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エネルギー基本計画の策定プロセスに関して、市民団体が要請

 5月9日、原子力市民委員会、気候ネットワーク、原子力資料情報室、FoE Japan など7団体が、経済産業大臣と環境大臣に「エネルギー基本計画の策定プロセスに関する」要請書を提出して、記者会見を行いました。
 今年は、約3年に一度の「エネルギー基本計画」改定の年、審議会での議論が始まります。
 エネルギー・気候変動を巡る情勢は大きく変化し、再生可能エネルギーの電源割合は20%を超え、国際的にも気候危機への対応や脱化石燃料の機運が高まっています。しかし、原子力は、能登半島地震によって規制や避難のあり方が改めて問われ、再稼働へのハードルが一層高まっているにも関わらず、エネルギー政策の議論は、化石燃料・原子力業界や関連の研究開発に関わる委員が多数を占める審議会でのみ行われ、気候変動や再生可能エネルギーに関わる委員の参加はほとんどなく、市民の声を聞くプロセスも、非常に限定されています。
 このため、環境・エネルギーシンクタンク、NGO、若者団体が合同で、エネルギー基本計画に関わる委員選定やプロセスに対し問題提起を行ったものです。
 「エネルギー基本計画の策定プロセスに関する要請」では、エネルギー基本計画策定については、そのプロセスに大きな問題があるとして、以下のような観点からの見直しを強く要請しています。
 (1)現在のエネルギー・気候変動をめぐる状況に合わせた委員構成
 国民にとって重大な関心ごとであるエネルギー政策は、社会を構成するメンバーが公平・中立的に 参加する必要がある。 現在の委員構成は産業界、経済界、技術研究機関等、原子力・化石燃料分野の関係者に大きく偏っている。再エネ事業関係者、環境団体、若者団体、一次産業の関係者、気候災害や福島第一原発事故の当事者なども含め、年代・ジェンダーバランスにも配慮すること。
 (2)情報公開・透明性の確保
 議事進行や議題の選定などが事務局主導で行われているが、検討過程で参考にしたデータや資料も全て公開すること。
 (3)「国民的議論」の実施
 2012 年夏の国民的議論は、政権交代に関わらず広く市民の声を拾うことを目的として制度設計されていた。この結果を参考情報とするとともに、同様に様々な方法を組み合わせた「国民的議論」の実施が必要である。
 (4)可能な限り多様な市民参加プロセスの構築
 議論の最終段階で実施するパブリックコメントにとどまらず、審議会の中でも環境団体や消費者団体、若者団体などからのヒアリングや福島第一原発事故、再エネや気候変動に関するヒアリングを行うなど、経済界・産業界にとどまらず社会のさまざまな層からの意見収集を行うこと。また、公開の意見交換を、福島もふくめ全国各地で、できるだけ早い段階で行うこと。
 (5)大きく変化する国内外の状況を踏まえること
 議論の前提として、IPCC第 6 次統合評価報告書や気候変動枠組条約締約国会議、G7 などで化 石燃料脱却に向けた合意、脱炭素に向けた国家・非国家の取り組み、気候変動の現状、再生可能エネルギーのコストの低下、省エネルギーの進展など、2021年エネルギー基本計画時からの国内外の変化について、十分な情報収集・ヒアリングを行うこと。
                                            以上










by kazu1206k | 2024-05-22 19:35 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k