東京電力、水谷建設の原発浚渫工事積算根拠の公表拒む
2007年 01月 04日
「木戸ダム建設問題での福島県の指名停止は、当社関連ではないので、前田建設工業、水谷建設は発注差し控えの対象企業ではない」
東京電力は、12月25日、福島第二原発浚渫工事の積算根拠や違法行為で摘発された企業に対する取引をどうするのか、という脱原発福島ネットワークなどの質問に対して、このように回答した。
東京電力は、水谷建設が前田建設工業の下請けとして「Jヴィレッジ」の造成工事及び福島第二原発浚渫土砂構外搬出工事を施工した契約内容や「Jヴィレッジ」建設を福島県に申し入れた際「東電のメッセンジャー的なことをしていた」水谷建設元会長の成功報酬等の事実関係を、前知事が辞任・逮捕・起訴されても尚、未だに明らかにしていない。
今、水谷疑惑は関西新空港・名古屋新空港建設や石原都知事フアミリーへの献金問題にも波及しているが、東京地検特捜部の水谷疑惑捜査の端緒であり、源流部である水谷建設と前田建設工業、東京電力の資金の流れは、依然として闇の中である。
しかし、東京電力は、11月、脱原発福島ネットワークの公開質問状に対して、「捜査に係る事項なので回答できない」と、「Jヴィレッジ」造成工事及び福島第二原発浚渫土砂構外搬出工事が、「捜査に係る事項」と東京電力が認識していることを認めた。
東京電力は、2002年の原発不正事件以降も、格納容器漏洩率の不正で1年間の運転停止処分を受け、昨年は流量計の設定値操作から半年もたたずに、違法な海水温度データ改ざん・ねつ造が発覚して越年と、不祥事を繰り返している。
安全性への信頼も崩壊状況だ。
東京電力は、水谷建設、前田建設工業が関わった各工事での契約について、自身の企業倫理遵守に関する行動基準にそって工事契約の公正性と透明性をどう確保しているのか、電気事業という公益企業の果たすべき社会的責任から、福島県民に明確に説明する責任がある。
東京電力は、情報隠蔽、不正野放しの企業体質を変えなければ、困難な事態が招来する。