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デブリ試験的取り出しの個人最大被ばく線量1.24msv/h、東電交渉

11月14日午後、再開第81回東電交渉が開かれました。
 今回は、「2号機燃料デブリ試験的取り出し及び廃炉「2051年完了」についての要請書」(11月14日ブログに掲載)の提出を行い、23年3月16日付「理解と合意なき汚染水の海洋放出の中止を求める要請書」の再質問への再再々々々回答と質疑、22年5月12日付「理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書」の回答へのスラリー関係など再質問への回答と質疑、2号機燃料デブリ試験的取り出し作業中断に関する質疑への回答を行いました。
 主なやりとりの内容は、以下の通りです。

1、「2号機燃料デブリ試験的取り出し及び廃炉「2051年完了」についての要請書」(11月15日ブログに掲載 https://skazuyoshi.exblog.jp/33326464/)提出

・代表世話人が朗読、手渡した。新聞各社が撮影取材。
[東電]記者は冒頭の撮影だけにして欲しい。忌憚のない意見交換ができなくなる。
[市民]これまでそんな話はなかった。公開資料を外れる話題はなかった。特に問題ないはずだ。

2、23年3月16日付「理解と合意なき汚染水の海洋放出の中止を求める要請書」回答への再再々々々質問への回答と質疑

[市民]便益と弊害というが、現時点で1400億円の費用支出があり、国民の税金ではないか?国民負担はいくらか?あらためて、①費用支出に関する基本的な認識、②納税者負担、国民負担の認識、③東電の賠償、国の予算は、どの程度国民負担を想定しているのか、この3点に回答いただきたい。
①費用支出に関する基本的認識
[東電]福島第一原発事故により今も尚、ご負担をおかけしていることに関してお詫びする。廃炉を安全着実に進め、リスクの低減を進め、処理水放出に対しては、設備の運用の安全や品質の確保、海域のモニタリングと正確で分かりやすい情報発信、IAEAレビュー等を通じた透明性の確保、風評対策と損害発生への一つ一つ適切な賠償をしっかり行い、一つ一つのプロセスを積み重ねる努力を継続してまいります。
②納税者負担、国民負担の認識
[東電]東電は福島第一の事故を起こしたことをうけ、F1の廃炉と福島の復興を成し遂げるために存続を許された会社と認識しております。存続するための諸費用については東電の利益と合わせて、原子力損害賠償・廃炉支援機構による資金管理並びに交付を受けております。廃炉費用については東電の利益から積み立てを行い、毎年取り戻し計画を立てて交付を受けております。また、賠償費用については、賠償額に応じて資金交付を受け、賠償に充てておりますが、それらは将来長期にわたって東電の利益から返還をしていくこととなります。東電のお客様や需要家の方、利用者、地域の方々を始め様々なステークホルダーの方々に多大なるご迷惑をお掛けし、深くお詫び申し上げます。
[市民]8兆円貯まるまでにいつまで掛かるのか? 2051年までに積み立ては不能?それまでに完了できないのでは。実際には国民負担になっているのでは?
③東電の賠償、国の予算は、どの程度国民負担を想定しているのか
[東電]配付した資料3参照。11月11日処理水対策チームでとりまとめたもの。P.43からが当該回答にあたる。P44補正予算、P46各資金執行状況。P48が東電の数字。海洋放出への損害賠償の状況。450億円。しかしこれらが今後どうなっていくかの全容を見通すことは難しい。今後被害が発生した場合他事情を聞きながら適切に賠償する。
[市民]今後1400億という額になっていく。これまでで放出の費用がそれだけ出ているということで、認識について言葉は多いが見えない。
[東電]全容は見えない。
[市民]損害が増えていくことに対しては?
[東電] 廃炉を進めるために、着実にやっていく。見通しは持てない。多くの方にご迷惑をお掛けすることにお詫びする。
[市民]一強政権の支配が続く中、続いてきた支出のあり方は健全ではない。
[市民]これらは政治的に行われている。この金額すべてに対して東電は長期にわたって返済していく考えなのか。政府と別途交渉するのか?
[東電]将来的なことは答えられない。あくまで支援策としての数字。政策パッケージとして。東電があくまで被害を起こした企業であるとの認識で、賠償部分は東電が受け持つ仕立てになっていると思う。先々の設計は分からない。
[市民]損害賠償の一部を政府が担っている。国民の負担でまかなっていることになる。そこをはっきりしないと、東電は知らないという脈絡にならないか。損害賠償機構と政府とのすりあわせはないのか。
[市民]政府が持つという建て付けに見える。再度聞いてもしょうがないか・・・。
[東電]様々なステークホルダーの意見を聞く。
[市民]令和4年補正予算で追加されているが、毎年大きな一般予算を使っているのは分からない。廃炉予算に責任持つそうだが、いつまで掛かるのか本当に支援できるのかわからない。最短でも70年~100年掛かると聞いた。それ以外の漁業者などへの支援、風評対策などまでも国家予算として納税者の財産でやっていくのか?20~30代の中絶が増えているような国民が苦しい中で、無駄遣いに感じられる。新聞には実質は東電の電気料金値上げでまかなっていると書いてある。曖昧なところ、区分けをはっきり教えて欲しい。
[市民]政府側の対策チームが書いている通り、放出設備に400億円掛かっており、全部入れると1850億円になる。それらは国税として国民負担になっている。「廃炉と復興のために残された会社」と言っていたとおり、資金管理されている。国費に近いという認識になる。
[市民]1800億円かかるそうだが、デブリに触れた水を増やさないためにどれだけ金をかけているのか。割合として。増やさない努力をしているのか聞きたい。
[東電]雨水や地下水も入ってくるので、ケーシングなどの対策をしている。  
[市民]放出ありきで食い止められていないのか知りたい。
[東電]ケーシング、凍土壁、サブドレンなど、 地下水が入ってくる箇所を外堀を埋めて止めようとしている。建屋と建屋間の10cmの隙間から入ってきているのをモルタルで埋めていく予定。5・6号機を試験的に実施した。→3・4号機の局所的ところに移行。2028年度を目標に一日当たり50~70立方メートル/日を目標に、今は100を下回るようになっている。
[市民]雨水などの対策は頑張っているようだが、最大の問題は地下水だ。すると永遠に地下水は止められず、汚染水は永遠にたまっていくのか。いつになったら減るのか。ゼロになるのはいつなのか分からない。
[東電]ゼロが良いとは限らない。管理しているが、ゼロになったら中の水が逆流する。大きなところから管理しており、フェイシング(傘)を付けることで効果は出ている。建屋周りは10%の進捗率。

