「うれしい。安心して水が飲める」、山間地の共同給水施設の実現
2007年 01月 23日
いわき市遠野町の山間地にある清道地区は、市の水道事業の給水区域外のため、水道が繋がっていません。井戸を掘るにもすぐに岩盤につきあたってしまうため、各家庭では、これまで近くの沢から沢水を引いて、飲料をはじめ炊事や洗濯全ての生活用水として使っていました。しかし、雨が降れば、水は濁り、鉄分の多い地層のために、飲料はおろか洗濯にも、大変難儀していました。
そこで、2005年9月、自分たちの飲み水を共同で確保しようと、地区住民10戸48人が話し合い一致協力して給水組合をつくり、動き始めたのです。
2006年4月には、市の小規模給水施設整備事業の補助金交付申請を行い交付の決定を受け、入札を実施して業者選定を行い、いろいろなれない手続きや自己資金の調達、計画の変更などで苦労を重ねながら、深井戸からポンプでくみ上げ滅菌除鉄装置を設置した受水槽から各家庭に給水する共同給水施設を建設しました。
昨年10月末に工事検査が終了し、とうとう地区住民の長年の念願が叶って、完成にこぎ着けたものです。
わたくしは、当初「水道を引けないか」という相談を受け、地区の皆さんから、「泥水をすすっているんだよ」というお話をお聞きして大変ショックを受けました。
同じいわき市に住みながら、水道事業の恩恵を受けない人たちがこうして生活しておられる現実に、これは何としてもという想いで、市の各部局と協議し、小規模給水施設整備事業による安全な水の供給を住民の皆さんにつなぎました。
いわき市遠野町大平の清道地区に、役員はじめ給水組合の皆さんの並々ならぬ努力で、ついに給水施設が整備され、安心して水が飲めるようになりました。10戸48人の家庭に「水道」の水が来たのです。
昨年暮れ、清道地区にお邪魔した折りには、お母さんたちが「これで安心して正月が迎えられる」と大変に喜んでおられました。