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刑事参考記録「永久」保存要望、東電刑事裁判

 福島原発告訴団・福島原発刑事訴訟支援団は、4月15日午前、東京地方検察庁に対し、刑事参考記録「永久」保存要望申出書を提出しました。提出後に、東京の司法記者クラブと福島県政記者室で記者会見を行いました。
 東京電力福島第一原発事故の刑事責任を問う東電刑事裁判は、2025年3月5日、最高裁判所第2小法廷が、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力元経営陣の武黒一郎、武藤栄両被告について、検察官役の指定弁護士の上告を棄却する決定をし、被告の無罪が確定しました。
 公判では、東京電力が、国の地震調査研究推進本部の長期評価に基づいて東電設計が算出した15.7メートルの津波高をもとに、常務会で津波対策を承認していながら、武藤らによって先送りした事実が明らかになるなど、東京電力株式会社内での津波対策の検討状況、国の地震調査研究推進本部における専門家らの議論状況などを示す多数の貴重な資料が取り調べられ、専門家や東京電力社員らの証言等、訴訟資料は、国を崩壊させかねない事態を引き起こした東電福島第一原発事故に関する、実質的な事故調査報告書となっています。
 東京地方検察庁では、申立代理人の海渡雄一弁護士、大河陽子弁護士と福島原発告訴団の武藤類子団長、福島原発刑事訴訟支援団の佐藤和良団長ら告訴団・支援団の代表7名が担当官に対し要望申出書を手渡した上で、本件は刑事確定訴訟記録法に基づき、当然に「刑事参考記録」として保存されなければなりませんが、重大な裁判の記録が破棄されていたという事件も発生していることから、刑事事件記録ならびに、公判未提出証拠を含む刑事捜査記録を国として永久に保管することを、東京地検に「永久」保存されるように要望したものです。
 下記に、要望申立書を掲載します。

※刑事参考記録とは、刑事裁判の記録のうち、刑事法制及びその運用並びに犯罪に関する調査研究の重要な参考資料に当たるものを、法律で定める保管期間が満了した後も保存する制度です(刑事確定訴訟記録法第9条)。

⚫️ 刑事参考記録「永久」保存要望申出書

                    2026年(令和8年)4月15日
東京地方検察庁 御中
検事正 竹内 寛志 殿
                    申出人代理人 弁護士 河合弘之 外
                           別紙代理人目録の通り

申出人:別紙申出人目録記載のとおり

第1 永久保存の要望
 下記記録を刑事参考記録として永久に保存されたく要望します。
            記
 裁判を受けた者の氏名:勝俣恒久1、武黒一郎、武藤栄
                (1 上告審係属中に死亡)
 罪名:業務上過失致死傷罪
 第一審:令和元年(2019年)9月19日
 控訴審:令和5年(2023年)1月18日
 上告審:令和7年(2025年)3月5日
 確定年月日:令和7年(2025年)3月9日
に係る刑事事件記録ならびに、刑事捜査記録(公判未提出証拠を含む)

第2 要望の理由
 1 上記「第1」で永久保存を要望する記録(以下「本件記録」という。)
  は、法務省が刑事参考記録として指定するものとして挙げる下
  記の種別2のうち、「カ 検察審査会による起訴をすべき旨の議決に
  基づいて公訴が提起された被告事件」に該当する。加えて、「イ 国
  政を揺るがせた犯罪に係る被告事件」でもあり、「ウ 犯罪史上顕著
  な犯罪に係る被告事件」、「オ 無罪の裁判により終結した被告事件
  のうち重要なもの」「キ 全国的に社会の耳目を集めた犯罪に係る被
  告事件であって特に重要なもの」にも、明らかに該当する。
      (2 https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji02_00013.html)
                記
   ア 死刑に処する裁判により終結した被告事件
   イ 国政を揺るがせた犯罪に係る被告事件
   ウ 犯罪史上顕著な犯罪に係る被告事件
   エ 重要な判例となった裁判がなされた被告事件など法令の解釈
    適用上特に参考となる被告事件
   オ 無罪の裁判により終結した被告事件のうち重要なもの
   カ 検察審査会による起訴をすべき旨の議決に基づいて公訴が提
    起された被告事件
   キ 全国的に社会の耳目を集めた犯罪に係る被告事件であって特
    に重要なもの
   ク その他当局において刑事参考記録として保存する必要がある
    旨通知した被告事件
 2 本件記録は、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震、津
  波によって起きた福島第一原発事故について、同原発を設置運転し
  ていた東京電力株式会社(当時)の取締役ら(勝俣恒久(2002
  年から社長、2008年から会長)、武黒一郎(2008年副社
  長)、武藤栄2008年常務、2011年には副社長))の刑事責任
  を問う事件の記録である。
   訴訟において、東京電力株式会社内での津波対策の検討状況、国
  の地震調査研究推進本部における専門家らの議論状況などを示す多
  数の貴重な資料が取り調べられ、専門家や東京電力株式会社の社員
  らの証言等も得られた。
 3 本件記録は、国を崩壊させかねない事態を引き起こした東京電力
  福島第一原発事故に関する唯一無二の資料である。
 4 また、本件の記録としては、指定弁護士によってすべての証拠が
  弁護側に開示されたが、証拠請求されたものは一部にとどまり、さ
  らに弁護人が同意したものだけが、刑事事件の確定記録となった。
  しかし、公判未提出の記録の中にも、被告人や重要証人の調書な
  ど、極めて貴重な資料が含まれている。これらの資料も、本件の歴
  史的な研究の資料としては、唯一無二のものであり、その保存が強
  く求められる。
   過去においても、検察審査会の不起訴不当の決定にもかかわら
  ず、起訴に至らなかった日航機御巣鷹山墜落事故の捜査記録が、前
  橋地検に保管されている例がある。
   これらの本件記録が廃棄されてしまうと、東電福島第一原発事故
  の原因、同事故に至る経緯、当時の科学的知見などを示す資料が失
  われてしまい、原発事故を二度と繰り返さないという国民の教訓の
  礎を失い、また歴史的研究を阻害することになる。
   したがって、永久に保存されるよう切に要望する。
                              以上

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by kazu1206k | 2026-04-15 21:26 | 脱原発 | Comments(0)