3、22年5月12日付「理解と合意なき汚染水海洋放出設備工事の6月着工の中止などを求める要請書」の回答へのスラリー関係など再質問、これまで質問事項への未回答への回答

[市民]①スラリーの数値、ガンマ線かベータ線か。②デブリは、インベントリの核物質の総量の中に入っているのか?
[東電]①ガンマ線である。ヒックの表面線量は金属製の補強体で覆われているため、金属の表面で測っている。補強体自体は厚さ1cm程度。元々は吊りつり上げのためにポリエチレンの内部をステンレスの容器で覆っている。ガンマ線しか出てこない。中のベータ線はヒックで遮蔽されている。
②[東電]右下ページの5ページ目、円グラフがイメージつかみやすい。ピンク色の部分。最後の7ページ,表の赤枠部分。燃料デブリを除いたものとして、110ペタベクレルとなった。
[市民]燃料デブリより吸着剤の方が高い?
[東電]セシウム137と考えられる。
[市民]セシウム137がほとんどだという考えなのか。
[東電]ストロンチウムの換算もあり得る。
[市民]セシウム吸着塔というのは運び出したりしていないのか。
[市民]燃料デブリの単位は
[東電]いわゆる放射能っていうこと。積算
[市民]7ページの1・3号機の・・・を見ると、燃料デブリが入っていないのでは。燃料デブリは抜け落ちたのだから、最低限450ペタベクレル有るはず。東電資料を見ても、110ぺたベクレルはあり得ない。
燃料デブリを今後調査しなければならないのに、インベントリとして
[東電]規制庁の間接的計算。根拠等は不明。この中にインベントリとして、含まれている。
[市民]デブリは入っていない。もう一度規制庁に聞いて欲しい。あり得ない。東電として計算していないのか。精査するのが当たり前では。
[市民]燃料の中にどれぐらい入っているかは分かっているんですよね?仮定だからいくらでも言えるが、妥当かどうかは分からない。
[東電]皆さんが規制庁に聞くことはできます。委託先に出しているかも。

