福島第一原発3号機制御棒の未回収金属片の全量回収を求める
2006年 05月 13日
東京電力株式会社に対して
「福島第一原発3号機制御棒の未回収金属片の全量回収を求める要請書」を
福島第一原発サービスホールで提出しました。
原子炉の心臓部で核燃料の反応をコントロールし、
ブレーキの役目を果たす重要機材である制御棒の破損問題は、
本年1月9日、福島第一原発6号機において、
ハフニウム板型制御棒9本の金属製カバー(シース)等から40本以上のひび割れが見つかり公になりました。
昨年12月21日に行われた制御棒の挿入試験で、1つの制御棒について、
挿入する途中にひっかかって止まり、圧力を上げて挿入したが、
その制御棒のシースには10センチ大の三角形の欠落部があり、
欠落した金属片は隣の制御棒の下部で発見したと説明されています。
これは、制御棒シースのひび割れ破損により、制御棒の挿入能力を阻害する事態で、安全側に立てば由々しき事態であると考えます。
福島第一原発3号機では、3月3日に5本の制御棒にひび割れが見つかり、
さらに破損と7センチ大の欠落部が発見されました。
3号機の場合、破損がいつ発生したのかもわからず、
東電は破損金属片を全量回収したと発表しましたが、
3月20日になって調査に誤りがあり未回収片があるとして調査していました。
東電によれば、シース部の欠損部の未回収部分は2個で、
原子炉上部やシュラウド外周部、気水分離器等貯蔵プールなどや欠損部分が発見された制御棒案内管内部の調査を行ったものの未回収部分が発見できないため、
未回収部分が原子炉内に残っている、としました。
しかし4月14日になって「未回収部分については、
今後の定期検査等における設備点検の中で確認」として、未回収部分を残したまま運転を再開することを示唆しました。
未回収部分を残したまま運転を再開すれば、金属片が燃料棒を傷つけたり、制御棒駆動機構に入り込んだりする可能性が否定できず、原子炉の安全上重大な問題です。
1989年の第二原発3号機の再循環ポンプ破損事故時の未回収金属片100%回収という東電の約束はどうなったのか。
県民の安全・安心の確保のため、下記の点を求めました。
1、福島第一原発3号機は、破損制御棒の未回収金属片を全量回収すること。
2、福島第一原発3号機は、未回収部分を残したまま運転を再開しないこと。