つは、歳出2款1項7目企画費のふるさと納税基金積立金・ふるさと納税推進事業費について、です。
1点目、「令和5年台風13号の被災者の支援」への寄附の9月末時点における実績はどうか、お尋ねします。
—答弁(総合政策部長)
「令和5年台風13号の被災者の支援」に対する寄附実績につきましては、9月末日現在で、寄附件数が7,707件、寄附金額が1億4,193万9,300円となっています。
2点目、充当額や充当する事業など、充当の考え方はどうか、お尋ねします。
—答弁(総合政策部長)
寄附金につきましては、返礼品等に要する経費を除き、被災者支援に要する経費に充当することとしています。
具体的な充当額や充当事業などにつきましては、寄附金額をはじめ、各事業の内容や事業費、国の補助金等を踏まえ、個別に判断いたします。
3点目、床下浸水の被害者などに対し、この寄附を活用した市独自の支援策を行う考えはあるのか、お尋ねします。
—答弁(総合政策部長)
床下浸水の被災者などに対しては、現在、床下消毒や高圧洗浄機・床下乾燥用送風機の貸し出しなどの支援を実施しています。
寄附金を充当する具体的な被災者支援に係る事業等については、被災者の生活再建の状況や寄附金の実績なども勘案しながら、市独自の支援策も含め、今後適切に対応していきます。
大きな第二点は、議案第2号 工事請負契約について、であります。
一つは、いわき市石炭・化石館竪坑櫓解体工事について、です。
1点目、竪坑櫓は、いわき市石炭・化石館のシンボルタワーとして設置されましたが、解体に関して市民の意見はどのようなものか、お尋ねします。
—答弁(観光文化スポーツ部長)
令和5年6月幻日に、常磐炭田史研究会及びいわきへリテージ・ツーリズム協議会から要望をいただくなど、市民の皆様から、竪坑櫓の存続と早期の開館について、声が寄せられております。
2点目、竪坑櫓の調査では老朽化により竪坑櫓の安全性を確認することが困難と判明したとされますが、調査はどのような内容か、お尋ねします。
—答弁(観光文化スポーツ部長)
竪坑櫓の安全性を確認するためには、耐震診断が必要である一とから、その結果を踏まえ、その後の対応を決定することとしておりました。
しかしながら、作業員の安全確保及び最上部鉄骨の処分方法確認のため、塗膜の調査を実施したところ、鉛の含有が確認されました。
耐震診断の際に行う超音波探傷試験には、竪坑櫓全体の塗膜除去が必要となります。
この保存を前提とした塗膜除去及びその後の補強には、解体の数倍の費用及び時間が見込まれました。このことから、耐震診断の実施を断念し、止む無く、解体を判断したものであります。
3点目、竪坑櫓解体工事の概要は、どのようなものか、お尋ねします。
—答弁(観光文化スポーツ部長)
高さ約26mの鉄骨造の竪坑櫓を解体した後、鉄骨材表面の鉛を含んだ塗膜を除去する工程となっております。工期として、令和6年10月31日までを見込んでおります。
4点目、入札参加数、予定価格、最低制限価格、落札率など一般競争入札の概要は、どのようなものか、お尋ねします。
—答弁(観光文化スポーツ部長)
入札参加者4者、予定価格1億6,885万円、最低制限価格1億5,471万4 ,015円、落札率が約93.5%となっております。
5点目、いわき市石炭・化石館が長期休館となっていますが、全館休館しないと工事中の安全が確保されないのか、お尋ねします。
—答弁(観光文化スポーツ部長)
竪坑櫓の設置場所が、石炭・化石館の建物の上であるため、来館者の安全性確保の観点から全館休館としているものであります。
6点目、令和4年5月から、いわき市石炭・化石館の長期休館により入場料収入はゼロですが、入場料収入及び入場者数などコロナ禍前の状況はどうだったか、お尋ねします。
—答弁(観光文化スポーツ部長)
コロナ禍前の令和元年度の入館者数は、約9万1千人、観覧料は、約4,570万円となっております。
7点目、いわき市石炭・化石館の再開は、いつになるのか、お尋ねします。
—答弁(観光文化スポーツ部長)
竪坑櫓解体工事の契約工期は、令和6年10月31日まででありますが、来場者の安全性が担保された段階において開館することも検討して参ります。
8点目、シンボルタワーなき後の、いわき市石炭・化石館の今後の運営は、どうなるのか、お尋ねします。
—答弁(観光文化スポーツ部長)
石炭・化石館は昭和59年10月に供用を開始、その後の平成21年の展示替えリニューアルから既に14年が経過しております。
同施設は常磐地区のみならず、本市の重要な観光拠点施設であり、地域経済の波及効果は大きいものと捉えております。
観光拠点施設として、更なる魅力アップのためには、再リニューアルが必要な時期であると認識しておりますことから、今後、同施設のあり方について、関係者の皆様と協議して参ります。
大きな第三点は、議案第4号 専決処分の承認を求めることについて、であります。
一つは、令和5年台風第13号による被災者に対する国民健康保険税の減免に関する条例の制定について、です。
1点目、減免の基準及び割合について、事業収入等の減少による減免と住宅の損害による減免が重複する対象者について、それぞれ減免割合が異なることになりますが、その場合の減免の適用方法はどうなるのか、お尋ねします。
—答弁(市民協働部長)
減免基準が重複する対象者につきましては、それぞれの減免額を積算し、高い方の額が適用となります。
2点目、減免の申請方法など、市民への周知はどのように行うのか、お尋ねします。
—答弁(市民協働部長)
今回の減免につきましては、住宅の損害の場合は申請が不要となる一方、収入減少などの場合は申請が必要となるなど、それぞれの減免基準により申請方 法が異なります。
このため、減免の申請方法などにつきまして、被災者生活再建支援パンフレットへの掲載や市公式ホームページのほか、市広報紙や医療費のお知らせ通知への掲載などにより、分かりやすい周知に努めて参ります。