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ALPS配管洗浄の汚染水かぶり被曝事故で東電交渉

 脱原発福島ネットワークなど福島県内の10市民団体は、再開第75回東電交渉を11月15日、いわき市内で行いました。
 冒頭、10月25日、福島第一原子力発電所で、増設ALPSのクロスフローフィルタ出口配管内の洗浄作業において身体汚染が発生した件で「増設ALPS配管洗浄作業での身体汚染による労働者被曝事故についての要請書」を提出しました。(要請書は下記に掲載)
 今回の事故は、増設ALPSの前処理設備から吸着塔につながる配管内の洗浄を実施していた際、洗浄廃液を移送していた受け入れタンクから仮設ホースが外れ、汚染水が飛散し、身体汚染するという、作業管理の失敗事故であり、汚染水がALPSを通過するときに除去された、放射性物質が凝縮された炭酸塩スラリーを含む高濃度の洗浄廃液をかぶったもので、極めて重大な作業被曝事故です。
 福島第一原子力発電所の事故収束作業では、2013年にも汚染水を被り身体汚染した被曝事故があり、その際も再発防止を誓っていながら、今回も装備の不備、作業計画の不備など作業班が不完全のまま危険業務を実施していました。東京電力の作業管理の不備、効率優先の企業体質が改善されない限り、事故の再発防止は不可能です。
 福島県内の10市民団体は、汚染水処理はじめ現場で働く作業員を守るため、下記の4点を強く要請し誠意ある回答を求めました。
 1、本件被曝事故と作業管理の失敗の原因を徹底究明し明らかにすること。
 2、身体汚染による被曝の実効線量や皮膚の等価線量の評価を明らかすること。
 3、作業管理の不備、効率優先の企業体質を改善し、装備の不備、作業計画の不備のまま危険業務に従事させないこと。
 4、身体汚染に関わる福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画を遵守し、労働者被曝事故の根絶を図ること。 
 引き続き、23年3月16日付「理解と合意なき汚染水の海洋放出の中止を求める要請書」の再質問への再回答と質疑のほか、これまで質問事項への未回答への回答を求めました。

■ やりとりの概要は、以下の通りです。

1、「増設ALPS配管洗浄作業での身体汚染による労働者被曝事故についての要請書」の提出と質疑応答
[市民質問] 
・①被曝者の最大被ばく線量は?②漏洩水の表面線量は?③漏洩量の現場確認はしたのか?④漏洩水はどう片付けたのか?
[東電回答]
・現在調査中。原因と対策は、とりまとめている。取りまとめたら公表する。→次回、回答。
[市民質問] 
・まだ調査中というのはいかがか?
[東電回答] 
・当初の漏洩量100mLは3人の作業員の目視の量。数Lは、退院した2名の聞き取りで、数L出たのではという話。詳しくは、5人から出水と床への聞き取りを行っている。2つの情報で知らせた。
[市民質問] ・東電は、当日、現場確認をしたのか?
[東電回答] ・今日参加している社員3人には、その情報はない。
[市民質問] ・線量はどのくらい浴びたのか?振り切れたというが。
[東電回答] ・一番浴びたのは、β線警報アラームの人。水を浴びて下腹部を測ったら100kcpm(100✖︎1,000)。
[市民質問] ・5名中経験者はいたのか?何年か?熟練度はどうか?
[東電回答] ・どう回答出来るか→次回、回答。
[市民質問] ・被爆者は同じ場所で働いているのか?
[東電回答] ・就労状況は答えられない。
[市民質問] ・健康調査はしていくのか?健康について責任を持ってやっていくのか?
[東電回答] ・現在答えられない。持ち帰る→次回、回答。
[市民質問] ・配管洗浄は不可欠な作業というのは、いいか?
[東電回答] ・年1回の計画で実施している。
[市民質問] ・高線量区域に3次請けを入れているのはどうか?
[東電回答] ・ALPSは入口を施錠して通常は入れない。今回は計画作業をしたもの。
[市民質問] ・2014年第19回評価検討会の小坂福島地域統括の発言は?
[東電回答] ・無回答。
[市民質問] ・元請けは?
[東電回答] ・東芝系の企業。
[市民質問] ・作業計画は妥当だったか?
[東電回答] ・計画自体は規定通りだが、アノラックなど現場の聞き取りをしている。もう少し時間がかかる。
[市民質問] ・硝酸は、消防法上、危険物だ。5人に危険物取扱の資格者はいたのか?安全作業に対する管理が緩い。
[東電回答] ・→次回、回答。  

