中越沖地震が柏崎刈羽原発を直撃、活断層上の全原子炉の閉鎖を
2007年 07月 19日
今なお、避難所で不安な毎日過ごす多くの住民はじめ被災地の方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。
震度6強、マグニチュード(M)6・8を観測した新潟県中越沖地震は、柏崎刈羽原発を直撃しました。柏崎刈羽原発の直近9キロ、震度6強に及ぶ地震の加速度は、同原発の設計値の有に2倍を記録し、設計用地震動を超えました。原発敷地内の路面は波打ち、陥没、隆起しました。東京電力は、直後発生した変圧器の火災鎮火に至るまで約2時間を要し、初期消火さえできぬ有様でした。
18日、柏崎市長は、敢然と消防法に基づいて原発停止命令をだしました。市民の安全を守る立場からは、当然の対応です。
東京電力の危機管理能力の低さが露呈しました。
全てが想定外で、事態を正確に掌握していないのです。
そればかりか、体質化した秘密主義により、情報を小出しにしているため、国民は現在なお、事態の全容をつかむことができず、不明な点ばかりです。
現時点でも、以下の点は重大です。
・7基全ての使用済み核燃料プールで、放射能をふくむ水が溢れ出しプールの水位が低下し、核燃料が危険な状態にあったこと。そして、原子炉建屋内部は放射性物質に汚染され、溢れ出した汚染水の一部は海洋に放出されたこと。このような原子炉建屋内で作業員は被曝を強いられて除染処理を続けていること。
・7号機の主排気筒からは、ヨウ素131、同133、クロム51、コバルト60の放射性物質が検出され、半減期が21時間のヨウ素133の検出により、地震で燃料棒の破損が起きた恐れがあること。7号機は運転中にスクラムがかかり、そのとき燃料被覆管に何らかの破損が起こった可能性があることです。
・固体廃棄物棟内のドラム缶約100本が転倒。うち2、3本のふたが開いていた。内容物や放射能の汚染状況は不明であること。
・東京電力はHPで「活断層の上には建てていません。」といい、「建設用地を決める際に、ボーリング調査・周辺の地質調査・過去の文献調査などと行い、直下に地震の原因となる活断層がないことを確認した」といっていたが、余震の評価により、今回動いた活断層が、原発敷地直下に伸びていることがわかったこと。
・しかし、東京電力は建設前調査で、原発の沖合約20キロにあり、海岸と平行に延びている、今回動いた活断層について、国に提出した柏崎刈羽原発の設置許可申請書で、長さ最大8キロで最近は活動していないと評価。大地震をもたらさないとみなしていたこと。
柏崎刈羽原発反対地元3団体の武本和幸さんは、17日に同原発構内を視察し、「原子炉建屋近くの地盤が波打っていた。原発直下の地盤が動いたのではないか」と話しています。
原発を活断層上に建てて稼働し続けるなど断じて許すことはできません。
柏崎刈羽原発の閉鎖を求めるものです。
あわせて、双葉断層の上に立つ福島原発10基についても、閉鎖が現実的な選択です。
活断層上の全原子炉の閉鎖が、日本国民の安全と安心の確保の前提です。