11月1日、福島原発刑事訴訟支援団による第9回最高裁行動、「最高裁は口頭弁論を開け! 東電元経営陣の刑事責任を問う集会」が行われました。 東電元経営陣の刑事責任を追及する最高裁行動9回目は、最高裁判所正門前で午前10時にスタート。前日10月31日に元東電会長・勝俣恒久被告の死亡報道があり、テレビ各社が取材に入る中、支援団の団長の挨拶、弁護団の海渡弁護士、福島県内、各地の避難者が次々と最高裁判所に向かいアピール。「最高裁は口頭弁論を開け! 」「高裁判決を破棄せよ!」「草野判事は自ら身をひけ!」「最高裁は原発事故の被害と向き合え!』と約60人の参加者が口々にシュプレヒコールを行いました。
11時前、最高裁面談室に代表17名が入り、最高裁訟廷監理室の担当官に『東電と密接な関係のある最高裁・草野耕一裁判官に「東電刑事裁判」の審理を回避するよう求める署名』第8次分161筆を提出、署名は累積で14,506筆になりました。
参加者からは、10月27日の最高裁判所裁判官の国民審査で、6人中4人が罷免すべきとする票の割合が10%を超え、この20年で最も高いことから、最高裁に対する国民の信頼が揺らいでいる現状を直視すべきという指摘があり、原判決が原子力行政に忖度した事実誤認の不当判決であることから、最高裁は口頭弁論を開いて審理を尽くし原判決を破棄すべきであることなど、係属している最高裁第二小廷の判事に伝えるよう訴えました。
午後1時から、「最高裁は口頭弁論を開け! 東電元経営陣の刑事責任を問う集会」が開かれました。
冒頭、支援団長は、検察官役の指定弁護士が昨年1月に上告し、同年9月の上告趣意書提出から1年が経ち、年内や年度内の判決の憶測があるものの最高裁側の動きを窺い知ることができないことから、最高裁は口頭弁論を開いて審理を尽くし原判決を破棄せよと毎月の最高裁行動を続けようと訴えがありました。弁護団の報告に続いて、後藤政志さん(元原子力プラント設計技術者)が『13年経っても見通しの立たない福島の廃炉-再稼働を強行する政府と電力業界は日本を窮地に追い込む-』と題して講演し、東電福島原発の事故処理の現状はじめ、東電刑事裁判控訴審で証人申請が却下された後藤さんが控訴審で証言するはずだった内容、東電が示す廃炉に向けたロードマップの非現実性についてなどをお話しいただきました。
集会は、最後にシンガーの長谷川光志さんが福島原発刑事訴訟支援団オリジナルソング『真実は隠せない』を会場の参加者とともに大合唱して閉会しました。
犠牲となった被害者の無念を思い、日本最大の公害事件である東電福島原発事故の刑事責任を明確にして、今後の原発事故を防ぐために、私たちは、あきらめません。