[市民]今年第一原発で起きたトラブル、①②高温焼却炉から漏洩③廃棄物貯蔵キットから火災:6月④負傷者発生:6月。東電の状況を見ると、規制庁ではこう言っている。「リスク管理そのものの不備」「人と環境を守ると言う大前提の元、適切に実施されていない」。東電社員が1000人を切っている→素人集団ではないのか。基本的振る舞いができていない。手順書を作成しても知らない・守らない。チェックリストが形骸化し機能していない。最新現場状況確認を行わず、思い込みで作業。改善していない。作業量が膨大、経験のない人材を派遣せざるを得ない等、他の作業所と大きく異なっている。実効性のある改善が必要とまで言っている。5年前に規制庁に指摘されたことが変わっていない。
[市民]「1年間に東電社員は何人辞めているか」聞き続けているが回答がない。東電社員がどんどん辞めていると聞いている。現場が手に負えない状況でプレッシャーが強く、続けられなくなっている。前回の試験的取り出しという重要な局面での配管接続ミス。東電社員が居なかったと聞く。
[東電]→次回、依願退職者数を調べてくる。(廃炉カンパニーではなく。)東電に残って業務を続けるかどうかはそれぞれのご判断になる。検査の前日や翌日などにはいた。付帯作業をしていた。
[市民]重要な現場に社員を貼り付けないという姿勢が問題だ。

4、2号機燃料デブリ試験的取り出しについての質問への回答

[市民]そもそも880トンのデブリ取り出しが始まるかのような印象報道があるが、実態は違う。①2号機燃料デブリ試験的取り出し作業の必要性について、②2号機燃料デブリ試験的取り出し作業による労働者の被曝量について、③中長期ロードマップの見直しについて、次回に回答いただきたい。
[東電]①2号機デブリ試験的取り出しの必要性:現在燃料デブリの取り出しは、ステップバイステップの取り組みであり、まずは内部調査や2号機の試験的取り出しから始め、性状やその後段階的に行われる取り出し規模の拡大に向けた方法の検討などに繋がる情報を得ていくうえで、試験的取り出しは必要となります。
[東電]②2号機燃料デブリ試験的取り出し作業による労働者の被曝量について:(準備作業の時の労働者の被曝量で良いですか?7月の分しかないです。)7月27日の時の個人の最大被曝量は1.2msv/h。7月28日、個人最大が1.24msv/h。7月29日、個人最大被曝量は1.12msv/h。数十分から1時間の作業。
[市民]総被ばく線量は?
[東電]27日は62人が作業に当たり、24.1人msv/h。28日は60人、31.1人msv/h。29日は63人、9.8ヒ人msv/h。
[市民]この中に東電社員は入っているのか。
[東電]いない。ほかの作業をしている
[市民]高線量下の労働時間は?
[東電]1~2時間。
[市民]アラームが鳴ったら、自分で退出できるのか?
[東電]5段階に区切られた線量計を持って入り、3回鳴ったら引き上げるきまり。
[市民]「改善」について。プレッシャーを感じていると。廃炉カンパニー社長は「一旦立ち止まって振り返るように」。しかし現場の作業員はたいへんすぎてその余裕はないという。たいへんな職場である。線量高い、よく分からない人が多い、振り返る余裕がない。廃炉を頑張って欲しいと思っているが、同情を禁じ得ない。辞めた方が良いのではないか。
[東電] 改善活動自体は昔からやっている。
[市民]リソースがきちんと配分されていない。酷い話だ。
[東電]コストカットを目的にするのではなく、高線量下でよけいな被ばくや無駄な動きがないように、導線の効率化などを勧めている。安全性の向上を目的に。遠隔技術を含めての改善活動になる。
[市民]規制庁が指摘するよう、基本的なことが現場で生かされていない、実施されていない。色々やっていても、現場に伝わらず効果がない。現場に反映されていない。規制庁の小林氏、非常に優秀だが間もなく辞めるらしい。「作業量が膨大で谷例のない初めての作業が多い。リスク除去などには実効性のある対応を・・・」。
[市民]デブリ取り出し、年月と費用が膨大に掛かる。たいへんなことだと分かるが、金や時間に見合ったことができているのか。今やらなければならないことなのか。正直な気持ちをお聴きしたい。
[東電]0.7グラムは結果であって・・・。被ばくを減らすために量を少なくしている。
[市民]むなしくないのか。0.7グラムに80億円かかっている。試験的取り出しの費用の内訳を。
[東電]研究開発などで東電が私企業としてやっていること。










by kazu1206k | 2024-11-18 22:41 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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