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中電浜岡原発データ捏造、真相解明と審査の全面的見直しを求め、CNIC声明

中部電力浜岡原発における基準地震動策定でのデータ捏造問題で、原子力資料情報室は1月8日「徹底した真相解明と、過去の審査の全面的な見直しを求める」声明を公表しました。
 以下、紹介します。

浜岡原発の基準地震動策定でデータ捏造
徹底した真相解明と、過去の審査の全面的な見直しを求める

                    2026年1月8日
                    NPO法人原子力資料情報室

1月5日、中部電力は浜岡原子力発電所の地震動評価における代表波選定が、原子力規制委員会の審査会合で説明した内容と「異なる方法や意図的な方法で実施されていた疑い」があることが判明したと発表した[i]。同日、経済産業大臣が電気事業法第106条第3項の規定に基づく報告を求めた[ii]。

1月7日、第50回原子力規制委員会で中部電力の不正事案の概要が報告[iii]された。報告によれば、2025年2月段階で原子力施設安全情報申告制度に基づき情報提供が行われ、これに基づき、5月から原子力規制庁が中部電力と複数回面談を行っていたところ、12月18日の面談で、中部電力が会社内部の調査でも不正行為が確認された旨の説明があったという。だが本件は「疑い」でも「不正行為」でもなく捏造・改ざんだ。原子力規制委員会は浜岡原発を敦賀原発の事例にならってただちに審査不合格とすべきである。

中部電力は審査会合で、「基準地震動策定にあたって、『統計的グリーン関数法』を用いた地震動の評価について、計算条件の異なる『20組の地震動』を計算し、それらの『平均に最も近い波を代表波』として選定する方法を用いる旨を説明」していた。一方、実際には2018年以前には「『20組の地震動とその代表波』のセットを一つではなく多数作成し、その中から『一つのセットの代表波』を選定」していた。また2018年頃以降には、「意図的に『平均に最も近い波ではないものを代表波』として選定したうえで、当該代表波が20組の平均に最も近くなるように、残りの19組を選定し、『20組の地震動とその代表波』のセットを作成」していた。原子力規制庁の説明によれば、2018年頃は内陸地殻内地震の審議をしている最盛期にあたり、敷地に近い活断層が地震動評価の対象となった時期にあたるという。前者については、説明と異なった評価手法を用いているうえ、選定段階で恣意性が入り込むという問題があり、後者は、意図的に過小評価となる手法を選んだという点で極めて問題が大きい。

中部電力は第三者委員会を組織して原因究明を図るという。だが委員の一人、森川久範弁護士はTMI総合法律事務所に入所後、原子力規制庁に出向し原発運転差し止め訴訟や福島第一原発事故賠償請求訴訟の国指定代理人となり、帰任後は東京電力の代理人を務めている人物だ。中立性には疑問符が付く。

本件は、基準地震動策定データの捏造・改ざんがおこなわれたものであり、断じて許されないが、これまでも繰り返されてきた問題でもある。電力各社の原子力部門は、専門性が高く、閉鎖性が強い。中部電力の長期多額の未精算金が発生していた問題でも原子力部門の閉鎖性が指摘[iv]されていた。振り返れば、2002年に発覚した東京電力の全原子力発電所でのトラブル隠し事案も内部告発によるものだった。その後、中部電力、東北電力、日本原電でも原発でのトラブルを隠していたことが発覚した。

原子力規制委員会は1月14日の定例会合で浜岡原発の審査をどうするかを決定するが、かなり重い判断になると説明している。一方、他社への水平展開については、安全性の確保は原子力事業者に一義的な責任があること、事業者と規制当局の関係は信頼すれどもチェックするというものだということ、また他社の検査の中で安全文化の劣化は見られないので、実施するつもりはないという。

だが、原子力規制委員会は、中部電力の安全文化の劣化についても、内部告発のある2025年まで感知できなかった。今、他社の劣化を検知できていないからといって、劣化がないかどうかはわからない。また、より致命的なこととして、現状、原子力規制委員会は申請資料が改ざんされたとしても見抜くことができない、という問題があることがはっきりわかった。原子力規制委員会は現状の審査制度を見直し、事業者には、整理後の二次資料ではなく、一次データの提出を義務化し、公開させるべきだ。また、計算プロセスのトレーサビリティの確保も必要だ。これまで提出された資料ではすべて事業者名義となっているが、実際には計算などを実行した担当者や委託事業者が存在するはずである。それらの名前を明記することで責任範囲を明確化するべきだ。

本件は中部電力一社にとどまらず、現在の規制自体の問題点を浮き彫りにした。規制体制の抜本的見直しが必要であり、さらに、他社への水平展開も当然必要だ。
                                  以上


by kazu1206k | 2026-01-12 20:26 | 脱原発 | Comments(0)