2、「理解と合意なき汚染水の海洋放出の中止を求める要請書」(3月16日提出)への質疑に対する再回答

① 「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」とする福島県漁連等との文書約束を守り、理解と合意のない汚染水の海洋放出は中止すること。

[市民質問] ・責任を果たしていくというが、放射能を広げないのが責任ではないか?約束は守ったと思っているのか?
[東電回答] ・政府から関係者の一定の理解を得たとの認識が示された。国の指導の下、廃炉実施主体として重く受け止め、ALPS処理水の海洋放出を安全最優先に進めていきたい。風評を生じさせないという決意で、①安全の確保、②モニタリングの実施、③IAEAの継続的なレビュー、④風評対策と損害賠償などを行い、実施主体の役割を全うしたい。

② 放出する全放射性核種の濃度、総量などの全情報を公開し、海底土や海浜砂、生物への吸着・濃縮による放射能の蓄積とフィードバックを再評価すること。

[市民質問] ・規制委員会の特定原子力施設監視・評価検討会第102回の対策案はどうか?
[東電回答] ・①スラリーを脱水し固形物化。漏洩等のリスクが低減した形で、安定保管できることを目的にスラリー安定化処理設備を新設する。②第103回(22.10.26)において、フィルタープレス機については、セルもしくはグローブボックスの中で取り扱う方針に見直し、成立性検討を実施し、第109回(23.10.5)で実施結果を報告。引き続き、26年度末の運用開始に向け安全最優先で対応する。
[市民質問] ・漁業者にはどのような利益になるのか?
[東電回答] ・次回、再回答。
[市民質問] ・IAEAの正当化プロセスを踏まえているか?
[東電回答] ・次回、再回答。
[市民質問] ・便益と弊害というが、現時点で1,400億円の費用支出があり、国民の税金ではないか?国民負担はいくらか?
[東電回答] ・次回、回答。
[市民質問] ・炭素14の放出は大丈夫という根拠は何か?
[東電回答] ・現在、我が国の法令にはトリチウムだけでなくC14や他核種の濃度基準(告示濃度限度)が示されており、液体放射性物質を放出する場合、排水中の放射性物質の告示濃度限度比1未満を求められている。当社は放出に当たっては、法令に基づく基準を大幅に下回る数値で実施する計画。具体的には、トリチウム以外の物質を環境へ放出する際、規制基準を下回るまで何度でも浄化処理を行い、トリチウム以外の物質が希釈により規制基準未満となることを測定確認し、設備を確認した上で、放出する計画運用である。さらに海水で100倍以上に希釈することで法令で求められる基準を大幅に下回ります。
[市民質問] ・分析体制は?
[東電回答] ・次回、回答。

③地下水の止水、トリチウム分離技術の実用化、大型タンク保管案やモルタル固化保管案等の検討、スラリー安定化処理設備の設置など、汚染水についての抜本対策を確立すること。
[市民質問]
・27年3月、安定化処理施設の運転開始までの工程は?
[東電回答]
・次回、回答。

3、22年5月12日付「理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書」への東京電力の回答など、これまで質問事項への未回答への回答

○質問ースラリーの放射性物質は?前処理で出た沈殿物。処理後のストロンチウム等。
[東電回答]
・次回、回答。
○質問ーろ布交換作業の線量、ろ布の濃度は?
[東電回答]
・次回、回答。

