人気ブログランキング | 話題のタグを見る

福島第一原発事故から15年、「人間の復興」をめざして

 2026年3月11日、東日本大震災と福島原発事故から丸15年となります。
 2011年3月11日以来、政府の原子力緊急事態宣言が続いている、福島第一原発事故は、いまだに終息しておらず、放射性物質が大気中と海洋に放出されており、頻発する労働者の被曝事故の中、困難な事故収束作業が続いています。

 国と東京電力は、一昨年11月、福島第一原子力発電所2号機で度重なるトラブルの末、予定より3年遅れで燃料デブリ約0.693gを試験的に取り出したことにより、「福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」の「第3期」へ移行したと公言しています。しかし、これを主導する原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)は、総量880トンとされる燃料デブリの本格的取り出し準備に12〜15年、着手は2037年以降と公表しました。今や、「福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」の2051年廃炉スケジュールの破綻は明らかです。
 廃止措置とはどういう姿か。建屋の除却の有無、膨大な放射性廃棄物の処理、想定額で23兆円を超える廃止措置費用の財源問題など、廃炉に向けて、被災者住民はもとより国民的な議論や合意形成が必要ですが、その民主的プロセスも存在しません。国と東京電力は、廃炉のあり方の根本議論を逃げ続けています。

 政府は、今年4月から、新たに「第3期復興・創生期間」として5年間を設定します。
 避難指示区域の解除を進め、低線量被曝を強いる帰還・移住を促進し、「新たな住民の移住・定住」として、避難指示が発令された福島県内12市町村への移住者に1世帯当たり最大200万円の支援を行い、双葉郡8町村で、移住者が住民の半数を超えた自治体も出現しています。
 政府は、復興の切り札として、福島イノベーション・コースト構想により7年間で約1千億円の事業規模を見込む福島国際研究教育機構や産業集積などに巨額の復興予算を注ぎ込んでいますが、避難者が帰還可能な環境や人間としての尊厳が保障された「人間の復興」とはますます乖離するばかりです。
 政府と東京電力は、漁業者との約束を反故にして、ALPS処理汚染水の海洋投棄を強行しています。福島県漁業協同組合連合会は反対を堅持し、海洋投棄を一日でも早く止めたいとの市民の切実な思いは持続し、漁業者と市民による「ALPS処理汚染水差止訴訟」も続いています。
 政府と東京電力は、中間貯蔵施設に搬入された福島県内の汚染土を、施設期限2045年以降の県外最終処分の見通しも立たないまま、汚染土を公共事業等で再利用する方針の強行へ、基本方針と工程表を策定しました。
 このような現状で、政府は福島原発事故の教訓と被害者を踏み躙り、柏崎刈羽原発の再稼働はじめ原発の運転延長、建て替えなどの原発推進路線に原子力政策を転換し、2040年度までに原発による発電を2割に引き上げる第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました。

 東京電力福島第一原発事故の刑事責任を問う東電刑事裁判は、昨年3月5日、最高裁判所第2小法廷が、業務上過失致死傷罪で強制起訴された武黒一郎、武藤栄両被告について、検察官役の指定弁護士の上告を棄却する決定をし、被告の無罪が確定しました。
 しかし、第1審判決は、地震本部の長期評価に基づいて東電設計が算出した15.7メートルの津波高をもとに、東京電力が常務会で津波対策を承認していながら、武藤らによって先送りした事実が公判で明らかになり、予見可能性は十分立証されたにもかかわらず、東京地裁永淵裁判長が握り潰した不当判決でした。
 最高裁の決定は、双葉病院から避難の途中で亡くなった被害者とその遺族をはじめ、事故によって人々の生活と人生を壊した、日本最大の公害事件である福島第一原発事故の全ての被害者と被災者を踏みにじるものでした。人災事故を引き起こし、国民の生命と財産に甚大な被害をもたらしても、原子力発電事業者は何らの責任も問われず免責されるという法的前例となり、新たな原発事故の誘因ともなるもので、決して許されるものではありません。
 13年間闘ってきた福島原発告訴団と福島原発刑事訴訟支援団は、無念の死を遂げた被害者、その遺族、そして被災者の想い、これまでに鬼籍に入られた多くの方々の想いを、決して忘れず、過酷な福島原発事故の被害に向き合い、原子力行政におもねる司法をも変えるために、東電株主代表訴訟はじめ、全国で裁判を続ける皆さんや各地に生きる原発事故被災者の皆さんとともに、これからも活動を継続するとしています。
 
 福島第一原発事故の被害者、被災者は、全国に避難した人々、留まった人々、帰還した人々、それぞれの被害者の生活再建に向けて、いのちと暮らしを守るために、これからも市民活動を進めていくことが必要です。わたくしは、いのちと暮らしを守るための課題として、次のことを進めていきます。
 1、放射線被曝からいのちを守る
   ー市民測定室や市民活動へ支援を行います。
 2、東京電力を監視し交渉を続ける
   ー労働者の被曝・待遇改善、デブリ・汚染水・スラリーなど事故処理の現状を監視します。
    中長期ロードマップの見直し、廃炉の定義と実現性を問い続けます。
 3、原発事故被害者と市民の連帯と団結を進める
   ー東電株主代表訴訟や各地の損害賠償訴訟、311子ども甲状腺がん裁判、原発訴訟と連帯します。
 4、国と東京電力の情報操作・感情操作に抗う
   ー放射能安全キャンペーン、電通による震災関連広報事業を監視します。
 5、原発事故被害者救済制度の確立
   ー原発事故子ども被災者支援法等の実効性を問い、制度確立に向けて連携します。
 
 今年も、いのちと暮らしを守るため、幸福追求権・生活権の回復に至る人間としての尊厳が保障された「人間の復興」をめざして、市民一人ひとりの活動と繋がってまいります。

福島第一原発事故から15年、「人間の復興」をめざして_e0068696_19080325.jpeg

福島第一原発事故から15年、「人間の復興」をめざして_e0068696_19121238.jpg















by kazu1206k | 2026-01-02 19:14 | 脱原発 | Comments(0)