1月30日、福島市の福島地方裁判所で、「ALPS処理汚染水差止訴訟」の第6回口頭弁論が開かれました。
裁判は、2023年8月から始まった東京電力福島第一原発の汚染水海洋投棄が、原発事故を起こした国や東電による「二重の加害」だとして、福島県内外の365名が、同年11月、国と東京電力に対し海洋投棄の中止を求めて提訴したものです。
第6回口頭弁論に先立ち、福島市市民センターで事前集会が開かれ、弁護団、原告団から、決意が述べられました。
進行協議の後、午後2時に福島地裁203号法廷で第6回口頭弁論が開廷。
冒頭、準備書面について、前裁判体が「1書面1テーマというルールを徹底するよう」指示していたが、今回の国の書面はそのルールに則っていないとして、今回の裁判体に対して原告側が「次回以降は1書面1テーマにしてほしい」と要望。国、東電は裁判所に判断を求め、次回期日前に今裁判体がそれぞれに連絡することになりました。
原告側は、代理人弁護士から、海洋に放出されたALPS処理汚染水に含まれる放射性物質が、海流に乗ってどのように拡散していくかの主張立証を行い、それによって放射性物質によって日本全国の沿岸が汚染されるということ、そして本訴訟の原告全員に原告適格が認められることを明らかにする陳述を行いました。
さらに、福島県で沖合底びき網漁業を営む漁業者原告が意見陳述(要旨を下記に掲載)し、「今行われている海洋投棄は、国や東京電力が書面を作ってまでした約束事に反する行為であること、海洋投棄は漁業者にとって、被害を及ぼすだけで何のメリットもなく、今すぐやめるべきあること」と強く裁判所に訴えました。
その後、次回、次々回の期日が確認されました。
・次回期日、5月26日13時20分から進行協議、14時から口頭弁論。
・次々回期日、9月24日13時20分から進行協議、14時から口頭弁論。
午後2時からは、裁判並行集会も福島市市民センタで開かれ、閉廷後の午後3時過ぎ、裁判報告会&記者会見が行われました。
*裁判報告会の様子は録画を後日配信します。
ALPS処理汚染水差止訴訟 - YouTube
【漁業者原告の意見陳述要旨】
1 意見陳述者の漁師としての経歴など
意見陳述者は、福島県で沖合底びき網漁業を営む漁業者です。先祖代々漁業をしていた家系に生まれ、漁師としての経験は60年以上になる方です。
行っている漁の手法は、農林水産大臣の許可をもらい、約20トンの中型船を使って行う、沖合底びき網漁(一艘引き)というものです。
漁は沖合で行うため高額な中型船が必要で、ほとんどの沖合底引き網漁の漁師は、借金をしながら操業をしているのが現状です。そのため、漁師という生業により生活を維持していくためには、漁を続けられることが必須であり、漁をすることは、漁師にとっては、絶対に守られなければならない権利であると意見陳述者は考えています。
2 原発事故や海洋投棄による漁業への影響や被害について
原発事故前、意見陳述者自身は、船頭としての実力には確かなものがあり、多くの漁獲実績を持ち、漁師としての生活に何の不安もなく、希望に満ち溢れた生活を送っていました。
しかし、原発事故により10年近くも「試験操業」の名のもとに、満足に漁ができなくされてしまい、漁師としての経験と勘が奪われてしまったという被害を意見陳述者は受けたといいます。
さらに、令和5年8月24日に、多くの漁業関係者や周辺住民などの反対を押し切って、ALPS処理汚染水が海洋投棄されたことによる、具体的な被害として、海洋投棄直後に獲れた魚の値段が下がってしまったことを、意見陳述者はまずもって挙げています。
また、意見陳述者が聞いた話では、自分はもちろん、他の漁師仲間の中でも、「1匹でも(放射性物質)が出たら終わりだよなぁ」と話している人が何人もいるということであり、海洋投棄が続いていくことで、漁業者の不安は日に日に増していき、海洋投棄後、漁業者は皆さん毎回、「どうか放射性物質を含んだ魚が出ませんように」と強く願いながらの操業を余儀なくされているとのことです。
さらに、意見陳述者は、原発事故や海洋投棄による被害について他にも挙げており、例えば、原発事故後から、福島の船は放射能で汚染されているという偏見が「未だに」続いているため、福島県の沖合底引き網漁の漁師は、大臣許可証では本来認められるはずの宮城県沖・茨城県沖・千葉県沖での操業を禁止されている(操業自粛区域が設けられている)状況も問題点として挙げています。
現在でも福島の船は、少しでも指定された海区を出て漁をしてしまうと、すぐさま他県の漁協から警告文が送られて来る状況です。
意見陳述者は、その様な状況をもって、「檻にでも入れられた気持ち」であるとの悲痛な思いを語っています。ちなみに、その操業自粛区域は、海洋投棄前、緩和傾向に向かっていたにもかかわらず、今回の海洋投棄を受けてその気運が一気になくなってしまったようです。
加えて、意見陳述者は、操業自粛区域の存在を踏まえて、福島の漁業者の将来についても言及しており、他県の海域で操業することが出来ないため、県内の同業者同士で、狭い範囲内で魚の資源を取り合うことになり、漁業者の生活が成り立たず、ついには後継者もいなくなり衰退していくという悪循環が生じることは必至であると福島の漁業の窮状を語っています。
3 最後に
今行われている海洋投棄は、国や東京電力が書面を作ってまでした約束事に反する行為であること、海洋投棄は漁業者にとって、被害を及ぼすだけで何のメリットもなく、今すぐやめるべきあることを強く裁判所に訴える。
以上が、予定している意見陳述の要旨です。
以 上


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