36番、創世会の佐藤和良です。
間もなく、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から15年となります。改めて、犠牲となられた方々に心から哀悼の誠を捧げます。
福島第一原発事故は未だ終息せず、政府の原子力緊急事態宣言も解除されていません。放射性物質が大気中と海洋に放出され、労働者の被曝事故が頻発する中、困難な事故収束作業が続いています。
昨年、原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、燃料デブリの本格的取り出しの着手を2037年以降と公表し、2051年までの廃炉完了という、国と東京電力の「廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」が実現困難になっています。
事故15年を経ても、建屋の除却や膨大な放射性廃棄物の処理、想定23兆円を超える費用の財源など廃炉の中身は依然不透明なままです。本市は、被災自治体として、被災者を蔑ろにせず、国が廃炉に関する国民的な議論の場を設置するよう、働きかけるべき時です。
また汚染水問題も、漁業者との約束を反故にして、国と東京電力がALPS処理汚染水の海洋投棄を強行していますが、問題解決のためには、原発建屋への地下水流入を止める地下遮水壁の構築など、汚染水発生防止の抜本的対策を取るべき時です。
私は、市民のいのちを守るため、改めて原発震災を心に刻み、被災者が犠牲になることがない「人間の復興」をめざしてまいります。
それでは通告順に従い一般質問を行います。
大きな第一点、いのちを守る、子育て支援の充実について、です。
1点目は、5歳児健診の実施について、です。
本市は、幼児の言語の理解力や社会性が高まり、発達障害が認知される時期である5歳児に対して健康診査を行い、発達の特性を早期に発見し、育児の困難さや子育て相談のニーズを踏まえながら、こどもとその家族を必要な支援に繋げることを目的に、精神発達の状況、言語発達の遅れ等の発達障害など心身の異常の早期発見、育児上問題となる事項、必要に応じた専門相談等を内容とする、5歳児健診を令和8年度から実施します。
①まず、対象児童数や受診対象など令和8年度の実施内容はどうか、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
本市の5歳児健診の実施方式は、国の通知に示されている抽出型の二段階方式により集団健診で実施します。
5歳児健診の対象は、実施年度に満5歳になる幼児で、令和8年度の対象児童数は令和8年1月現在で1,861人です。
このうち、受診対象は、発達等に課題があると考えられる児童又は受診希望者となります。
②次に、令和8年度の実施方法はどうか、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
実施方法としては、健診前に、対象児童の保護者に対し問診票を送付し、保護者の回答を基にスクリーニングを行い、該当者に対し受診勧奨を行います。
健診時には、医師の診察のほか、保健師や教育関係者等による個別相談を実施します。
健診後には、地区保健福祉センターの保健師が中心となって、必要に応じて支援を行います。
③次に、健診の流れについて、各家庭からの問診、気になる事があれば相談会等参加するが、気になる事がなければそのままと言う流れで、「本当に就学前に必要な支援に繋がるのか」と保育現場の職員から懸念の声が寄せられました。抽出型の二段階方式による健診は、受診が保護者任せになる可能性が残らないか、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
議員お質しのとおり、保護者が、対象児の集団生活での立ち振る舞いや、調和的な行動など、社会的な発達状況を認識できていない場合、受診の必要性があっても受診につながらないことが懸念されます。
このため、昨年12月に、市内の保育所等を対象とした研修会を実施し、保育所等から保護者に対し、5歳児健診の意義を伝えるとともに、保護者と集団生活の様子を共有し、その状況も踏まえて問診に回答するよう、保護者への促しを依頼したところです。
今後も、受診の必要性がある児童が適切に受診につながるよう、保護者に対し、5歳児健診のメリットを周知するなど働きかけを行って参ります。
④次に、5歳児という年齢は、家庭での姿、集団での姿に大きな違いがあるので保護者だけの問診では本当に必要な支援に繋がらない可能性があり、「是非、5歳児健診は保護者の問診とともに集団生活の場を視診していただきたい」という要望が寄せられました。保健師が対象者の園の巡回視察をする体制は取れないか、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
対象児の状況が家庭と集団生活で異なる場合もあることから、対象児の適応を的確に判断するため、所属園での状況を保護者と共有することに加え、保護者からの同意が得られた場合には、市が健診前に直接所属園に照会し、情報を収集します。
健診時には、保護者の認識に加え、この所属園からの情報を踏まえて総合的に発達を評価致します。
また、保育所等が支援の必要性を認識していても、健診につながらない場合には、所属園からの申し込みにより保護者と一緒に随時相談を行う子育てサポートセンターの「園児のためのこども発達相談会」など、により必要な支援につなげて参ります。
なお、今後とも保護者や保育所等からの意見も伺いながら、より効果的な評価方法について、調査・検討して参ります。