4、22年11月16日付「福島第一原発1号炉の原子炉圧力容器を支えるペデスタルの損傷に関する早期の詳細調査と緊急安全対策を求める要請書」への再回答と質疑


⚫️増設ALPS配管洗浄作業での身体汚染による労働者被曝事故についての要請書

東京電力ホールデングス(株)代表執行役社長 小早川 智明 様  
                              2023年11月15日

 貴社は、2023年10月25日、福島第一原子力発電所において、増設ALPSのクロスフローフィルタ出口配管内の洗浄作業において身体汚染が発生したと公表しました。
 貴社の概要説明によれば、洗浄作業中に、洗浄廃液を移送していた受入タンク内から仮設ホースが外れ、作業をしていた協力企業作業員2名に洗浄廃液が飛散し、外れたホースをタンク内に戻した作業員1名にβ線6.6mSvでAPDの鳴動を確認、ERにて汚染測定の結果、作業にあたっていた5名のうち洗浄廃液が飛散した2名と飛散水の清掃にあたった2名に身体汚染があり、除染を実施したが洗浄廃液が飛散した2名は、退出基準(4Bq/cm2)以下までの除染が困難なため、福島県立医科大学附属病院へ搬送、入院。病院での処置後、10月28日に退院したが、元請け企業によると、現時点で体調面に問題はなく、汚染部位の皮膚に特に異常は確認されていない、としています。
 貴社は、ホース先端がタンクから外れた原因は、配管内部に溜まった炭酸塩と洗浄薬液(硝酸)の反応によって発生したガスが勢いよく排出され、タンクから外れたものと説明しています。
 このALPS設備内部で炭酸塩スラリーを硝酸で溶解させる洗浄は、ALPSの運用に不可欠な作業とされ、今回の事故は、前処理設備から吸着塔につながる配管内の洗浄を実施していた際、洗浄廃液を移送していた受け入れタンクから仮設ホースが外れ、汚染水が飛散し、身体汚染するという、作業管理の失敗事故であり、汚染水がALPSを通過するときに除去された、放射性物質が凝縮された炭酸塩スラリーを含む高濃度の洗浄廃液をかぶったもので、重大な汚染水作業被曝事故です。現時点で、身体汚染による被曝の実効線量や皮膚の等価線量の評価も明らかではありません。
 貴社は、当初の発表では、漏えい量100mL、作業員は一次請け5名の作業班としていましたが、その後、漏えい量も数Lで正確な量は評価中とし、作業員は三次請け3社が入っており、作業班長も現場には入らなかったことを認めました。経験の浅い三次請け作業員が作業班長の不在のまま危険業務を実施したことは不適切な作業管理であり、東京電力の作業管理に問題があります。多重下請け構造の中で、東京電力の責任を曖昧にすることは許されません。
 貴社は、今後の飛散対策として、「適切な固縛位置を計画する。工事監理員および工事担当者は、計画通りの固縛位置になっていることを作業開始前に確認することとする。」また、汚染対策として「作業に適した装備の徹底を図る。水を扱わない作業者であっても、水の飛散により汚染する恐れがある場合は、アノラックを着用する。」と説明しています。
 しかし、2013年にも汚染水を被り身体汚染した被曝事故があり、その際も再発防止を誓っていながら、今回も装備の不備、作業計画の不備など作業班が不完全のまま危険業務を実施させたのは東京電力です。貴社の作業管理の不備、効率優先の企業体質が改善されない限り、事故の再発防止は不可能です。
 この際、汚染水処理はじめ現場で働く作業員を守るため、以下、強く要請し誠意ある回答を求めるものです。
              記
1、本件被曝事故と作業管理の失敗の原因を徹底究明し明らかにすること。
2、身体汚染による被曝の実効線量や皮膚の等価線量の評価を明らかすること。
3、作業管理の不備、効率優先の企業体質を改善し、装備の不備、作業計画の不備のまま危険業務に従事させないこと。
4、身体汚染に関わる福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画を遵守し、労働者被曝事故の根絶を図ること。

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by kazu1206k | 2023-11-15 22:34 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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