保育園民営化の問題点、横浜市の民間移管第1号を視察
2006年 08月 26日
今回の視察先と調査事項は、次のようなものです。詳細は、メルマガ等で報告します。
1.神奈川県横浜市
・保育所民営化の現状と課題について
・防災計画都市災害対策編及び緊急事態等対処計画について
2.東京都武蔵野市
・コミュニティ条例について
・高齢者福祉施設施策について
このうち、横浜市の保育所民営化については、今年に入り一昨年4月に民営化した4つの市立保育園の園児と保護者が訴えた民営化取り消し訴訟で、横浜地裁が横浜市の性急すぎる民営化の手続きは違法と判断、1世帯あたり10万円の支払いを命じ「保護者には保育所を選択する権利と、同じ保育所で継続した保育を受ける権利がある」と、民営化時の保護者説明や手続きの不備を指摘しました。
本市でも市社会福祉審議会答申によって平成21年度から民間移管が打ち出されているため、3月の豊田市に次いで保育所民営化に関する2カ所目の視察となりました。
23日、横浜市の民間移管第1号となった港南区にある丸山台保育園に伺い、子どもたち107名の園内を見学、園長先生や主任保育士さん、横浜市子ども青少年局担当者と懇談しました。
民間移管「嵐の6ヶ月」の実体験を通した率直な感想、民間移管の厳しい現実、保護者の裁判への提訴、子どもたちへのおもい、保育者としての悩みなどお話を伺って、人件費削減と保育メニュー拡大を目的とする民間移管の実像が浮き彫りになりました。
お話を伺い、次のような民間移管の問題点があります。
1.「質の高い保育を公平に提供する保育の公的責任」を行政はどうはたすのか。
2.利用者の要望を運営にどう反映させていくのか。
3.公立の人件費削減が私立の安い人件費に依存転嫁されて民間は対応できるのか。
4.民営化プロセスに住民と利用者の理解と合意をどう得るのか。
いま、市民からは「民営化の是非についての議論を」「現場を置き忘れた議論」「保育の質はどうなるのか」「人件費削減の財政的シワ寄せがサービスに出るのでは」などのご意見が寄せられています。
今後、横浜市等の視察を踏まえ、市立保育所の現状視察と実態の聞き取り調査を継続しながら、市民の意見を反映させ民間移管の問題点を明らかにしていきたい、と思います。