戦争を想定した「市国民保護計画」で市民の意見を聴く
2006年 11月 15日
「市国民保護計画」は、2月議会で議決された「いわき市国民保護協議会条例」に基づいて設置された市国民保護協議会が現在検討を進めており、この日は、担当の市総務部消防防災課から説明を受け、市民の皆さんと質疑応答を行って、最後に意見と要望を市民クラブがお聴きしました。
「市国民保護計画」は、武力攻撃や大規模テロから国民の生命と財産を保護するという「国民保護法」に基づき保護の内容を定めるものですが、憲法の平和主義に反し戦争を想定した有事の計画です。
わたしは2月議会で、国民の基本的人権と地方自治並びに市民生活に重大な影響を与え、特に原発が攻撃されたら実効性ある保護計画は現実的に難しい、国民の保護の前提となる戦時国際人道法の「軍民分離原則」の確保が保証されていない、国民の保護というより市民の戦時体制への動員と意識づくりに終始し、市民の生命と財産を守ることにはならず安全が確保されない、と反対してきました。
当日会場からは
「戦争には計画を決めても意味がない。沖縄戦の経験から、味方にやられたことも多い。基本的人権を守る上でも、派遣部隊の指揮官の名前を市長に連絡すべきではないか」
「避難と救援がポイントとすれば、自主防災組織や福祉関係等負担がかかる人たちに説明が必要ではないか」
「武力攻撃は努力すれば防げる。日常的な平和義務や国際人道法、基本的人権の保護等を留意事項として書き込むべきではないか」
「怖いのは原発だ。ハザードマップをつくるのか」
「他県からの避難や他県への避難計画はあるのか」
などの他、多くの意見がだされました。
政府与党は、北朝鮮の核実験にのって核武装論を振り回し、「戦争のできる国」へむけた体制整備を進めています。しかし、私権の制限による動員の強制、戦時動員態勢づくりは、憲法の基本的人権の尊重を踏みにじるものです。
「市国民保護計画」は、12月8日頃から2週間パブリックコメントを実施して、来年1月には素案を承認し2月に原案を答申する予定です。
国民保護とは、戦争準備ではなく、何よりも平和への日常的努力です。