「赤字より安全・安心の医療を」、市立病院改革で市民の意見
2006年 11月 19日
14日、「市立病院改革」をめぐって、市民クラブ主催の市民の意見を聴く会を開きました。
はじめに市立病院部から、市立病院の概要と改革のこれまでの取り組み、医師不足の現状と地域医療のあり方について説明を受け、参加した市民は活発な質疑応答を行いました。
いわき市においても医師不足の影響で市立病院の患者数減少も起き、一部の診療科では常勤医師がいない状態が続いています。
22診療科、病床数889の総合磐城共立病院と16診療科、病床数305の常磐病院。
17年度決算は、収入19億円、支出20億円で差額が1億円。累積欠損金は17年度末で94億円。
市の市立病院改革の基本方針は、市立病院の役割機能として「高度医療や政策医療の提供」をあげ、改革の取り組みとして、医師の確保と患者サービスの充実を通した「安全・安心の医療提供」と地方公営企業法の全部適用等による「安定した経営基盤の確立」をうたっています。来年4月以降は水道局のように病院管理者がおかれ、「1市1病院2施設」として総合磐城共立病院と常磐病院は本院ー分院となります。
会場からの質問や意見:
「病院改革をすると市民サービスは良くなるのか、市民は使いやすくなるのか」
「医師不足は、国の政策で医師を配置すべきだ。大動脈瘤が手術できないので郡山市に行った。悲しいことだ。」
「医師確保が大変だ。勤務医の待遇が悪いのではないか」
「外来が減っている。良い医者をどう集めるか。専従者で専門医を集めるべきだ」
「医師の採用や賃金は誰が決めるのか。人事権等は院長が持たないのか」
「赤字が強調されるが、患者がいなければ赤字は増えるのではないか」
「赤字解消はできるのか、この10年何をやってきたのか」
「赤字を言って、安全・安心がないがしろにされては困る。赤字より安心を」
「医師確保は地方自治体でできるのか、研修医制度の問題なのだから国の問題ではないか。議会で決議したらどうか」
地域の中核病院として、市立病院への市民の期待は大きいものがあります。
医師不足の中で、財政再建に目を奪われ、肝心の市民の安全・安心の医療がおろそかにならないように、というのが大方の意見でした。
12月議会には、病院事業に地方公営企業法を全部適用することに伴う関係条例の整備に関する条例案等が出される予定です。
いま市立病院ができること、しなければならないこと、舵を取るべき方向をきちんと議論していきたいと思います。