人気ブログランキング | 話題のタグを見る

言論の自由と民主主義を否定する「政治テロ」…

61回目の終戦記念日、小泉首相が靖国神社を参拝して、アジア民衆の声と政教分離の平和憲法をふみにじった8月15日、首相の靖国参拝を批判した加藤紘一氏宅の放火事件が起きた。
言論の自由と民主主義を否定する「言論封じの政治テロ」だ。

戦後の右翼によるテロは、昭和35年の浅沼社会党委員長刺殺事件や同36年の嶋中中央公論社社長宅殺人事件。同38年の河野建設相宅放火事件などがある。
思い起こせば、戦前、政治家が次々とテロに襲われ、政党政治が形骸化、日中15年戦争への泥沼に進んでいった。
自由な言論が暴力によって封じ込められれば、民主主義は死に、戦争がやってくることは歴史が証明している。
いま、戦後日本の平和と民主主義が危機に瀕している。
「言論封じ」を目的とした卑劣な政治テロを許してはならない。

軌を一にして、安倍晋三官房長官が自民党総裁=次期総理大臣に選出されることが濃厚になっている。
安倍氏は、以前から「次期自民党政権の最大の課題は、憲法改正をレールの上にのせること」と公言してきた。そして、新政権の最初の仕事は、教育基本法の改正だ、と主張している。共謀罪も、9月召集の臨時国会で成立させるという。

安倍氏が最も尊敬する政治家は、自分の祖父、岸信介元首相だ。
岸信介元首相は、旧日本帝国の傀儡であった満州国の経営にあたり、東条英機内閣の商工大臣として、米国への開戦詔勅にサインした。
戦後は不起訴となったもののA級戦犯容疑者として公職追放となり、サンフランシスコ講和条約締結後に政界復帰。第56代の総理大臣となり、60年安保の強権的な改定で辞任したが、グラマン疑惑などその金権腐敗政治が国会でたびたび追求された人物である。

「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介元首相は、自主憲法の制定を最大の目標にしていたが、孫の安倍氏がそれを成し遂げようと執念を燃やしている。
安倍氏の主張は、戦後民主主義社会の根幹であった憲法と教育基本法を全面的に否定するものである。
by kazu1206k | 2006-09-05 19:50 | 時評 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k