深い闇。東京電力、前田建設工業・水谷建設疑惑に答えず
2006年 11月 29日
「捜査に係る事項なので回答できない」
東京電力は、水谷建設が前田建設工業の下請けとして「Jヴィレッジ」の造成工事及び福島第二原発浚渫土砂構外搬出工事を施工した契約内容や「Jヴィレッジ」建設を福島県に申し入れた際「東電のメッセンジャー的なことをしていた」水谷建設元会長の成功報酬等の事実関係を明らかにすることを求めている脱原発福島ネットワークに対して、11月22日このように回答した。
東京電力は、脱原発福島ネットワークの「東京電力福島原発及びJヴィレッジ工事に関する水谷建設等の疑惑解明に関する公開質問状」に対して、9月以来一貫して「東京地検特捜部が捜査中につき回答を差し控える」と答えてきた。
しかし、今回の回答「捜査に係る事項なので回答できない」から読み取れるのは、「Jヴィレッジ」造成工事及び福島第二原発浚渫土砂構外搬出工事が、「捜査に係る事項」と東京電力が認識しているということを端無くも認めたことだ。
脱原発福島ネットワークは、東京電力が「Jヴィレッジ」や福島第二原発浚渫工事など水谷建設、前田建設工業が関わった各工事での契約について、東京電力自身の企業倫理遵守に関する行動基準にそって工事契約の公正性と透明性をどう確保しているのか、電気事業者として果たすべき社会的責任から、福島県民に明確に説明する責任があるとして、事実関係の公表を求めているものだ。
東京地検特捜部の捜査の端緒であり、源流部である水谷建設と前田建設工業、東京電力の資金の流れは、依然として闇の中である。
深い闇の向こうに、東京電力の福島第一原発7.8号機の増設計画と老朽炉福島第一原発3号機でのプルサーマル計画待ち受けている。