⑤次に、健診を担う専門医師などの確保は十分な状況か、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
5歳児健診の導入にあたり、健診を行う医師等専門職の人材確保が課題の一つであったことから、これまで、市医師会等と協議を重ね、人材の確保に取り組んで参りました。
今般、健診回数に見合った市外の医療機関含めた医師及び、市内医療機関等の心理士の確保に目途がたったことから、5歳児健診を実施することにいたしました。
今後も、医師等含めた専門職人材の確保に努めながら健康診査の安定的な実施に努めて参ります。
⑥次に、健診後のフォローアップ、療育施設などの受け皿の拡充、教育機関との連携体制など、フォローアップ体制の整備はどのような状況か、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
国では、5歳児健診実施後から就学前まで'に必要な支援につなげられるよう、保健、医療、福祉、教育の各分野の関係者が連携し、地域におけるフォローアップ体制の整備を求めています。
本市におけるフォローアップ体制としては、健診終了後に多職種が参加するカンファレンスを行い、支援対象者の情報共有と対応方針を決定します。
その後、対応方針等に基づき、地区保健福祉センターの保健師が中心となり、各種相談会や就学相談、児童発達支援事業所等における支援につなげるなど、各分野が連携した支援を行います。
なお、本市の場合、発達のスクリーニングを行う3歳児健診後から、「子育てサポートセンター」などで随時相談に応じるなど、手厚い支援を行っているため、5歳児健診開始後においても、児童発達支援事業所の受け入れについては、当面充足する見通しです。
今後も、保健、医療、福祉、教育の各分野が連携したフォローアップ体制を整備するよう努めて参ります。
⑦次に、保育所・幼稚園等への説明や市民への広報、医師会や療育機関への周知など今後のスケジュールはどうか、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
5歳児健診については、これまで、関係機関との協議のほか、保育所等を対象とした研修会を実施するなど準備を進めて参りました。
今後のスケジュールとしては、市民の皆様に、市のホームページやSNSなどの広報媒体により、5歳児健診の意義等を周知し、受診につなげて参ります。
また、市医師会や市内の児童発達支援事業所等の関係機関に対しては、5歳児健診の実施について周知し、関係機関連携による支援につなげて参ります。
健診によって、こどもとその家族が必要な支援に繋がるように、保育現場の声もしっかり踏まえて、着実な実施を図るよう要望して、次に移ります。
2点目は、保育士等の人材確保と処遇改善について、です。
本市は、保育の質の向上を図るため、様々な「保育士人材確保推進事業」を通して、保育士を目指す方や現役保育士の方に様々な支援を実施しています。
一方、茨城県取手市では、民間保育園等における保育士等の処遇改善のため、令和7年度から教育・保育施設勤務の保育士等を対象に最大で20万円を補助する、民間保育士等処遇改善補助金(とりで手当)を創設しました。令和7年度に採用された保育士を対象とする「新規採用保育士等応援補助金」と、勤続年数に応じて補助額が増えていく「保育士等勤続功労補助金」の2つの補助金があり、補助金の対象者(二つの補助金共通)は、民間保育園等に従事している保育士等で、1日の所定労働時間が6時間以上、かつ、ひと月当たり20日以上勤務する方。また、民間保育園等の設置者に直接雇用されている方というものです。
⑧まず、本市における保育士等養成校の市内就職率は、どのような状況か、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
市内唯一の保育士等養成校であるいわき短期大学によりますと、令和6年度の卒業生51名のうち、幼稚園や認定こども園を含む保育施設等への就職者は47名でした。
このうち市内施設への就職者は31名となっており、卒業生全体に占める市内保育施設等への就職率は、60.8%となっております。
⑨次に、取手市の民間保育士等処遇改善補助金について、本市はどのように捉えているか、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
議員お質しの取手市の「民間保育士等処遇改善補助金」につきましては、保育士の確保や定着に一定の効果が期待できる施策の一つであると認識しております。
⑩次に、新卒、潜在者含め保育士等の人材確保のため、いわき市も民間保育士等処遇改善補助金を検討してはどうか、お尋ねします。
—答弁(こどもみらい部次長)
民間の保育士等の処遇改善につきましては、本市では、民間保育所等への独自支援として、人件費にも充当可能な民間保育所等運営費補助金により、各事業者が柔軟に処遇改善を行えるよう支援しているほか、国の施策と連携した保育士等の処遇改善に着実に取り組んでおります。
また、「保育士等宿舎借り上げ支援事業」や、潜在保育士の復職に向けた研修会の開催、さらには、市内就職を希望する大学生等に対し、「市未来につなぐ人財応援奨学金返還支援事業」などにより、人材確保と市内定着の促進に努めております。
お質しの取手市の取り組みの本市への導入については、多額の財政負担を伴うなどの課題もあることから、現在取り組んでいる事業の効果検証と併せて他市の先進的な事例の状況等、調査・研究して参ります。
取手市の動きに、「是非ともいわき市もやっていただきたいです」との声が現場から届きました。保育士等の人材確保と処遇改善のために積極的な検討を要望して、次に移ります。